2020年8月1日に、学芸出版社から『まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト』が出版されました。
本書は、特に自治体のウェブ発信を担う「広報担当」の公務員に読んでほしい本です。
著者が『「良い情報発信」のノウハウをまとめた1冊です。』と述べていますが、本当に驚くほどのノウハウが1冊にまとまっています。
では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト』の感想について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト』(著者:狩野 哲也 氏)
2020年8月1日発売
狩野 哲也(かの てつや)
編集者兼ライター、狩野哲也事務所代表。1975年京都市生まれ。関西大学4回生時から出版の世界でアルバイトを始める。卒業後はフリーランスの編集者兼ライターとして活動。現在、インタビュー、執筆、編集、企画を行う「狩野哲也事務所」代表。自社プロジェクトとして、さまざまなスペースに出張する流浪のトークイベント「サロン文化大学」、ウェブサイト「まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト」特設サイトを運営中。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
- 第1章:移住も関係人口も地域ブランディングも
- 第2章:まだまだフィールドは広い!あらたなチャレンジ
- 第3章:まずは知っておきたい!ウェブ発信の基本ツールと心構え
- 第4章:誰に何を発信すればいい?自治体ウェブ発信はじめの一歩
- 第5章:「伝える」から「伝わる」へ
- 第6章:ウェブ発信を使ったコミュニティデザイン
本書は、自治体のウェブ発信の基礎知識や活用方法などを、全国100個の優良事例を基に丁寧に解説された1冊です。
現場で頭を抱える人が絶対に読むべき、情報発信の「課題解決型」実践書です。
率直な感想!
私の率直な感想は、「とにかく事例が豊富!」ということです。
自治体はとにかく、「他市事例参照」で物事の実施が決まることが多いです。
そのため、「既に同様のことに取り組んでいる自治体がある!」というだけでも、担当者にとっては心強いものです。
このように全国各地の優良事例を多く集めた1冊は、ウェブでの情報発信を変えていきたいと悩んでいる広報担当者にとって嬉しいものでしょう。
本を読む暇がないくらい忙しい人ほど手にとってほしいと思いました。
私が本書で特に読んでほしい3つのポイントとは?
本書では、自治体のウェブ発信について、とても大切なことばかり書かれていました。
今回は、私が特に多くの方へ読んでほしい3つのポイントについて、ご紹介します。
自治体ウェブ発信はじめの一歩!
第4章では、「自治体ウェブ発信はじめの一歩」として、発信の基本となる3つのポイントを紹介されていました。
- まずは「発信の目的」をはっきりさせよう
- 読みたくなるのは、話し言葉の延長
- フォロワーを増やす導線づくり
どのポイントでも欠かせない視点は、「何を誰に発信するのか」です。
ただ漠然と発信するよりも、相手の顔を思い浮かべて発信する方が効果は高いです。
本書では、「ウェブ発信は住民とのあらたなコミュニケーション手段」と位置付けられています。
そのため「お堅い組織的な発信」よりも、「話し言葉による柔らかい発信」の重要性が、今後増していくのでしょう。
また、本書で紹介されている多くの事例をみてみると、これらのポイントを実行できているアカウントがフォロワーも多いという印象を受けました。
より効果的なウェブ発信をするためにも、この3つのポイントをまずはきちんとマスターしたいものです。
ウェブ発信の基本ツールと心構え!
第3章では、各ウェブツールの特徴などがまとめられていました。
一部を紹介すると、以下の通りです。
- ウェブサイト:玄関口
- Twitter:拡散力が絶大
- Facebook:世界最大の利用者数
- Instagram:言葉よりもビジュアル
- Youtube:ストーリーを伝える動画の力
- LINE:相手に直接情報を届ける
- クックパッド:マイレシピをシェア
- Tumblr:多彩なメディアを自由にミックス
- TikTok:ショート動画配信アプリ
各ウェブツールの特徴をしっかりと理解して使い分けることは、非常に大切です。
これらの特徴と性質を掴み、より効果の出るウェブツールを活用しましょう。
本記事では割愛しますが、本文では各ウェブツールの細かい説明があります。
とても参考になるので、多くの人に一つひとつの文章を読んでほしいです。
この内容のちょっとした意識と工夫で、自治体のウェブ発信は変わると強く感じました。
「伝える」から「伝わる」へ!
第5章では、「伝える」から「伝わる」ウェブ発信へするためのテクニック論がまとめられています。
- あなたのまちのメディアをリデザインしてみる
- どんな言葉で伝えるか、親しみやすさと公平性のシーソーバランス
- コミュニケーションを誘発する
- 公式アカウントの更新頻度やタイミング
- ウェブ発信は心を折らずに地道に続ける
- アカウントの成長とリスクマネジメント
この中で特に面白かったのが、「コミュニケーションの誘発」でした。
思い切ってコミュニケーションを図る3つの方法として、以下のものがあげられていました。
いずれもすぐに実践が出来そうな内容ですので、早速私も取り入れてみます。
特に、投票機能で会話は面白そうだなと感じました。
その他にも、更新頻度やタイミング、リスクマネジメントなど、本当にここでは書ききれないくらいタメになることが多く書かれています。
第5章のテクニック論をしっかりと身につけることで、住民に「伝わる」ウェブ発信が出来るようになるでしょう。
私もまだまだ出来ていないことが多いので、一つずつ取り組んでいきます。
まとめ
今回は、『まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト』の感想について、ご紹介しました。
本書を通じて、シティプロモーション・広報の一人の担当者として、本当に多くの気付きと学びがありました。
個人としても組織としても実際に取り組めることが多くありますので、まずは一つずつやっていこうと思います。
最終的な着地点として、市民が自ら市の魅力を発信する街になれば最高です。
また、読み終えて思ったことは「次回同様の本が出版される際は、富田林市も取り上げてもらえるように頑張ろう!」でした。
ちょうどウェブ情報発信のテコ入れをしているところなので、これから注目ください。
そして皆さんも、まずは本書を一度読んでみてください。
自治体のウェブ発信力を高めていきましょう。
私も先日、自治体公式noteの運用を開始しました。
現在はまだうまく運用できていませんが、今後はインタビュー記事などの「市民の見える化」を実践するウェブ発信を行う予定です。
是非皆さん、ご覧ください。