地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

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超基本を整理!今話題の「関係人口」の考え方とは?

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皆さんは「関係人口」という言葉を聞いたことがありますか?
近年、自治体や地域づくり関係者の界隈で、急に賑やかになってきた言葉です。
「○○人口」という言葉は様々ありますが、今回登場する言葉としては、「定住人口」と「関係人口」と「交流人口」の3つです。

「定住人口」は、言葉の通り、住んでいる人の数を表すものです。
「交流人口」は、観光などで訪れた人の数を表すものです。

では、「関係人口」とはどのようなものでしょうか?
今回は、今話題の「関係人口」の考え方について、ご紹介します。

「関係人口」とは?

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(画像引用:『関係人口』ポータルサイト

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。

「関係人口」とは、上記のように定義されています。
簡単に言えば、「地域に対しての関係性が強い人」を指します。
例えば、その地域にルーツがある人や出身者、仕事などで関わる人、観光などのリピーター、特産品や起業家を支援する人、地域へ何度も行ったことがある人などの「相当の関わりがある人」のことです。

観光などで地域に訪れたことがあってもほとんど関わりがない人は、「関係人口」でなく「交流人口」です。
一時的な訪問でも長く移住する人でもない、「定住人口」と「交流人口」の中間層が「関係人口」ということです。

図でも「現状の地域との関わり」と「地域との関わりへの想い」の2本が軸となっています。
つまり、ポイントは「地域への想い」であり、その想いが「関係」と繋がっているものです。
もっと言えば、その地域の「強いファン」であるということです。
そして最終的に移住すると、「定住人口」へ繋がるものです。

「関係」という言葉だけを見れば、「とにかく何かしら一度でも関わっていれば「関係人口」で良いのでは?」と思っている地方公務員もいるかもしれません。
しかし、これらのような定義があることを、まずは理解しておきましょう。

関係人口を増やすためには?

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では、関係人口はどのようにして増やすのでしょうか?
様々な考え方がありますが、ここでは私の考えをご紹介します。

「ファン・マーケティング」が大切!

関係人口は、簡単な言葉で例えると「強いファン」のことです。
地域は、「一過性のブーム」や「斬新さ」「目新しさ」に頼る顧客獲得ではありません。
そもそも地域には、新規顧客を開拓する営業力や宣伝力もありません。
そのため、「ファン・マーケティング」の考え方が必要となります。

「ファン・マーケティング」とは、ファンを育てることを軸に、商品やブランドなどに価値をつけていくマーケティング戦略のことです。
特に地域には、中期的や長期的な目線で関わってくれる「強い想いをもつファン」が必要なのです。
「想い」をベースに「ファンを獲得する」ことを考えれば、ファン・マーケティングは関係人口の獲得において、非常に重要な考え方であると言えるでしょう。

「ファン」と言えば、アーティストやアイドルグループを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
アイドルグループで例えると、「自分が育てるアイドル」と言うこともあります。
地域にとっても、「自分が育てる地域」というくらいの熱い想いを持ってもらうことが、ファンを増やす、つまり、関係人口を増やすことに繋がるものと考えられます。

「想い」はみんな同じとは限らない!

ただし、一概に「関係人口」と言っても、みんな同じ想いとは限りません。
つまり、必ず「地域活性化」に関わるものではないということです。

例えば、ただ単純に地域の特産品が好きな人は、「地域活性化」まで興味はありません。
これからもその特産品を食べ続けるためにも、「維持」を目的に関わる人もいます。
そのため、「関係人口」だからと言って何でもかんでも「地域活性化」というものではないことも意識しておきましょう。

関係人口の難しさとは?

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関係人口には、難しいと言われている理由が大きく2つあります。

  • 目的を明確にしにくい!
  • 関係人口数を計ることが難しい!

目的を明確にしにくい!

関係人口を増やすためには、「地域づくりの方向性」が大きなポイントとなります。
農業の活性化を目指すのか、定住を増やすことを目的とするのかなど、きちんとした方向性が望ましいです。
つまり、「地域の明確なビジョン」が欠かせません。
明確なビジョンを持っている地域って、ほとんどないと思います。
自治体が主導で「じゃあビジョンを作ろう!」と言っても、首長や議員、地域の自治会などと調整して決めていく必要があるため、難しいと言われているものです。

関係人口数を計ることが難しい!

「何をもって関係人口とするか」「どのように数値を計るか」が非常に難しいです。
総務省は、事例として以下のようなものをあげています。

関係人口の創出・拡大に実際に取り組む地方公共団体にあっては、以下の例のように、地域の実情に応じて、その達成すべき目的を明確にした上で、その達成に向けた計測可能な指標を設定することが適切である。その際、イベントの参加者数や開催数など取組数のみを指標として設定するのではなく、関係の深化などについても評価する仕組みを検討することが望ましい。
(例1)
目的:人材不足に悩む地域内の中小企業の活力の向上
指標:副業・兼業人材を受け入れている地域内の中小企業の数等
(例2)
目的:地域活動の担い手不足に悩む地域の活力の向上
指標:継続的に地域活動に関与してくれる人の数又は割合
地域で関係人口を受け入れる活動を行う人や機能の数等
(例3)
目的:潜在的移住・定住者の増加
指標:関係人口に係る取組により、その地域へ誇りを持つ住民の
増加割合等
参照:第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」 48頁

まずは「明確な目的」を設定したうえで、「計測可能な指標」を考えることが大切です。
そのため、順番としても「明確な目的」を定めていくことが大切でしょう。

今後の「関係人口」の行方とは?

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関係人口の今後の行方は、どうなっていくのでしょうか?

基本的に「関係人口」を増やすことは、地域にとっても良い効果をもたらします。
例えば、異常気象が多い近年において、災害発生時などにボランティアをする人が増え、特産品などの風評被害を抑える働きにも期待できます。

また、「副業」や「テレワーク」が一般的に「ひとつの働き方」として浸透してきている中で、二拠点生活の「二拠点目」に選んでもらえるかもしれません。
「関係人口」という考え方が広く浸透することで、都市部と地域を繋ぐ取組みや関係が多く生まれてくることに期待したいです。

naya0708.hatenablog.com

まとめ

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今回は、今話題の「関係人口」の考え方について、ご紹介しました。

そもそも論としては、「熱いファン」を呼べるだけの「魅力」がなければ、当然ファンができることはありません。
ファンにとってどのようなメリットがあるのか、ファンにどのような還元があるのかというところは、欠かせないものです。
それが「育てるという体験」や「自分に何かしらのコミットをすること」があるからこそ、地域のファンになっていくものです。

当たり前のことですが、地域も「誰に対して、どのような価値を提供するか」を考えるしかないものです。

また、最終的には「地域が自走する」ことが大切だと考えています。
つまり、「関係人口」と「地域」が協働することで「地域経済」が活性化し、行政を頼ることなく生きていけることが理想です。
実際はこれが難しいから皆さん苦戦しているのですが、「新しい発想」は何か必要になるかもしれませんね。
これからも「関係人口」について、引き続き勉強していきたいと思います。

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