2019年9月20日に、学陽書房から『スーパー公務員直伝!糸島発!公務員のマーケティング力』が出版されました。
様々な実績を出している糸島市のスーパー公務員である岡祐輔さんの1冊です。
「仕事には、マーケティングは関係ない。」
地方公務員のみなさん、マーケティングをこのように考えていないでしょうか?
マーケティングは、地域活性化や地域のブランド醸成には、欠かせないものです。
私は、マーティングなしに「盛り上がる」や「売れる」ことはないと考えています。
また、マーケティングに関するビジネス本も、今まで何冊か読んできました。
その中でも本書は、岡さんの実例を混ぜた地方公務員向けであり、とてもわかりやすいマーケティング教養本でした。
では、本書ではどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『スーパー公務員直伝!糸島発!公務員のマーケティング力』について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『スーパー公務員直伝!糸島発!公務員のマーケティング力』(著者:岡 祐輔 氏)
2019年9月20日発売
岡 祐輔(おか ゆうすけ)
福岡県糸島市企画部秘書広報課主査。MBA(経営修士)。
2003年に糸島郡二丈町(現糸島市)に入庁。民間の経営手法を公共経営に活かすため、仕事の傍ら、九州大学ビジネススクールに飛び込み、MBA取得。地方創生☆政策アイデアコンテスト2016地方創生担当大臣賞、帝国データバンク賞。地方公務員アワード2018を受賞。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
- 第1章:糸島モデルでわかる!公務員のマーケティング実践力
- 第2章:すぐに使える!公務員のマーケティング分析力
- 第3章:知っているだけで差がつく!公務員の戦略テクニック
- 第4章:政策アイデアを実現しよう!公務員のマーケティング心得
- 第5章:自分マーケティングで「役」立つ「人」になる
本書は、マーケティングの実践方法や分析方法、戦略テクニック、心得など、「公務員×マーケティング」をコンセプトとした1冊です。
ほとんど全ての内容が、地方公務員目線で書かれています。
そのため、地方公務員の人にとっては、「自分事」として読み進めやすいでしょう。
地方公務員がマーケティングをすることの大切さも書かれているため、ぜひ多くの方に読んでもらいたい内容となっています。
本書を読んだ私の感想!
本書を読んだ私の感想は、「地方公務員こそマーケティングを勉強すべき」でした。
地方公務員は、おそらくマーケティングが非常に苦手です。
そもそも、「マーケティング」という言葉に、縁がないと考えている人も多いです。
しかし、地方公務員がマーケティングを学ぶことには、大きな価値があります。
もしかしたら、「前例踏襲の打破」や「地域ブランドの醸成」に繋がるかもしれません。
著者の岡さんは、実際に、1年半で特産品の売上を6倍にすることに成功しています。
これからの時代、予算や人員が限られる中で、より課題に適切な事業が求められます。
この課題に対する分析や企画、政策立案などに、マーケティングは役に立つスキルです。
まずは本書を手に取って、できることから実践に移してほしいと思いました。
私が本書を多くの人に読んでほしい3つの理由とは?
先ほどもお話した通り、本書は「公務員×マーケティング」に特化した1冊です。
そして、マーケティングを通じて、どのように変わっていくのかがよくわかる内容でした。
ここでは、私が本書を多くの人に読んでほしい3つの理由について、ご紹介します。
マーケティングが苦手な人でもわかりやすい!
まずは、マーケティングが苦手な人でもわかりやすいことです。
マーケティングが苦手な理由として、「横文字が多くて苦手」という人が多いのではないかと、私は感じています。
実際にマーケティングには、AIDA、MECE、SWOT分析など、日常では聞きなれない単語が数多く存在しています。
このような単語に対して抵抗を持っている人が多く、マーケティングを無意識に避けているのかもしれません。
しかし、本書は、マーケティングが苦手と感じている人でも読みやすいことが特徴です。
糸島市の実例を基に、公務員向けに言葉を分解して、丁寧に解説されています。
また、イラストも多く使われていることもあり、専門用語が苦手な人でも一つひとつの意味を理解しながら読むことができます。
そのため、マーケティングに対して苦手意識がある人ほど、ぜひ本書を読んでもらいたいです。
公務員がマーケティングをする意味とは?
次は、公務員がマーケティングをする意味についてです。
みなさんは、なぜ公務員にもマーケティングが必要だと思いますか?
マーケティングは、地域ブランドの醸成や差別化、前例踏襲の打破など、様々な場面で活用することができます。
本書では、「ブルーオーシャン(競争市場から離れて、まだ誰もいない競争のない海へ飛び出していく差別化戦略)の作り方」による差別化の手法などが、わかりやすく書かれています。
あなたの「今後どのようにすれば良いのか?」に対するヒントが、見つかるでしょう。
今、悩みや課題を抱えている公務員のみなさんは、ぜひ本書を読んでみてください。
自分マーケティングで「役」立つ「人」になる!
最後は、自分マーケティングで「役」立つ「人」になることです。
これは、第5章に書かれている内容です。
私は、本章を読んで、とても胸が熱くなりました。
- 公務員は自分でモチベーションを高める職業
- 公務員の仕事は何でも幸せにできる
- 自分の力を高めるほど恩返しできる
- 地方公務員なのに全国で講演する理由
- 仕事プラスワンの勧め
岡さんの想いは、この第5章の5つの見出しで伝わります。
なかなか思うように働けない公務員は、全国各地に多くいるのではないかと思います。
しかし、岡さんの想いが乗った本章では、勇気と力をもらうことができるでしょう。
本章を通じて、自分マーケティングで「役」立つ「人」を目指してみてください。
また、本文内には、以下のようなことも紹介されていました。
そのまちに住んだ人たちにとって、行政サービスは、担当者のあなたしか選ぶことができないのです。
当然のことと言えば、当然のことです。
しかし、どれだけの公務員が、この「当たり前」を理解して仕事をしているでしょうか?
今一度、公務員として働く原点に戻るためにも、本書を読んでみてください。
まとめ
今回は、『スーパー公務員直伝!糸島発!公務員のマーケティング力』の感想について、ご紹介しました。
本書を通じて、公務員だからこそマーケティングが必要と言うことが、理解できました。
全国各地の公務員がマーケティングを理解して実践することで、世の中はもっと良くなるんじゃないかと感じる1冊でした。
住民に適切で効果的なサービスを提供するためにも、私はこれからマーケティングを勉強したいと思います。
また、著者の岡さんの優しく丁寧な人柄も伝わる「愛」のある本でした。
岡さんの今までの実績だけでなく、優しい人柄にも触れてみてください。
私がみなさんに自信を持って、おすすめする1冊です。