2021年4月8日に、公職研から『公務員のための場づくりのすすめ ”4つの場”で地域・仕事・あなたが輝く』が出版されました。
本書では、職場、現場、"学"場、"街"場の4つの場づくりのノウハウや実践者のインタビューなどが、丁寧にわかりやすく詰め込まれた1冊です。
これからの時代の地方公務員には、様々な場面で「場づくり」スキルが求められます。
私自身も様々な立場で場づくりを実践してきたので、「本ブログを通じて言語化できないか?」と考えていました。
そのような時に、場づくりの考え方や実践術が詰まっている本書が発売となり、とても嬉しく思いました。
では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『公務員のための場づくりのすすめ ”4つの場”で地域・仕事・あなたが輝く』の感想について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『公務員のための場づくりのすすめ』(著者:助川 達也 氏)
2021年4月8日発売
助川 達也(すけがわ たつや)
茨城県職員。茨城県龍ケ崎市出身。2001年、東京大学文学部歴史文化学科卒業、茨城県入庁。商店街支援や東京事務所の勤務等を経て、茨城県自治研究所講師。自主研に関するセミナーを企画するなど、職員の自主的な学びの促進に務めている。県職員業務のかたわら、ネオ県人会(茨城)、茨城のまち歩き&学習会、ブラタ◯リごっこ等、公務員の枠を越えて多様な人がつながる場づくりや、人やつながりに着目したまちづくり活動を企画し、実践している。経済産業大臣登録中小企業診断士。東京大学大学院工学系研究科都市持続再生学コース修士課程在籍。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
- 序章:自治体職員と「場づくり」〜スタートその前に
- 第1章:日々の業務からはじめよう!職場編
- 第2章:地域にどう関わるか!現場編
- 第3章:自主研をやってみよう!"学"場編
- 第4章:まち歩き・地域のつながりづくりの実践!"街"場編
- 第5章:4つの場をつないでいこう!越境・融合編
- 終章:場づくりへの期待〜私たちができること
本書は、場づくりをするために必要な考え方やノウハウが、わかりやすくまとめられた1冊です。
「自ら何かの行動を起こしたい!」と考えている地方公務員の必読書となるでしょう。
助川さんは、場づくりを「職場、現場、"学"場、"街"場」、の4つに分けて解説しています。
それぞれのプロセスや注意ポイント、また、融合する取り組みや場づくりの価値についても、具体的に書かれています。
更に、全国各地の場づくりで活躍する実践者のインタビューも掲載されており、助川さんとはまた違う視点での「場づくり」エピソードを知ることも出来ます。
本書で紹介されている内容は、今後、地方公務員として働く上で役に立つものばかりです。
将来に向けたスキルアップのためにも、ぜひ一度、手に取って読んでみてください。
本書を読んだ私の感想!
本書を読んだ私の感想は、「私が言いたいことをまとめていただき、ありがとうございます!」でした。
今回紹介されている4つの場は、私もまさに実践している最中です。
しかし、私に欠けていた視点や考え方、そして、今の悩みに対するヒントまで、本書を通じて、多くの学びと気付きをいただきました。
経験値がある人の言葉は、とても心に響く説得力があります。
そして本書は、若手から中堅の地方公務員におススメしたいです。
まさに今の行動や考え方、そして、将来的な財産となる内容ばかりが書かれています。
明日からの行動の実践書として、是非読んでください。
また、私が尊敬する坂本さんのnoteと合わせて読むことで、より理解が深くなります。
ぜひこちらもご覧ください。
私が特に本書で読んでもらいたい3つの内容!
本書は、「場づくり」について、とても丁寧にわかりやすくまとまった1冊でした。
終始共感出来る内容ばかりでしたが、今回はその中でも、私が特に本書で読んでもらいたい3つの内容について、ご紹介します。
序章第2節:自治体職員を取り巻く「4つの場」
まずは、「4つの場」についてです。
助川さんは、多様な場をわかりやすく整理をしています。
- 業務上×対職員の「職場」
- 業務上×対地域の「現場」
- 業務外×対職員の「"学"場」
- 業務外×対地域の「"街"場」
「仕事か仕事でないか、また、対象者が誰なのか。」
この2つの軸で、「場づくり」を整理しています。
「4つの場」の性質の概要も示されており、第1章から第4章でしっかりと語られています。
私たち地方公務員は、日々の仕事で「職場」と「現場」は経験しており、今経験していないとしても将来的にも必ず通る道です。
そして、仕事以外の「"学"場」と「"街"場」は、実践していない地方公務員も多いですが、これからの時代はどんどん広がるでしょう。
この「4つの場」を使いこなすことが、今後の地方公務員として働く上で大切なこととなるかもしれません。
難しいことではありませんので、本書で気付きを得て、これからの行動の一歩目となることを私は願います。
第3章第3節:自主研運営の8つのポイント
次に、自主研運営の8つのポイントです。
本書では、立ち上げ、企画・開催、継続の3つの段階で整理されており、それぞれの悩み・不安に対する解決のための考え方が書かれています。
その中には、参加者の満足を高めるための考え方やメンバーの巻き込み方、継続する秘訣など、コミュニティリーダーが知りたいアレコレも、惜しみなく書かれていました。
「具体的にどのように動けば良いのか?」に対する道標となる内容です。
そして、「何か一歩を踏み出したい!」と考えている地方公務員の方は、必読のページです。
私も日々コミュニティの運営をしているのですが、原点に戻れた気がします。
図表などを活用してとてもわかりやすく整理されているので、ぜひご参考にしてください。
終章第2節:今、私たちにできること
最後に、今、私たちにできることについて、お話がありました。
その内容は、「有機的な場づくりを実現するために、「菌の人」になろう」というものです。
土壌のお話で「場づくり」を例えており、助川さんは、以下のように述べられています。
有機的な場づくりの"触媒"として、自治体職員には「菌の人」の役割を担い、場づくりを"醸成"してほしいと考えています。
そして、場づくりを進める3つの力「なす力」「おこす力」「つなぐ力」を身につけ、実践と思考を繰り返し続けてほしいというものでした。
それぞれの力の役割を理解して使いこなせるようになることで、本当の「場づくり」が仕上がるものだと私も思います。
- なす力:様々な工程を整理し、組み立て、処理していく力
- おこす力:企画力・創造力であり、前に踏み出す力
- つなぐ力:コーディネート力
最初の一歩目は、小さなことから、そして、好きなこと・得意なことからで良いでしょう。
様々な挑戦を続けることに意味があり、そこから変化が生まれるものです。
本書を一つの実践書として、一つずつ共に挑戦していきましょう。
まとめ
今回は、『公務員のための場づくりのすすめ ”4つの場”で地域・仕事・あなたが輝く』の感想について、ご紹介しました。
本書を通じて、改めて「場づくり」について、しっかりと考える時間をいただきました。
おそらく今後、私はこの本を何度も読み返すことになるでしょう。
それだけ、私にとって価値のある1冊となりました。
私は現在、「MIRAI-HUB」という大阪府の南河内地域の公務員の"学"場づくりを主として行なっています。
この場でも、本書を通じて学んだことや気付いたことなどを活かして、次の活動へ繋げていきたいと思います。
そして、これからの時代の地方公務員には、まさに「場づくり」の力を求められると私は考えています。
「場づくり」や「自主研」、「コミュニティ」などのキーワードに興味のある地方公務員は、必ず読んでほしい1冊です。