地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

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【読書記録】『「対話」で変える公務員の仕事』

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2021年6月10日に、公職研から『「対話」で変える公務員の仕事』が出版されました。

本書は、「財政出前講座」で全国を飛び回り、あらゆる場で「対話」の場づくりを行ってきた福岡市の今村さんの考えが詰め込まれた「対話」の本質を考える1冊です。
元財政課長としての対話の経験値と200回以上の開催で8,000人近い参加者のイベントを行ってきた圧倒的な経験値が混ぜ合わさった説得力しかありません。

では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『「対話」で変える公務員の仕事』の感想について、ご紹介します。

本書の概要と感想!

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「対話」で変える公務員の仕事』(著者:今村 寛 氏)
2021年6月10日発売

今村 寛(いまむら ひろし)
1991年福岡市役所入庁。2012年より福岡市職員有志による「明日晴れるかな〜福岡市のこれからを考えるオフサイトミーティング」を主宰し、約9年間で200回以上開催。職場や立場を離れた自由な対話の場づくりを進めている。また、2012年から4年間務めた財政調整課長の経験をもとに、自治体の財政運営について自治体職員や市民向けに語る「出張財政出前講座」を出講。「ビルド&スクラップ型財政の伝道師」として全国を飛び回り、著書『自治体の"台所"事情 "財政が厳しい"ってどういうこと?』(ぎょうせい)を2018年12月に発刊。好きなものは妻とハワイと美味しいもの。2021年より福岡市教育委員会総務部長。

www.holg.jp

本書に書いていること!

まずは、目次を確認してみましょう。

  • 序章:この本を書いたわけ
  • 第1章:自治体職員には「対話」が必要
  • 第2章:自治体職員の仕事は「対話」で変わる
  • 第3章:知っておきたい「対話」のコツ
  • 第4章:「対話」の鍵を握るのは
  • 第5章:自治体職員にもとめられる「対話」とは
  • 終章:この本を手にとっていただいた皆さんへ

本書は、「対話」の本質や在り方を深く考えることができる1冊です。
著者の30年間の地方公務員での業務と業務外での対話を通じた活動の経験に基づいて、とても説得力のある文章でまとめられています。
また、著者は、以下の人におすすめと本書を紹介しています。

  • 「対話」の魅力やその効果について知りたい人
  • 「対話」の場づくりを実践してみたい人
  • 「対話」を通じて職場や仕事を変えていきたい人

「対話」と一言で言うのは簡単ですが、きちんと実践するにはコツがあります。
また、「対話」の意味を理解することで、その効果はより高まっていくでしょう。

自治体職員であれば、部署・役職関係なしに「対話」の本質を考えて知ることは、現状だけでなく将来を変える力を手にすることができるかもしれません。
全国各地の地方公務員には、ぜひ読んでほしい1冊です。

本書を読んだ私の感想!

本書を読んだ私の感想は、「改めて「対話」の意味や重要性を考える良い時間になった」でした。

本書は、著者の今村さんの30年間にわたる「対話」の経験がわかりわすくまとめられ、その経験から「対話」の本質に迫った1冊でした。
ここまで「対話」のことを深く掘り下げた本は、なかなかありません。

特に私が「なるほど」と思った部分は、「雑談<対話<議論」の構図でした。
それぞれの役割を丁寧に解説しており、より「対話」の重要性を理解することができました。

雑談:特にテーマを定めないで気楽に会話すること
対話:直接に向かい合って互いに話をすること
議論:意見を論じ合うこと
(引用:Wikipedia

終章でも述べられているのですが、本書は「ノウハウ本」ではありません。
しかし、本書には私たちに対する大切な問いかけや良い気付きを与えてくれるものがあります。

私は今まで公民連携の業務を通じて「対話」と「相互理解」を重要視してきましたが、本書により、更に「対話」の質を上げることができそうです。
これからも「対話」を一つのキーワードに、日々の業務と活動に励みたいと思えた1冊でした。

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本書を読んで私が特に強く共感した3つの内容とは?

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本書は、「対話」に特化した1冊であり、全国の地方公務員にも広く読んでほしいと思いました。
新人職員からベテラン職員まで、それぞれの立場で役に立つ、また、良い気付きがたくさんあるはずです。
ここでは、私が特に強く共感した3つの内容について、ご紹介します。

個人商店と常連客

まずは、第3章ー2『個人商店と常連客』です。

みなさんも経験があると思いますが、どのような場にも「常連」がいると思います。
この「常連」の中は、なかなか入りにくいですよね?
確かに「常連」の中は、非常に居心地の良い場です。
しかし、その「常連」以外の人は、どのように感じるでしょうか?

著者の今村さんは、「すべての人が適任者」という表現を使っています。
この言葉を聞いて、私は胸を打たれました。
いつもいる誰かによって実現されるのではなく、他の参加者も尊重して互いに受容することが大切だということです。

もちろん簡単なことではありませんが、すべての人が等しく受け入れられる場を目指すことが重要であることを再認識しました。
私も場づくりをする一人のコミュニティリーダーとして、本書で気付くことができた「対話」のコツを実践していきたいと思います。

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「許す」のが「対話」の奥義

次は、第3章ー7『「許す」のが「対話」の奥義』です。
著者の今村さんは、以下のようにまとめています。

「対話」には、自分の持っている情報や内心を安心して「開く」と同時に相手の立場、見解をありのまま受け入れ「許す」ことが必要です。顔も名前も知らない大人数では「開く」、少人数の旧知の仲では「許す」ことに留意しましょう。

そして、「許す」の重要な要素として、相手方への敬愛の念をベースにした「公平」「平等」と「脇におく」感覚を述べられていました。
その良い実例として、お笑い芸人「ぺこぱ」のツッコまないツッコミが取り上げられています。

この観点で「対話」を考えるととても奥が深いなと感じながら、また、ここまで考えると日常の「対話」の質が上がりそうだなと思いました。

自治体職員にとって「対話」とは

最後に、第5章ー9『自治体職員にとって「対話」とは』です。

私たち自治体職員は、市民との「対話」が苦手です。
しかし、自治体職員は、市民の意見やアイデア、立場を代弁して調整する役割も持ちます。
つまり、自治体職員と市民の「対話」は市民同士の「対話」でもあり、市民同士の情報共有や相互理解に繋がるものと本書で紹介されています。

このことから、私たち自治体職員は「対話が苦手」と言うことは、あまり良い現状とは言えません。
しかし、自治体職員が「対話」を理解し、自分の言葉で語るようになることで、より良い自治体の未来を築くことにも繋がるでしょう。
著者の今村さんは、以下のような願いを述べています。

理想の姿に向かってすべての自治体職員が"まちのエバンジェリスト"になってほしいと私は強く願っています。

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まとめ

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今回は、『「対話」で変える公務員の仕事』の感想について、ご紹介しました。

本書は、「対話」の本質を考え、これからの自治体の未来を築くために必読の1冊となるでしょう。
また、新人職員からベテラン職員まで、全国の地方公務員に広く読んでいただきたい内容となっています。

私も一度今村さんの「財政出前講座」に参加したこともあるのですが、「対話」による場づくりの可能性を強く感じています。
本書を通じて「対話」による未来を開く可能性を感じてもらい、みんなで「対話」を繋げる世の中になったらいいなと強く思います。
そのため、ぜひみなさんも本書を手に取って読んでほしいです。

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