皆さんの中で「ペーパーレス」に取り組んでいる人はいるでしょうか?
地方公務員は、まだまだ紙文化です。
そのため、「ペーパーレス」という言葉はよく知っていても、取り組んでいる人は少ないように感じています。
私は2年前より、業務上必要な決裁以外は「出来る限りのペーパーレス」で業務が行えるように密かに挑戦しています。
「まずは小さく始めてみよう!」というものです。
今回は、私が「ペーパーレス」を徹底的に実践した方法と結果について、ご紹介します。
ペーパーレスを意識したきっかけとは?
私は元々、ありとあらゆるものを紙媒体で管理していました。
しかし、「この資料、ずっと置いてるけど何年も読んでないな。」というものが出てきました。
その時に「もしこの資料を捨てたとしても、1週間もすれば忘れるんじゃないか?」と考え、思い切って捨ててみました。
そして、見事に捨てたことすら忘れていました。
それを少しずつ繰り返していると、「意外と必要のないものが多い事実」に気付きました。
ちょうど同じタイミングで「働き方改革」という言葉が世間で賑やかになり始め、「ペーパーレス」や「フリーアドレス」などの言葉が飛び交いました。
私は「これは本格的にペーパーレスに挑戦してみるしかない!」と思い、まずは一人でスモールスタートしてみたことがきっかけでした。
ペーパーレス実践の目標設定!
やはり「ペーパーレス」と言うからには、徹底的に取り組みたいと考えました。
そこで私は、以下の目標設定をしました。
- 机の上には、パソコンと電話と飲み物以外を置かない!
- 机の引き出しに書類を入れない!
- 「フリーアドレス」がいつでもできるくらいキレイに!
これらの目標を達成することを目指して、実戦しています。
達成状況としては、現在は上記の全ての目標を達成しています。
私のペーパーレスの実践方法とは?
ではここから、私が実際に取り組んでいるペーパーレスの方法について、共有します。
「これは自分にも出来そうだ!」というものを参考にしてください。
「念のため」のものは、全て捨てる!
「念のため置いておこう」と思って保管しているものはありませんか?
だいたいのものは、滅多に使うことはないものです。
もしも「念のために」と思うのであれば、「本当に必要かどうか」を考えたうえでPDFで保管するなどの管理方法に切り替えていきましょう。
ただし、議会などで本当に紙媒体で必要となる書類もあるので、困ったときは上司や先輩職員に相談してみましょう。
紙媒体しかない資料は全てPDF化する!
先ほどと同じような話になりますが、紙媒体しかない資料は全てPDF化しましょう。
例えば、研修やセミナーなどの資料が積み重なっていませんか?
紙媒体でしか資料が配布されないものは、なかなか捨てないで保管されがちです。
しかし、あなたはその資料などを頻繁に見るでしょうか?
もしもあまり見ないのであれば、PDF化して適切なフォルダで管理するようにしてみましょう。
業務書類は所属部署の共通棚の適切な場所で管理する!
基本的にあってはならないことですが、業務の書類を個人で管理していませんか?
業務の書類は、共通棚の適切な場所で保管するようにしましょう。
「あの書類はどこにいった?」というようなトラブル防止にもなりますし、何より、書類が一番積み上がる原因です。
「この書類は、本来どこで管理しておくべきか?」の自問自答が、この問題を解決してくれるでしょう。
データの整理整頓!
ペーパーレスに伴い、書類などはデータで管理する形になります。
その際に欠かせないことが、データの整理整頓です。
ペーパーレスを行う際に必ず行わないといけない作業です。
もし整理整頓をせずに保管する、結局どこにあるのかがわからない状態になってしまいます。
最低限のポイントとしては、「データのタイトルをわかりやすく」です。
タイトルさえ整えていれば、「検索」で探すことが出来るからです。
ペーパーレスは「紙を減らす」だけではなく、「データの整理整頓」も併せて行うことを意識しましょう。
スケジュールとToDoリストは庁内WEBで一括管理!
