地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

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民間企業との連携を成功させるために!私が公民連携の実務担当として意識していた5つのこととは?

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皆さんは、「公民連携」という言葉はご存知でしょうか?
一般的には、「官民連携」とも言われています。
現在、自治体と民間企業の間で急速に広がっている言葉で、簡単に言えば「自治体と民間企業による連携」です。

近年、自治体の財政難が顕在化しており、より良い住民サービスを提供するためにも、「民間企業の力」を活用する事例が全国的に増えています。
その中でも「包括連携協定」や「個別事業連携協定」などを通じた「自治体に費用が生じない連携事業」が注目をあびています。

令和元年10月から令和3年3月まで、私もこの公民連携の担当をしていました。
業務内容としては、民間企業とのお付き合いを積極的に促進し、民間企業と庁内各部署とコーディネートしていくものです。
そして、公民連携の業務に取り組む中で、今までの自治体業務と違う意識が必要だと私は感じました。

では、どのようなことを意識して公民連携の業務に取り組んだでしょうか?
今回は、公民連携を取り組むために心がけていた5つのことについて、ご紹介します。

富田林市公民連携デスクとは?

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まずは、私が業務を行っていた「富田林市公民連携デスク」について、ご紹介します。

富田林市公民連携デスクは、令和元年10月7日に開設されました。
組織が立ち上がったきっかけは、「これからの時代は、公民連携も必要だ!」という市長の一声でした。
今までは、私が個人で抱える業務として公民連携を進めていましたが、(やっと)組織として動き出したというところです。

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富田林市の代表的な公民連携の取り組みは、インターネットテレビ「富田林テレビ」です。
平成29年10月より毎月最終水曜日に生放送で行っており、全国でも先駆けの生放送インターネット番組です。
大阪府内では次々とインターネットテレビが立ち上がっていますが、先進事例となったのは富田林市です。

私は、富田林テレビの立ち上げから関わっており、令和3年3月末時点で総ゲスト数が400名を超えるものとなりました。
そして、この実績も含めて、他の自治体に模倣される事例となったことは本当に喜ばしいです。

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富田林市公民連携ガイドライン抜粋

公民連携と言えば、「業務委託」「指定管理者」「PFI」などを思い浮かべる人も多いかと思いますが、富田林市の公民連携とは「行政が財源を要しないもの」です。
つまり、包括連携協定や事業連携協定、協定を伴わない協働を担当としていました。
そのワンストップ窓口として、様々な民間企業からの提案やお話を受けているものです。
富田林市公民連携デスクは、民間企業と各部署を繋ぐ「コーディネーター」として、組織を横断した調整を進める役割を担っています。

富田林市公民連携デスクで生まれた公民連携の事例は、市HPで掲載しておりますので、是非皆さまご覧ください。

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富田林市公民連携ガイドラインフロー図

公民連携で取り組むために心がけていた5つのこと!

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では、私が公民連携を取り組むために心がけていることをご紹介します。
「当たり前」と思われる内容ですが、意外とその「当たり前」が難しいです。
特に実務担当者は、本記事を通じて、改めて意識してみてほしいです。

対話による相互理解を!

公民連携を進めるにあたり、一番大切なことは「対話」です。

私は、公民連携は「人」と「人」で成り立つものだと考えています。
表向きでは「組織」と「組織」のお付き合いですが、最終的に付き合いができるかどうかは「人」の関係性に全てがかかっています。
そのため、提案内容や取り組み内容がどれだけ良くても、「人」の部分が崩れると破談しまするかもしれません。

相手を持ち上げすぎてもいけませんし、自分が上だと思ってもいけません。
公民連携が「Public Private Partnership」と言われるとおり、あくまで「パートナー」として、対等な位置にいる必要があります。

一つの意識すべきポイントとしては、形式的なお付き合いというよりも「いかにお互い本音を話せるか」という関係性の創造が必要ではないかと、私は考えています。
そのため、Face to Faceによるコミュニケーションは、とても重要となります。
この関係性を築くためには、相手の口から直接「言葉」と「熱量」を引き出す必要があるため、より「対話」が重要となってくるわけです。

「スピード感」は絶対に大切!

