「あなたの街の課題は何ですか?」
「地域の強みを教えてください。」
みなさんは、この質問に対して、客観的なデータを基に答えることができますか?
漠然とした内容と根拠で答えている地方公務員は、おそらくたくさんいるでしょう。
しかし、これからの時代は、住民サービスの多様化や自治体財政・人員も限られてくる中で、いかに効率的で効果的に行うかが大切となります。
このような時代だからこそ、「地域」をきちんと捉えるために、地域の分析を実践してみませんか?
地方公務員が個人でも地域を分析するためのツールは、インターネット上に多く存在しています。
では、それはどのようなものでしょうか?
今回は、地域の特性や課題を知るために、地方公務員が個人でも簡単に地域を分析できる5つのツールについて、ご紹介します。
なぜ地方公務員による地域分析が大切なのか?
まずは、なぜ地方公務員による地域分析が大切なのかを確認してみましょう。
なお、総務省からもデータの利活用の推進がされていますので、ご参考にしてください。
多様化する住民サービスに対応するため!
まずは、多様化する住民サービスに対応するためです。
これからの時代の住民サービスは、一気に多様化が進むと言われています。
私たち地方公務員は、今後更に、多様な住民のニーズに応えるサービスの提供が求められると考えられます。
住民のニーズに応えるためには、住民の生活や地域の特徴を分析し、きちんと捉えることが重要となるでしょう。
また、地域の分析は、政策の有効性を高めることで住民からの自治体に対する信頼の確保に繋がります。
正確な住民のニーズを捉えることで、資源や人員、予算の適切な配分ができるでしょう。
幅広い業務を効率的にするため!
次に、幅広い業務を効率的にするためです。
これからの日本は、人口減少に伴い「生産年齢人口」が大幅に減少すると言われています。
様々な業界で人手不足が起きると言われている中で、更なる業務の効率化が求められるでしょう。
そして、自治体においても例外ではありません。
自治体は、人手不足であったとしても、少ない人員で行政サービスの提供を維持する必要があります。
そのため、いかに幅広い業務を効率的に行うことが出来るかが重要となるのです。
地方公務員が個人でも簡単に地域を分析できる5つのツールとは?
では、地方公務員が個人で地域を分析するには、どのようにすれば良いのでしょうか?
今回は、誰でも簡単に活用できる5つのツールについて、ご紹介します。
総務省統計局ホームページ
まずは、総務省統計局のホームページです。
総務省統計局のホームページには、国勢調査や経済センサス、家計調査など、全国的に実施された調査結果のデータが全て公開されています。
「何か良いデータはないかな?」と思った時は、まず総務省統計局のホームページから探してみることを、私はおすすめしています。
最初は探し方に苦戦するかもしれませんが、慣れると便利です。
諦めずに頑張って触ってみてください。
▼総務省統計局HP
地域経済分析システム(RESAS)
次は、地域経済分析システム(RESAS)です。
地域経済分析システム(RESAS)は、先ほどの総務省統計局ホームページの情報や民間調査による調査結果などを集約して視覚的に見やすくしたものです。
特徴は、直感的にデータを探せることや視覚的にわかりやすいことです。
地域分析の初心者には、とてもおすすめするツールです。
▼地域経済分析システム
また、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の可視化として、V-RESASという分析ツールも登場しています。
V-RESASは、都道府県ベースの情報のみですが、非常にわかりやすいデータと魅せ方なので、ご参考にしてください。
▼V-RESAS
都道府県が出す統計情報
次は、都道府県が出す統計情報です。
都道府県の統計部局は、総務省統計局と同様に、都道府県内に関する調査結果のデータが公開されています。
例えば、大阪府は「大阪府統計年鑑」という分野ごとにまとまった集計データを毎年公表しています。
大阪府内のあらゆる統計情報が詰まったページなので、府民が見ても面白いと思います。
このような統計情報は、どの都道府県でも同様に公開されていますので、ぜひ確認してみてください。
▼大阪府統計年鑑
所属自治体が出す統計情報
次は、所属自治体が出す統計情報です。
自治体が出す統計情報は、所属する自治体によって、公開している情報量の差があります。
しかし、町会別の人口データやアンケート調査結果、パブリックコメント結果などは、ほとんどの自治体で公表されています。
また、総合計画・戦略などにおいても、細かいデータが掲載されていることが多いです。
自治体が出す統計情報は、より地域のリアルな地域のデータや情報であるため、欠かさずチェックしてみましょう。
TwitterなどのSNSで検索
分析において、意外と盲点になりがちなものがSNSです。
SNS上には、本音ベースのリアルな地域情報や地域の声が眠っています。
このリアルな声を拾うことが、より効果的な分析の第一歩だと思います。
特に私がおすすめするのは、Twitterの情報をまとめて検索できる「Yahoo!リアルタイム検索」の無料公式アプリです。
世の中の「トレンド」や「バズ」の状況が、リアルタイムですぐに視覚的にわかる優れものです。
「今、自治体でどのような話題が盛り上がっているか?」がリアルタイムでわかりますので、是非使ってみてください。
まとめ
今回は、地域の特性や課題を知るために、地方公務員が個人でも簡単に地域を分析できる5つのツールについて、ご紹介しました。
本記事では、5つのツールをご紹介しましたが、世の中にはまだまだたくさんの分析ツールや方法が溢れています。
その中でも今回は、私たち地方公務員が扱いやすいものをピックアップしてみました。
もしかしたら、地域の分析による客観的な数字データなどで所属自治体を調べることで、また違った景色が見えてくるかもしれません。
今回ご紹介した分析ツールを活用して、みなさんも今一度、地域の分析を行ってみてはいかがでしょうか?