地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

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【読書記録】『令和時代の公用文 書き方のルール』

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2021年4月23日に、学陽書房から『令和時代の公用文 書き方のルール』が出版されました。
『公務員の文章・メール術』や『公務員のSNS・文章術』を書かれた元中野区職員の小田順子さんによる1冊です。
 
本書には、議事録や資料、広報、案内などに関する文書の書き方のノウハウが詰まっています。
そして、法令や告示・通知などの書き方は、掲載されていません。
そのため、全地方公務員に広く必要な文書の書き方がまとめられた内容となっています。

また、令和3年3月に、文化庁から「新しい「公用文作成の要領」に向けて」という報告書が発表されました。
1952年以降、はじめて抜本的に公用文のルールが変わったのですが、本書は、唯一の対応本となっています。

では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『令和時代の公用文 書き方のルール』の感想について、ご紹介します。

本書の概要と感想!

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令和時代の公用文 書き方のルール』(著者:小田 順子 氏)
2021年4月23日発売

小田 順子(おだ じゅんこ)
株式会社ことのは本舗代表取締役。広報コンサルタント・文章の危機管理コンサルタント公益社団法人日本広報協会アドバイザー。一般社団法人ITビジネスコミュニケーション協会理事。1965年生まれ、法政大学通信教育部文学部日本文学科卒業。放送大学大学院修士課程(文化情報学プログラム)修了。法政大学大学院博士後期課程(日本文学専攻)満期退学。東京・中野区役所に15年間勤務し、区立小学校、国民健康保険課、情報システム課、広報広聴課(報道担当)、保健所(感染症担当)を経て、2007年4月に独立。中野区入区前と独立後に、大学受験予備校や国語単科の学習塾で、国語科・古文科講師を7年間経験した。現在は、国・自治体とその関係団体、大企業など、公益性の高い組織を支援。文章の書き方、広聴・広報、クレーム対応の文章術、SNSなどの研修で全国を飛び回る。

books.rakuten.co.jp

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本書に書いていること!

まずは目次を確認してみましょう。

  • 第1章:公用文の分類と基本的な考え方
  • 第2章:表記の原則
  • 第3章:漢字の使い方
  • 第4章:用語の使い方
  • 第5章:文の書き方・文体
  • 第6章:情報の示し方(文章の書き方)

本書は、令和時代に沿った新しい公用文の書き方を丁寧に紹介してくれている1冊です。
また、多くの具体的な文例も紹介されており、とても読みやすいです。

・漢字で書くのか平仮名にするのかなど、表記で悩まずに済む
・ウェブサイトや広報紙(誌)などで専門的なことを伝えるときの、わかりやすさと正確さのバランスがわかる
・政策や制度、手続きの説明を、どう書いたら理解してもらえるのか、どこまで詳しく書くべきか、判断基準がわかる
・読み手に理解してもらえる文章の構成方法がわかる
・客観的、効率的な文章の校正方法がわかる

本書を読むと手に入れることができるものとして、著者の小田さんは、このように述べています。
まさに、「文章力を上げたい!」と思う地方公務員は、必携のマニュアル本となるでしょう。

本書を読んだ私の感想!

本書を読んだ私の感想は、「地方公務員が伝わる文章力を磨くことができる1冊!」でした。

「どう書けば良いのだろう?」
「これで大丈夫なのかな?」

公用文を書いていると、地方公務員の誰もが、このような場面に出会います。
この悩みに対する解答が書かれた解決本としても、本書は活躍するでしょう。

特に、表記の原則、漢字や専門用語の使い方、外来語への対応など、わかりやすい言葉に置き換えて伝える力が身につくと思います。
ぜひ地方公務員のみなさん、本書を手に取って、職場に1冊置いておきましょう。

文章力を高めるためにも、私が本書を多くの人に読んでほしい3つの理由とは?

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本書は、これからの公用文の書き方について、一つずつ丁寧に書かれたマニュアル本です。
紹介したい内容はたくさんありますが、今回は、私が本書を読んでほしい3つの理由について、お話します。

公用文のあり方などの基礎を学べる!

まずは、公用文のあり方などの基礎を学べることです。

そもそも「公用文」は、「公文書」と異なるものです。
その理由として、本書では、以下のように紹介されています。

「公文書」の定義は、総務省内閣府のウェブサイトに記載があり、①行政文書②法人文書③特定歴史公文書等の3つの分類があるようです(公文書等の管理に関する法律第2条第8項)。

また、「公用文」も一つの単語で括ることができません。
同じ「公用文」でも、告示・通知と解説・広報では、大きく異なるものとなります。

  • 法令に準ずる文書は、法令文のルールで書く
  • 報道発表資料や白書などの表記は、法令文のルールで書く
  • 国民全般を対象とする広報文は、公用文のルールに縛られない

本書では、上記のようにそれぞれの書き方も紹介されています。
そもそも「公用文」を一つのものと捉えるのではなく、様々な種類があるこを認識します。
そして、種類ごとに書き方を使い分けることで、伝わる力が大きく変わるのではないでしょうか。

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あらゆる文章の書き方がわかる!

次に、あらゆる文章の書き方がわかることです。

目次を見るだけでも、仮名遣いや符号の使い方、漢字の使い方、一文の長さ、文章の構成など、とても盛りだくさんであることがわかります。
ここまで「書き方」に特化した1冊は、今後なかなか出会えないかもしれません。

私が本書で特に感銘を受けた内容は、専門用語の説明の仕方です。
地方公務員の仕事は、専門用語を使う場面がとても多いです。
しかし、その専門用語が住民などに伝わらず、認識の「ズレ」が生じるリスクもあります。

本書では、専門用語の説明の仕方として、以下の3つを紹介しています。

  • 段階を踏んで説明する
  • 意味がよく知られていない語は、内容を明確にする
  • 日常では別の意味で使われる語は、混同を避けるよう工夫する

みなさんも、普段から悩んでいる文書の書き方があると思います。
その悩みを解決してくれるページが、本書のどこかにあるでしょう。
最初から最後まで全てを読むのではなく、目次から自分の悩みを探して、索引的に読む方法も良いかもしれません。

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広報文の目的は「行動変容」!

最後に、広報文の目的は「行動変容」だということです。

「行動変容」は、文章を書く上で意識するべき大切なことです。
本書でも「どの文書にも共通して言えること」と書かれており、「読み手をどのようにして動かすか?」を考えるものでした。
そして、「行動変容」のための自問自答として、以下の4つの具体的な考え方が紹介されています。

  1. その文章は、いつ、誰に読んでもらうためのものか
  2. その文章を読んだ人に、どのような行動を起こしてほしいのか
  3. その行動を起こしてもらうために必要な情報は何か
  4. その行動を起こそうと思うには、どんな感情を持つ必要があるか

自治体の文書は、「昨年もこうしたから!」という前例踏襲スタイルが一般的です。
しかし、改めて上記のステップを参考に、文書の目的を考えてみましょう。
そして、住民の「行動変容」を促すための伝わる文書を目指しましょう。

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まとめ

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今回は、『令和時代の公用文 書き方のルール』の感想について、ご紹介しました。

本書を通じて、自治体の「伝わる」情報発信力が上がる1冊だと、私は強く感じています。
地方公務員は、どの部署に所属していても「文章力」が必要な仕事です。
普段の仕事でも文章とばかり付き合うことになると思います。
そんな困ったときにも、役に立つ書き方や文章例題も満載です。

本書は、公用文・広報文に関わる地方公務員に欠かせない1冊です。
自治体が発信する情報がしっかりと住民に「伝わる」ためにも、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。

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