地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

【2022.12.28更新終了】地方公務員のこと、富田林市のこと、公務員本の読書記録などを書くブログです。

【副業手続き実例紹介】私が記事執筆の副業をするために行った営利企業等の従事制限に係る許可手続きとは?

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地方公務員のみなさんは、副業をする際にどのような手続きがあるかご存知でしょうか?
おそらく、講師や記事執筆などの副業案件があったとしても、「副業ってして良いの?」や「副業を始めるとしてもどのようにすれば良いかわからない!」という人は、まだまだ多いと考えられます。

実は、副業は「してはいけない」ではなく「制限がある」という言い方が正しい表現です。
しかし、地方公務員においては実例がまだまだ少ないため、許可を出す側もどのようにすれば良いのか困惑している現状が見受けられます。
そのため、許可を出す人事側も許可を得る職員側も、どのようにすれば良いのかわかっていない状態になっていると言えるかもしれません。

では、副業を始めるためには、どのような手続きが必要なのでしょうか?
今回は、副業手続きの実例紹介として、私が記事執筆の副業をするために行った営利企業等の従事制限に係る許可手続きについて、ご紹介します。

営利企業等の従事制限とは?

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みなさんは、地方公務員法第38条「営利企業等の従事制限」をご存知でしょうか?
地方公務員が副業をするうえで欠かせない内容であるため、必ず理解を深めておいてください。

営利企業等の従事制限の趣旨を理解する!

まずは、営利企業等の従事制限の趣旨を理解することです。

冒頭でもお話した通り、地方公務員の副業は「禁止」されているわけではありません。
地方公務員法第38条「営利企業等の従事制限」により、「制限」されているだけです。
営利企業等への従事を制限する趣旨は、以下のように定められています。

  • 職務専念義務との関係
  • 職務の公正の確保
  • 職員の品質の維持

これらの内容は、当たり前のことと言えます。
しかし、この趣旨がブレてしまうことで、副業に対する信頼がなくなる可能性もあります。
そのため、副業を行う際でも強く意識する必要がある3つと言えるでしょう。

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任命権者の許可を得る必要がある行為を理解する!

次は、任命権者の許可を得る必要がある行為を理解することです。

営利企業等の従事制限に則り副業を行うためには、任命権者の許可を得る必要があります。
「任命権者の許可を得る必要がある行為」とは、以下のように定められています。

  • 営利企業等の役員等になること
  • 営利企業を自ら営むこと
  • 報酬を得て事業又は事務に従事すること

ただし、この条件以外であれば「何でも副業をしても良い」という訳ではありません。
所属する自治体により、副業に関する運用ルールがあるはずです。
そのため、まずは所属する自治体のルールを確認するようにしてください。

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私が副業を始めるまでの流れ!

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では、私が記事執筆で副業を始めるまでの流れを、簡単にご紹介します。
営利企業等の従事制限に係る許可手続きの方法に関しては所属する自治体により異なるため、ひとつの参考事例としてご覧ください。

記事の執筆依頼!

まずは、記事の執筆依頼があったことです。

私は、執筆や講師・講演による副業は、業務時間外における「人と人の繋がり」から生まれるものだと感じています。
様々な場所に顔を出して対話を繰り返し、その中で偶然、依頼されるケースが多いです。
今回も、一つの繋がりから声をかけていただいたことが始まりでした。

ただし、大阪府の事例では、原稿料は「報酬」に該当しないと紹介されています。
そのため、営利企業等の従事制限が必要かという議論もありますが、その判断をするべきは人事担当部局という観点から、私は全ての案件において提出をしているものです。

ただし、謝金、実費弁償に当たるものは「報酬」に含まれない。たとえば講演料、原稿料、布施、車代等である。「いかなる事業若しくは事務」とは、それが営利を目的とするものであると否とを問わず、すべての事業及び事務を含むものである。
(引用:大阪府/相談室 営利企業等の従事制限について

上司及び人事担当部局向けの概要説明資料準備!