次に、公民連携において「スピード感」は大切ということです。

まず私たち地方公務員が認識しておかないといけない前提として、自治体のスピード感は「圧倒的に遅い」という自覚を持ちましょう。
普段の業務や意思決定のスピード感は、「世間では当たり前ではない」という認識を持つところから、全てがはじまります。

民間企業は、時間をかけすぎるとどんどん気持ちが離れていきます。
そのような状態になると、民間企業同士のネットワークから「あの自治体は動きが悪いよ」と言われてしまう可能性もあります。
そのため、1社とのお付き合いが悪くなるだけで、様々な機会を喪失してしまう可能性もあるのです。
これからの時代に必要となる公民連携において、様々な機会を喪失しないためにも「スピード感」を強く意識してみましょう。

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しかし、自治体が「スピード感を持つ」と言っても、いきなり早めることは正直困難です。
私の経験上、自分の足でどれだけ庁内調整に動き回ることができるかでしか、スピード感をあげることができませんでした。
そして、庁内調整のスピード感を上げるためには、日頃から各部署とのFace to Faceの関係性を築く努力や勉強が、一つのコツと言えるでしょう。

それでもなかなかスピード感が上がらない時は、相手先にメール等で丁寧な対応をするしかありません。
もしメール等で今すぐ連絡できる状態でないとしても、例えば「現在確認中ですので、もうしばらくお待ちください。」という主旨の連絡をマメに行うようにしていました。

「スピード感」は、自治体にとって難題かもしれませんが、それを補足する何かの行動を取ることが大切だと私は考えています。
今一度、自分にできることを考えながら、行動する意識を持ってみてください。

「できない理屈」ではなく、「どうやったらできるか?」を意識する!

次は、「できない理屈」を探すのではなく、「どうやったらできるか?」を意識することです。

民間企業にとっても自治体にとっても、事業の生産性を高めていくためには、提案やアイデアの「できる方法」探しがキーポイントとなります。
特に自治体においては、様々な法令やルールの中で「できない」ことが非常に多いです。
また、「できない」という理由を探しがちでもあります。

しかし、意外と「できない」と思いこんでいるだけの場合もあります。
「できない理屈」を考えるよりも、「どうやったらできるか?」を民間企業の担当者と一緒に考えることで、解決策や違うアイデアが生まれるかもしれません。
自治体とは違う視点を一つ入れるだけでも、意外と「できる」方法は多く生まれます。

更に、もしも解決策やアイデアが何も生まれなかったとしても、対話を繰り返すことによる「信頼関係」は確実に生まれます。
そのため、積極的な対話によるアイデア会議などを、私は推奨しています。

自治体は、もしかしたらこの部分がとても苦手なのかもしれません。
しかし、これからの時代には、公民連携という考え方は欠かせないものです。
前例踏襲の考え方は一度捨てて、今一度、新しい視点で公民連携に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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いかにWIN-WINとなるか?

「民間企業って、どのようなところにメリットがあるの?」
「何か行政を使って、変なことを考えているんじゃないのか?」

おそらく、このように考えている自治体職員も多いのではないかと思います。
私も同様の内容を何度も言われたことがありますが、民間企業は「行政と取り組みをする」というだけで、大きなメリットを持つことがあります。
つまり、「行政と取り組む安心できる企業」という箔がつくのです。

現在、民間企業においても、地域貢献や社会貢献がキーワードとなっています。
また、近年では「SDGs」も一つ大きなポイントとなっており、その一つの実践の場としての公民連携による取り組みを選ぶこともあります。

そしてWIN-WINとなるために、行政側における注意点があります。
それは、「やってほしい」や「やってもらえる」というスタンスは、絶対に持たないようにしましょう。
あくまで公民連携は「パートナー」という自覚を持ち、最後は地域住民が「WIN」となることを考えるようにしましょう。

以下は、私が富田林市の公民連携において、お互いの強みやメリットを整理したものです。

強みと弱みの画像

感謝と誠意の心を忘れずに!

最後に、公民連携を進めるうえで絶対に欠かせないことは、「感謝」と「誠意」です。
公民連携だけに限った話ではありませんが、公民連携では特に大切な要素です。

民間企業の担当者は、私たち地方公務員が想像する以上の熱量を秘めています。
その熱量に対し、「この人たちと一緒に何かをしたい」と思っているのであれば、まず、「本市とやりたいと思ってくれていること」に対する感謝と「熱量を途切れさせない」ための誠意をもって、対応するようにしましょう。

まとめ

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今回は、公民連携を取り組むために心がけていた5つのことについて、ご紹介しました。

公民連携に関する仕事は、今までの自治体業務にはない仕事です。
特に、調整力や考動力、巻き込み力、資料作成力が問われるものでもあります。
担当になったとしても、いきなり上手く実践することは難しいかもしれません。
しかし、日頃から多くの部署とコミュニケーションをとったり、異業種の方々とお話する機会を得ることで、この課題は解決できます。

また、公民連携に関する仕事は、公民連携担当だけではありません。
公民連携は、全部署で一丸となって取り組むからこそ、大きな効果を発揮します。
もし全部署で一丸になれなかったとしても、横軸を刺すきっかけにはなります。
まずは、公民連携に対しての「第一歩」を踏み出すところから始めてみてください。

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