私は今、手帳を使っていません。
富田林市は「Cybozu Garoon」を利用しており、スケジュールやToDo管理機能の使い勝手が非常に良いので、全てデータで管理するようにしています。
最初は手帳で管理を行っていましたが、データ管理することで同じ部署の職員とスケジュールやToDoリストを共有することができました。
これは各自治体のシステムの使い勝手にもよりますが、一度挑戦してみる価値はあると思います。
なお、あくまで業務的なもののみであり、プライベートな予定等はスマートフォンアプリで管理しています。
名刺は全てスマホアプリで管理!
私は名刺管理に「Eight」を活用しています。
手元の名刺が数千枚になると、綺麗に直していても探すのが大変です。
そのため、全てデータ化することで、検索機能ですぐに見つけることができるようになりました。
読み込みも非常に正確なので、重宝しています。
実践して良かった結果とは?
パソコン1台で意外と何でもできる!
紙媒体をほとんど使うことがなくなり、パソコン1台で仕事が回るようになりました。
もちろん、企画系の部署にいることも一因だと思います。
収受・起案処理や決裁処理は変わらず紙文化です。
しかし、個人的な資料の保管やデータ作成後の管理は、全て紙で印刷することなくデータになりました。
最初は抵抗がありましたが、1ヶ月ほどでいつの間にか馴染みました。
毎日机の上がとても綺麗なので、気持ちよく仕事が出来るようになりました。
タスク管理が非常に楽になった!
手元に書類が山積みにならなくなった結果、「今何をしなければいけないか?」「優先順位は何か?」などのタスク管理が非常に楽になりました。
その結果、業務が全体的にスムーズに捗っていることを実感しています。
また、タスク管理がうまく出来るようになったことで、時間管理も行いやすくなりました。
そして、プライベートの時間も上手く作ることができるようになってきました。
実践して不便に感じたこととは?
資料に直接メモを書いたり蛍光ペンでの強調ができない!
当然のことですが、資料に対して書き込みなどができません。
どうしてもメモをしたい時に、資料とメモが分かれてしまうことが不便だなと感じました。
おそらくペーパーレスに踏み切れない人の多くは、この部分の不便さを感じている人が多いのではないかと想像しています。
「仕事が暇そう」という扱いを受けることがある!
普段ペーパーレスにより、机の上に何も置かずに仕事を進めています。
書類を一切溜め込まないようにしているため、「仕事が暇そう」と言われることが多々あります。
実際は結構忙しくしているのですが、「机に積み上がった書類」=「仕事量」という捉え方をしている人が残念ながら多いのが、地方公務員においては現実的な出来事です。
また、同じような内容ですが、複数日出張や休みが連続するだけで病休などの長期休暇と勘違いされることもあります。
これは私の存在感の問題でもあるかもしれませんが、複数日連続で席を外していると「机の上に何もなかったから、メンタルでもやられたのかな?と思った!」などをたまに言われます。
つまり、周りから「暇そう」という目で見られる可能性があるデメリットがあります。
どの所属でも「ペーパーレスが最善」という訳ではない!
実は、課税部局で市民税の賦課を担当していた頃にもペーパーレスにチャレンジしていました。
結果として、当時は給与支払報告書や確定申告書の処理、その他事務業務のほとんどが紙媒体でやり取りが行われていたため、結果として「ペーパーレス」は全く馴染みませんでした。
現在ではe-taxなどの電子化がかなり進んでいるため、もしかしたら状況は異なるかもしれません。
しかし、私の考えとしては、「ペーパーレス」がまだまだ馴染まない部署は存在すると思います。
そのため、「ペーパーレスすることが偉い!」「ペーパーレスが正しい!」のではなく、ペーパーがあることが適している又は効率的な業務もあることを念頭においておきましょう。
まとめ
今回は、私が「ペーパーレス」を徹底的に実践した方法と結果について、ご紹介しました。
結果として、今私がペーパーレスを実践出来ているのは、企画部局だからなのかなと思いました。
次に人事異動があった際にも実践してみて、どこまで通用するのかを試してみたいと思います。
本記事で私の取り組みを通じて、何か読者の皆さまのヒントになることがあれば嬉しく思います。
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