次は、上司及び人事担当部局向けの概要説明資料準備です。

本資料は、営利企業等の従事制限に係る許可手続きに必ず提出をすべき書類ではありません。
上司や人事担当部局との対話をスムーズにして、少しでも許可を得やすい状況を作り出すためのものです。
副業に対して抵抗を持つ人事担当部局はまだまだ多いため、ある程度の整理は必要でしょう。

また、上司や人事担当部局に対して、口頭のみで副業案件の相談をしても伝わりにくいです。
特に人事担当部局は、最終的に首長までの決裁を行う責任もあり、自分で説明できるだけの情報と資料が必要になります。
そのため、①経過、②概要、③メリット、④業務への影響、⑤金額を1枚に落とし込んだ概要説明資料を作成しているものです。

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上司と人事担当部局への相談!

次は、上司と人事担当部局への相談です。

まずは、先ほど作成した概要説明資料をベースに直属の上司へ相談しました。
当時の上司は「外向きのことはどんどんやりなさい」というスタンスの人だったため、幸運にも、概要資料がなくてもスムーズに了承を得ることが出来ました。

次は、人事担当部局の管理職の方へ相談に行きました。
私の経験上、人事担当部局は「話しやすい管理職級にファーストコンタクトをとる」がひとつのキーポイントになると思っています。
人事担当部局内に理解のある味方を作り、根回しを済ませるというものです。

私の結果として、その管理職の方が決裁手続きのサポートを行ってくれることになり、人事課長などに説明していただくこととなりました。
日頃の庁内における人脈づくりや信頼関係も大切なのかもしれません。

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営利企業の従事制限に関する書類の提出!

次は、営利企業の従事制限に関する書類の提出です。

上司と人事担当部局から内諾をいただいたため、営利企業の従事制限に関する書類を人事担当部局へ提出します。
この書類は、全て人事担当部局にて起案処理を行い、最終的には市長決裁で処理されました。
私が提出した書類は、以下の通りです。

  1. 営利企業の従事制限に関する届出
  2. 別紙:企業概要について
  3. 別紙:取組概要について
  4. 参考:大阪府相談室(営利企業の従事制限)
  5. 参考:営利企業の従事制限について(庁内通知)

「1.営利企業の従事制限に関する届出」は、本市で決まっている所定の様式です。
副業を行う内容や相手方の情報に加えて、利害関係の有無、日常業務への支障の有無、そして、公平性や信頼性の支障の有無などを書く欄があります。
自治体によって多少の差異はありますが、ほとんど同じ内容だと聞いています。
まずは、どのような様式かの確認をしてみてはいかがでしょうか?

2と3の別紙に関しては、1の所定様式の内容を補填する資料です。
副業に至るまでの経過や取組内容を、より詳細に書き加えた参考資料です。
人事担当部局としても、「納くんはどういう副業をするのか?」と聞かれた時に、答えられるだけの根拠などの材料が必要です。
そのため、人事担当部局を少しでも楽にさせるためにも、与えられる情報は全て与えておくことが重要です。

4と5の参考資料は、営利企業の従事制限に関することが書かれているものです。
4の大阪府相談室(営利企業の従事制限)は、営利企業の従事制限について丁寧にまとめられた記事です。(現在、ページは削除されています)
5は本市庁内の通知ですが、「この通知の通りに書類を提出しています」とアピールするためだけに添付したものです。

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人事担当部局から許可通知を受け取る!

最後に、人事担当部局から許可通知を受け取ります。

人事担当部局より決裁が完了した旨の連絡をいただき、正式に副業許可をいただきました。
ただし、副業許可を得たといって好き勝手に動いてはいけません。
副業を始めてからも人事担当部局とは情報を共有し、関係性を築いておくことが大切です。

副業を通じて活動の幅を広げることで、人事担当部局の副業許容範囲も広がる可能性もあります。
そのため、副業に真摯に取り組むことは、今後の後輩職員のためにも繋がります。
副業を始める人は、自分だけではないという意識を持って取り組むようにしてください。

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まとめ

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今回は、副業手続きの実例紹介として、私が記事執筆の副業をするために行った営利企業等の従事制限に係る許可手続きについて、ご紹介しました。

副業を始める流れを少し知っておくだけでも、副業の始めやすさは全然違います。
私も他の自治体の方にお話を聞いて、「意外と簡単に申請できるんだ!」と思ったところから始まっています。

今回の記事を一つの事例として捉えていただき、どこかの自治体で副業に対して何か一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。
まずは、所属する自治体の細かい運用のルールを確認してみてはいかがでしょうか?

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