地方公務員の世界では、何故か「挑戦」することを嫌がる雰囲気があります。
また、挑戦している地方公務員がいると、距離を置いたりする人もいます。
この話を民間企業の方とお話をすると、とても不思議な風土だと驚かれることが多いです。
「若手職員などの挑戦する職員を応援するのが管理職であって、組織ではないのか?」
「挑戦なしに成功なんて生まれないものですよ!」
普通にこのような言葉を返されました。
言葉ではわかっている地方公務員は、多くいます。
ただ、挑戦するとなれば話が変わってくるのが、地方公務員の世界なのかなと思います。
しかし、挑戦することを良しとする風土の自治体もあるので、「地方公務員は挑戦してはいけない」のではなく、「地方公務員が挑戦しにくい」だけだと思います。
私は、全体的にもっと挑戦しても良いと思います。
では、なぜこのようなことになっているのでしょうか?
今回は、地方公務員が「挑戦」しにくい4つの理由について、考えてみたいと思います。
地方公務員が「挑戦」しにくい理由とは?
通常業務が忙し過ぎる!
そもそも、地方公務員においては、通常業務が忙し過ぎる部署が多いです。
法律に縛られない自発的に動けるような部署であれば、多少は業務量のコントロールはしやすいです。
しかし、法律に縛られた受動的な業務を抱える部署は、業務量をこなす必要があるので、「挑戦するための時間の余白」を作ることがなかなか出来ていません。
挑戦するための時間の余白を作る方法としては、業務改善や効率化を図るしかないでしょう。
例えば、1日10分だけで良いので、業務改善や効率化のことについて、考えてみませんか?
考えることだけでも、挑戦への第一歩です。
「失敗」が許されない風土!
私は、地方公務員が挑戦しにくい根幹となる要因は、失敗が許されない環境にあると考えています。
事業や取り組みは税金を投じて行われることがほとんどのため、失敗をすると議員や住民から批判を受ける恐れがあるためです。
また「行政の失敗」は、すぐにニュースとして取り扱われる傾向にあります。
「税金の無駄」という括りにされることがほとんどです。
つまり、この「失敗」=「批判」となる環境こそが、「挑戦」を妨げる根幹にあるものだと考えます。
後述しますが、民間企業等での成功者は、「トライ&エラー」で成功まで導いていることが多いです。
いきなり100%の成功なんて作り上げることができるはずがありません。
「税金の無駄」という観点はもちろん大切なことですが、住民やメディアも「挑戦」に関して、もう少し寛容になってくれないかなと思っています。
「出る杭は打たれる」風土!
「出る杭は打たれる」という言葉がある通り、地方公務員の世界では、少し目立つだけで目をつけられることがよくあります。
他自治体の私の友人公務員も、様々なチャレンジをして結果を出そうとしているのですが、ことごとく先輩職員に邪魔をされて、かわいそうなことになっている人もいます。
私の自治体は幸いにも、その辺りはまだ寛容な方だと思いますが、「ない!」とは言い切れません。
(私が気付いていないだけ?)
私は、「出る杭」はかけがえのない「人財」だと考えています。
「出る杭を打つ」のではなく「出る杭を抜く」ことが、もっと浸透すれば良いのになと思います。
「意識高い系公務員」という言葉での隔離!
ちょっと頑張ったり、自主的に勉強したり、休日にセミナーや交流会に行くだけで、「意識高い系公務員ですね!」と言われます。
私で言えば、このブログを書いたり、実名でTwitterをしているだけで、「意識高い系公務員」と言われます。
いつも思っているのですが、この「意識高い系公務員」という言葉、無くしませんか?
キャリアなどのことを考えて、自分でどこまで努力するかしないかは、本人の自由です。
それを「意識高い系公務員」という言い方をすると、どこか気持ち的に疎外感が生まれてしまいます。
この疎外感や仲間外れにされている感が、挑戦することを間接的に阻んでいる気がしてなりません。
素直に「頑張る公務員」とかで良いじゃないですか?
「トライ&エラー」という考え方
民間企業では、大切な考え方とされている企業もある「トライ&エラー」の考え方ですが、地方公務員においては、ほとんど皆無に近い考え方です。
本田技研工業(ホンダ)を創立した本田宗一郎氏の言葉で、以下のようなものがあります。
私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。99%は失敗の連続であった。そしてその実を結んだ1%の成功が現在の私である。
参考:『夢を力に 私の履歴書 』(著者:本田 宗一郎 氏)
名だたる成功者でも、多くの失敗を積み上げて成功しています。
「トライ&エラー」は、試行錯誤と同じ意味です。
失敗から改善点を見つけて、精度を上げたり選択を変えていくことです。
つまり、やってみて、失敗を改善しながら、100%に近付けていく方法です。
「挑戦」している地方公務員はいる!
挑戦している地方公務員は、実は全国あちこちにいます。
しかし、まだまだ全国的に見ても、どうしても少数派になっています。
「一緒に挑戦する仲間がほしいな。」
「誰かと一緒にやりたいな。」
「一人じゃ心細いな。」
当然、このように考える人もいるでしょう。
その時は、一番仲の良い職員や同期など、身の回りの人を簡単に巻き込んでみましょう。
例えば、何もしてもらわなくても、相談相手や報告相手になってもらうだけでも、十分です。
挑戦する時に、仲間と一緒に、小さい成功事例や成功体験を身近な人と共有し、挑戦する仲間を少しずつ増やすことが大切なのかなと感じています。
どこまで出来るかはわかりませんが、私に出来ることがあれば言ってください。
実働はなかなか難しいかと思いますが、相談に乗れることは相談に乗ります。
挑戦に対してお困りの地方公務員の方は、是非TwitterやFacebookでDMください。
まとめ
今回は、地方公務員が「挑戦」しにくい4つの理由について、考えてみました。
「地方公務員が働きにくい」という記事を書きたかった訳ではありませんが、現実を受け止めることも大切だなと思い、書かせていただきました。
この記事を裏返せば、これからどんどん挑戦する地方公務員が増えれば、世の中もっと良くなるんじゃないかな?という可能性しか秘めていないと思います。
挑戦しやすい環境を整えて、挑戦する地方公務員が増えれば、もっと多くのイノベーションが起きるでしょう。
そこから活気が生まれて、組織や地域が変わっていくのではないかなと考えます。
小さいことからでも良いので、挑戦してみませんか?
挑戦する風土を、地方公務員にもどんどん広げていきましょう。
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