地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

【2022.12.28更新終了】地方公務員のこと、富田林市のこと、公務員本の読書記録などを書くブログです。

若手地方公務員の給料の実態!高卒採用10年30歳の給料明細を公開!

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「地方公務員は給料が良いから安泰だね!」
「地方公務員の給料って、どれくらいですか?」
「地方公務員なんだから奢ってよ!」

地方公務員のみなさん、このようなことを言われたことがありませんか?
一般的に、地方公務員は給料が良いと思われています。
しかし若手地方公務員は、同世代の民間企業の人よりも、手取り金額が低いことも多々あります。
私も友人と給料の話をしますが、私が一番給料が少ないことが多いです。

地方公務員で「給料が良い!」と言われるのは、管理職に上がった一握りの地方公務員です。
また、平均給料が高く見えるのは、管理職世代の地方公務員の人員が比較的多いことも一因でしょう。

では、若手地方公務員である私の実際の給料は、どのような金額なのでしょうか?
今回は、若手地方公務員の給料の実態として、高卒採用10年30歳の私の給料明細を実例に、ご紹介します。

地方公務員の給料の決まり方とは?

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地方公務員の給料は、給料表の「級」と「号給」の組み合わせで支給額が決まります。
給料表は、各自治体の給与条例により定められています。

まず「級」とは、「職務レベル」のことです。
内容の複雑さや困難度、責任の度合いに応じて設定されます。
次に「号給」とは、級を細分化した概念です。
「職務年数による職務の習熟度」を給与に反映させるためにあります。

地方公務員の給与水準は、国家公務員と同様です。
民間の給与の実態を調査した上で調整されます。
地方公務員では、都道府県や政令指定都市特別区などの人事院が置かれている団体と、その他の人事院が置かれていない一般市町村では、給与改定方針が決定されるまでの手順が異なります。

どちらの場合も、議会の決議によって給与条例が施行され、地方公務員の給料は決まっていきます。

高卒採用10年30歳の私の給料の内訳とは?

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では、ここで私の給料明細をお見せしたいと思います。
受け止め方は様々だと思いますが、実際の数字ですのでご参考にしてください。

支給合計額

まずは、支給額について確認します。
以下が内訳です。

  • 基本給:234,400円
  • 地域手当:14,064円
  • 住居手当:27,000円

支給合計額は、275,464円です。
ここでは、いわゆる残業代を省いています。
残業をすれば、この金額に上乗せという形になります。

富田林市の地域手当は、現在6%です。
そのため、234,400円×6%=14,064円となります。
地域手当がどのようなものかについては、下記の記事をご参照ください。

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支給合計額だけを見れば、「地方公務員の給料って良いな!」と私も客観的に思います。
しかし、控除合計額が想像以上に多いのです。

控除合計額

続いて、控除合計額について確認します。
いわゆる「給料から引かれる金額」です。
以下が内訳です。

  • 共済組合掛金48,064円
  • 所得税5,880円
  • 住民税13,800円
  • 生命保険8,777円
  • 福利厚生会費800円
  • 組合費2,300円

控除合計額は、79,621円です。
住民税においては、ふるさと納税や医療費控除で節税もしています。
私も働き始めるまで知りませんでしたが、「共済組合掛金(年金や保険料等)」にかなりのお金を持っていかれています。
多くの後輩からも「共済組合掛金が高くて驚いた」という声をよく耳にします。

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手取り金額

支給合計額275,464円から控除合計額79,621円を差し引いて、手取り金額は、195,843円となります。
これが高卒採用10年30歳の私の手取り金額です。

ここから、家賃6万円と貯金4万円、水道光熱費や携帯電話代、インターネット代や月額サービス利用料などの固定費、毎日の飲食費などを差し引きます。
そうすると、手元に残るお金は毎月だいたい3万円前後です。
この金額がお小遣いとなり、交際費、趣味、買い物へと充てていきます。

本音で言うと、「めちゃくちゃ苦しい!」というわけではありません。
しかし、そこまで大きな贅沢が出来るわけでもありません。

たまにお金がかかる趣味をしている地方公務員がいるのですが、どのようにして生計を立てているのかいつも気になっています。

景気後退時には給料カットも!

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先ほどもお話した通り、地方公務員の給料は基本的に国家公務員に準拠しています。
国家公務員の給料は、毎年8月頃に行われる「人事院勧告」によって決まります。
その内容を各自治体が確認し、労働組合と交渉し、議会の議決を通じて年末頃に地方公務員の給料が変わっていくという流れになります。

今年も新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、インターネット上では「公務員の給料を下げろ!」という声も多くあります。
実際に多くの住民が苦しんでいることも事実ですし、「地域へお金を回して欲しい!」という想いもあるので、私は当面の給料減額は「必要なこと」として賛成です。
リーマンショックの時にも、全国の地方公務員において大幅な給料カットもあったと聞いています。
今後、間違いなく給料は下がると思いますので、地方公務員の皆さんは心づもりしておいた方が良いでしょう。

そして、私は皆さまに知っておいて欲しいことがあります。
地方公務員の給料は「議会」を通して正式に決められるため、「今すぐ減額」とはいきません。
そのため、すぐに下がらないことだけはご理解いただきたいです。

また、恐らく今回の給料減額は4月に遡るものと想定しています。
その際は、12月の給料・賞与又は1月の給料で「返還」が生じるでしょう。
実際は、支払い金額からの差し引きとなると思います。
そのため、私たち地方公務員も事実上は今も給与減額を受けているものとなるでしょう。

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まとめ

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今回は、若手地方公務員の給料の実態として、高卒採用10年30歳の私の給料明細を実例に、ご紹介しました。

管理職になり給料表の等級が上がれば、地方公務員は給料がいきなり上がっていくこともあります。
しかし、年功序列の風土がまだまだ強い地方公務員において、若手地方公務員はなかなか給料が上がることはありません。

地方公務員の給料は、「高過ぎる!」と言われるほど良過ぎず、しかし、悪過ぎるわけでもないというところではないかと、私は感じています。
本記事が、地方公務員の給料のひとつの真実として、多くの人に知ってもらうきっかけになれば良いかなと思います。

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