地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

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【読書記録】『コミュニティ自治の未来図 共創に向けた地域人財づくりへ』

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2021年7月30日に、ぎょうせいから『コミュニティ自治の未来図 共創に向けた地域人財づくりへ』が出版されました。

本書は、地方自治の観点から「地域コミュニティ」のあり方について、考察された1冊です。
私たち地方公務員にとって、これからの「地域コミュニティ」や「地域づくり」のことを一歩深く考えるきっかけになるでしょう。
私自身、公私ともに地域コミュニティに関わる地方公務員として、非常に多くの学びと気付きをいただきました。

では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『コミュニティ自治の未来図 共創に向けた地域人財づくりへ』の感想について、ご紹介します。

本書の概要と感想!

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コミュニティ自治の未来図 共創に向けた地域人財づくりへ』(著者:大杉 覚 氏)
2021年7月30日発売

大杉 覚(おおすぎ さとる)
東京都立大学法学部教授。1964年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。成城大学法学部専任講師、東京都立大学法学部助教授などを経て現職。専門は、行政学地方自治論。研究テーマは、大都市制度、行政組織・人事制度、自治体政策形成、地域づくり、地域コミュニティに関する研究。自治大学校講師のほか、(一財)地域活性化センター全国地域リーダー養成塾主任講師、多摩市第7期自治推進委員会委員・会長、世田谷区せたがや自治政策研究所所長など、国、自治体の審議会・研究会の委員等を多数歴任。

books.rakuten.co.jp

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本書に書いていること!

まずは目次を確認してみましょう。

  • 第1章:コミュニティの現在
  • 第2章:マルチスケールに考えるコミュニティ自治
  • 第3章:地域人財としての自治体職員と地域担当制
  • 第4章:「担い手不足」問題と地域人財の循環
  • 第5章:過去・現在・未来をつなぐ地域カルテ
  • 第6章:コミュニティ自治と財源
  • 第7章:終わりにーコミュニティの未来図の描き方

本書は、地方自治の観点から「地域コミュニティ」のあり方について、考察された1冊です。
『月刊ガバナンス』での連載「自治体のダウンスケーリング戦略」をベースに再構成された内容だそうです。
地方公務員としての地域への関わり方や担い手不足、地域づくりなどの大切なことがわかりやすくまとめられています。

これからの時代は、「共創」がキーワードになるとも言われています。
その「共創」で必要な「地域コミュニティ」や「地域づくり」の考え方や実践について、広い視点で様々な内容が詰め込まれています。
私たち地方公務員がこれからの地域の未来を考えるために、必携の1冊となるでしょう。

本書を読んだ私の感想!

本書を読んだ私の感想は、「地域コミュニティを学び直す良い機会になった」でした。

特に、第3章の「自治体職員の多様な地域への関わり方」は、地域で生きる一人の地方公務員として気付かされることが多く、とても勉強になりました。
富田林市でも導入されている「地域担当職員制度」の考え方や事例もまとめられており、改めて得た気付きも多くありました。

これからの地域コミュニティは、まだまだ課題が多いと言わざるをえません。
しかし、本書を通じて、地域コミュニティのあり方を考え直し、まさに「未来の地域コミュニティ」を地域住民と一緒に考えていくことで、より良い未来が見えるようになるのではないかと私は感じました。
ぜひ幅広い年代の多くの地方公務員に読んでもらいたい1冊です。

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私が地方公務員に特に読んでほしい3つのこと!

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本書は、「地域コミュニティ」の将来について深く考察された地方公務員必携の1冊となっています。
ここでは、私が地方公務員に特に読んでほしい3つのことについて、ご紹介します。

自治体職員の多様な地域への関わり方

まずは、自治体職員の多様な地域への関わり方です。
同内容は、第3章-1に書かれているものです。

自治体職員は、地域で生きる一人の人間です。
仕事以外でも、様々な形で地域に関わることができるのです。
本書では、地域への関わり方として、以下の4つのパターンに分類されていました。

  • 「職員・公務」タイプ
  • 「職員・ボランティア」タイプ
  • 「住民・公務」タイプ
  • 「住民・ボランティア」タイプ

これらの4つの特徴を、本書では、図で非常にわかりやすくまとめられていました。
それぞれのタイプが具体的にどのようなものかは、ぜひ本書をご覧ください。

実際に地域の現場に関わると、複雑で様々な難しさがあります。
私も地域に関わるものとして、常に「立ち位置」の難しさを感じていました。
しかし、本書には、私が課題にしていた地域へ関わる「立ち位置」も含めて、地方公務員が地域へ関わるためのヒントが多く散りばめられていました。
今「地域」に対して悩む人や「地域」に興味のある人にとって、とても参考になるでしょう。

naya0708.hatenablog.com

「担い手不足」問題の本質

次は、「担い手不足」問題の本質です。
同内容は、第4章-1に書かれているものです。

コミュニティの自治を尊重する観点からすれば、自治体が直接タッチせず、自主・自発性に委ねる「住民・ボランティア」タイプがまずは基本です。
(引用:本書P.92、第4章-1「「担い手不足」問題の本質」より抜粋)

「地域コミュニティ」は、あくまで自主・自発的な参加や協働から始まるものです。
自治体が制度設計や仕組みづくりをするものもありますが、あくまで運営は地域の住民が行うべきものです。

しかし、どこの地域でも「担い手不足」は起きています。
本書では、島根県雲南市の「一人一票制」や新潟県上越市の「公募公選制」を事例に出しながら、とても深く考察されています。
「担い手不足」に悩む人は、ぜひ一つのご参考にしてもらいたいです。

www.hinagata-mag.com

自治を基礎づけるコミュニティ財政

最後は、自治を基礎づけるコミュニティ財政です。
同内容は、第6章-1に書かれているものです。

地域コミュニティの未来を語る中で、「コミュニティの財政」は大切なテーマです。
地域コミュニティは、一般的に会費や自治体の補助金などが主な収入源になります。
しかし、近年は「活動資金の不足」という地域コミュニティも数多く出てきました。

この地域コミュニティの財政の根本について、この第6章-1で深く考察されています。
後の第6章-2以降で、地域コミュニティの財政について更に深く述べられていますが、まずは地域コミュニティの財政の根幹である第6章-1「自治を基礎づけるコミュニティ財政」を読んでいただき、問題の本質を知ってほしいと思います。

地域コミュニティの財政は、統一された答えがない大きな課題です。
しかし、本書を通じて、良いヒントを見つけることができるかもしれません。
ぜひ多くの地方公務員に読んでもらいたい内容です。

naya0708.hatenablog.com

まとめ

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今回は、『コミュニティ自治の未来図 共創に向けた地域人財づくりへ』の感想について、ご紹介しました。

本書は、これからの「地域コミュニティ」や「地域づくり」を一歩深く考えるきっかけになる1冊でした。
私も多数の地域コミュニティに関わる地方公務員の一人として、とても良い学びと気付きをいただきました。

これからの地域づくりは、まさに地域コミュニティをはじめとする「住民自治」がメインになると言われています。
その黒子的な存在として伴走できる私たち地方公務員こそ、本書は読むべきだと私は感じました。
ぜひみなさんもご一読ください。

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