近年、ニュースや雑誌、イベントなどでも聞くことが増えた「SDGs(エスディージーズ)」について、あなたはきちんと説明ができますか?
SDGsは世界共通言語として、大企業や行政などでも多く取り組みが行われています。
スーツやシャツの胸元にSDGsバッチをつけた人も多く見かけるようになりました。
富田林市でも、令和元年7月に「富田林版SDGs取組方針」が策定されたところです。
では、そもそもSDGsとはどのようなものかご存知でしょうか?
今回は、今更聞けないSDGsのことについて、ご紹介します。
SDGsとは?
SDGsとは、2015年9月にニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発サミット」において採択された、地球規模で取り組むべき大きな国際目標のことです。
「Sustainable Development Goals」を略したもので、「エスディージーズ」と読みます。
日本語にすると「持続可能な開発目標」といいます。
17の目標と169のターゲットで構成されており、2030年までの実現を目指しています。
17の目標とは?
SDGsには、国連に加盟するすべての国が持続可能な世界を実現するために、17の目標と169のターゲットが設定されています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
このように、環境、エネルギー、健康、教育、人権、産業など、世界的な課題が一通り網羅されています。
これらの目標を2030年までに、「誰一人として取り残さない」ことを目指して行動を進めることが「SDGs」です。
簡単に言えば、以下の通りに分けることができます。
- 1から6の目標は「社会の基盤を作り住みやすい社会を作る」こと
- 7から12の目標は「持続可能な経済の基盤を作る」こと
- 13から15の目標は「環境を守る」こと
そして、この15までの目標を達成するためには、16の目標である「平和を維持する」ことと、17の目標である「パートナーシップ」が必要となるものです。
このように全体像を捉えることで、何となくSDGsがどういうものかわかるかと思います。
SDGsはいきなり生まれた目標なのか?
SDGsの前には、MDGs(ミレニアム開発目標)がありました。
2001年に発展途上国の開発の目標として掲げており、8の目標と21のターゲットがありました。
しかし、未達成な目標があったことや世界中での自然災害が多発するなどで、新たな多くの課題が生まれてきました。
そこでSDGsでは、達成できなかったMDGsの目標や更なる課題の解決に引き続き取り組むとともに、先進国も自国で抱える格差問題や持続可能な消費や生産対策などに取り組むべきと定めました。
つまり、全世界の私たち一人ひとりにとっても、真剣に考えなければならない目標でもあります。
日本では、MDGsはそこまで注目されていませんでした。
私もMDGsの存在は、お恥ずかしながら全然知りませんでした。
多くの人が「注目していなかった」「知らなかった」理由としては、貧困削減などを目標とした開発途上国向けのもので「開発援助」の性質がとても強かったためです。
2015年にSDGsが発表された当時も、日本の企業はそこまで注目していませんでした。
いきなり今みたいにSDGsを注目をし始めたきっかけは、世界各国の政治・経済界のリーダーが意見を交わす「ダボス会議」が開催されたことです。
ダボス会議の中で、SDGsにはビジネス価値と雇用創出に繋がるとの推計が発表されました。
そして、2017年あたりから日本でも機運が高まり、現在に至ります。
日本におけるSDGsの達成状況!
赤は「最大の課題」、オレンジは「重要課題」、黄色は「課題が残っている」、緑は「SDGsが達成できている」ことを意味します。
これは、日本のSDGsの達成度が評価されたものです。
海外の民間組織が、17の目標をどれくらい達成しているのかを毎年示しています。
その中で、日本が達成したといわれているのが、下記の2つです。
下記の2つ以外は、全て未達成という状況です。
- 目標4「質の高い教育をみんなに」
- 目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
更に、国際的な順位も日本は2017年には11位でしたが、2018年と2019年は15位でした。
日本の「最大の課題」と指摘されている目標は以下の通りです。
- 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
- 目標12「つくる責任 つかう責任」
- 目標13「気候変動に具体的な対策を」
- 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
日本などの先進国は、17ある目標の後半部分にあたる「どう持続可能な生活や経済を維持するか」や「環境を守っていくか」に対して重点を置いていることが多いです。
全部をいきなり確実に達成することは難しいかもしれませんが、一人でも多くの人が意識するだけでも、一気に日本のSDGs達成度は上がっていくのではないかなと思います。
SDGsの取り組みステップとは?
では実際に、SDGsの目標に寄与するためにはどうしたらよいでしょうか?
最初のステップは、「SDGsを知ること」です。
「SDGsってなに?」
「実際に何をすればいいのか?」
これらを知ることから始めてみましょう。
その後に、自分たちが今やっていることがSDGsにどう貢献しているのかを考えてみましょう。
更に、計画や戦略の目標などに落とし込んで、数値目標などを定めながら取り組むということもできます。
そして重要なことは、自社で取り組んでいることを世界中に広く知らせることです。
「こんなことをやっています!」と公表するだけで、新たなパートナーシップを呼び込むきっかけになったり、住民や周囲の人たちへ啓発できるということもあります。
【参考例】SDGsが社会に与えている影響とは?
SDGsは、全世界で取り組む「共通言語」としての意味合いが非常に強いです。
その中で、世界中でビジネス展開をしている大企業においては、仮に「SDGsに対応していない」や「SDGsに取り組んでいない」ということが、企業価値がマイナスになる要因となりかねません。
また、「自社の製品はSDGsに貢献しています!」とアピールすれば、新しいビジネスチャンスにつながることもあります。
他にも、今は高校生や大学生も授業の一環でSDGsを学ぶ機会が多く、興味・関心が高い学生も増えてきています。
その中で就職する企業を選ぶときの基準に、「SDGsの目標を達成するために積極的に事業に取り組んでいる」ということを重視する学生も出てくるでしょう。
SDGsに積極的に取り組むことで、意識の高い人材や優秀な人材を集められるというメリットも出てきます。
これらのように、「SDGsを知っていて取り組んでいることが当たり前」となってきた時代においては、社会の様々な場面で影響が出てきているといっても過言ではありません。
そのためSDGsは、社会的に影響力の強いものであると言えるでしょう。
まとめ
今回は、今更聞けないSDGsのことについて、ご紹介しました。
本当は「自治体」と「SDGs」についても書こうかと思っていましたが、あまりにもボリュームがある内容となりそうでしたので、別記事で書けそうであれば書きたいと思います。
現在、「SDGsを知らない!」は通用しない社会になってきています。
「持続可能な開発目標」として、世界中の共通言語になっています。
そして私たち一人ひとりが大切なこととしては「自分事」として捉えることです。
日常生活の中で、「これってSDGsかな?」と考えることが第一歩だと思います。
私が特に意識していることは「食品ロス」です。
食品ロスの達成は、目標12内のターゲットに直接該当するだけではなく、他のさまざまな目標に繋がり得るものです。
日本は世界的にも食品ロスが多いと指摘される中で、一人の消費者として、日々の心がけがSDGsの目標達成に貢献できることは容易に想像できるはずです。
日々の生活の中で想像を膨らませることが出来れば、「自分事」に考えられる目標が見つかるでしょう。
もし「SDGsを全然知らなかった!」や「何もやっていない!」という人がいれば、これからは「自分事」としてSDGsに取り組んでみませんか?
一緒に「持続可能な開発目標」の達成のために、頑張りましょう。
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