地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

【2022.12.28更新終了】地方公務員のこと、富田林市のこと、公務員本の読書記録などを書くブログです。

【読書記録】『根拠が示せる!上司も納得!公務員のかんたんデータ活用術』

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2021年7月21日に、学陽書房から『根拠が示せる!上司も納得!公務員のかんたんデータ活用術』が出版されました。

本書は、自治体の業務には欠かせない「データ活用」について書かれた1冊です。
私たち地方公務員の仕事において、住民に納得する説明をすることはもちろん、事業企画や改善策の模索などの様々な場面で「データ」を活用します。
しかし、どうしても「数字が苦手」という意識を持ち、うまく活用できていない人は多くいます。
本書は、数字が苦手な人でも、わかりやすく「データ活用」について丁寧に書かれているので、とてもおすすめです。

では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『根拠が示せる!上司も納得!公務員のかんたんデータ活用術』の感想について、ご紹介します。

本書の概要と感想!

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根拠が示せる!上司も納得!公務員のかんたんデータ活用術』(著者:志村 高史 氏)
2021年7月21日発売

志村 高史(しむら たかし)
秦野市上下水道局参事(兼)経営総務課長。1964年神奈川県生まれ。東京水産大学(現・東京海洋大学水産学部卒業後、1987年から秦野市職員。教育委員会や財産管理課で、公有財産の維持管理や賃貸・売り払い等を担当。2007年に全国初となる庁舎敷地への独立したコンビニエンスストアの誘致を担当した後、2008年から18年まで公共施設マネジメントに携わり、多くの公有財産の有効活用に取り組む。2019年4月から現職。講師派遣・視察受入等による講演回数は600回を超える。著書に『自治体の公共施設マネジメント担当になったら読む本』(2020年、学陽書房)がある。

www.jt-tsushin.jp

books.rakuten.co.jp

本書に書いていること!

まずは目次を確認してみましょう。

  • CHAPTER1:地方公務員が持つべきデータ活用の心構え
  • CHAPTER2:行政関係の数字の読み方・使い方
  • CHAPTER3:現状を把握するためのデータ活用
  • CHAPTER4:政策立案のためのデータ活用
  • CHAPTER5:検証・改善のためのデータ活用
  • CHAPTER6:データ収集のツボ
  • CHAPTER7:データを基にした資料作成・伝え方

本書は、自治体の業務には欠かせない「データ活用」について書かれた1冊です。
著者が実務の中で身につけてきたノウハウや考え方が、とても丁寧に惜しみなく書かれています。

住民ニーズの多様化と自治体の職員数減少により、私たち地方公務員は、今まで以上に最小のコストで最大の成果を得ることが求められています。
より効率的で効果的な仕事をするためにも、今後更に「データ活用」は欠かせないものとなるでしょう。
本書は、これからの地方公務員に必要なスキルである「データ活用」を紐解いた必読の1冊です。

本書を読んだ私の感想!

本書を読んだ私の感想は、「データの活用方法と考え方がとても深く理解できた」でした。
本書の冒頭で、データの持つ力が以下のように紹介されていました。

データは、相手の理解や納得を引き出す力を持っています。

この内容に加えて、データを活用を通じて仕事に対する視野やアイデアが豊かになり、地方公務員として働く楽しみにも繋がるかもしれません。
そして、本書に書かれているデータの活用方法と考え方を知るだけでも、明日からの働き方や数字の見え方が変わってくるでしょう。

ぜひ一人でも多くの地方公務員に本書を手に取っていただき、データの必要性と可能性を感じてもらいたいです。

本書で特に読んでほしい3つのこと!

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本書は、「データ活用」の考え方やノウハウについて、とてもわかりやすくまとめられた1冊でした。
ここでは、本書で特に読んでほしい3つのことについて、ご紹介します。

地方公務員が持つべきデータ活用の心構え

まずは、地方公務員が持つべきデータ活用の心構えです。
この内容は、CHAPTER1の内容です。

  • 〜だろう。
  • 〜に違いない。

このような曖昧な状態で物事が決定していく場面に、みなさんは心当たりがありませんか?
物事を決定するときは、「なぜ」という疑問を持ちながら「根拠」を持って取り組むことが重要だと私は考えています。
その「根拠」として「データ」を活用するための心構えに関するお話が、CHAPTER1に書かれている内容です。

特に、データ力や分析力を高めるためにメモ帳を持って分析する「クセ」をつけるというお話は、多くの地方公務員のスキルアップに繋がる内容でした。
その他にも、データを活用する上での基礎的なことがわかりやすくまとめられているので、ぜひみなさんにもご覧いただきたいです。

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検証・改善のためのデータ活用

次は、検証・改善のためのデータ活用です。
この内容は、CHAPTER5の内容です。

本書では、CHAPTER3とCHAPTER4で現状把握や政策立案のためのデータ活用について書かれています。
しかし、今地方公務員に足りていないことは、検証・改善のためのデータ活用だと私は考えています。
いわゆる「PDCA」の「C(検証)」と「A(改善)」ができていないというものです。
CHAPTER5では、検証のための目標設定方法やデータ活用で気をつけること、改善のためのエビデンス探しについて、丁寧にわかりやすくまとめられていました。

私が本書で特に重要だと感じた内容は、しっかりと検証を行うための数値目標を「P(計画)」の段階できちんと設定しておく必要があるということです。
これは、当たり前のことですが、改めて考えると当たり前に出来ていないもので、とても難しいことです。
自治体が取り組む業務において、効率的に効果的なPDCAを回し続けるためにも、地方公務員のみなさんは必読のCHAPTERです。

データを基にした資料作成・伝え方

最後は、データを基にした資料作成・伝え方です。
この内容は、CHAPTER7の内容です。

「データ活用」は、どれだけ良いデータ収集やデータ分析を行なったとしても、伝わらないと意味がありません。
CHAPTER7では、データの魅せ方や資料作成術、説明の仕方について、的確にまとめられていました。

特に、「説明を受ける側の立場に立って考える」はとても大切なことであり、私も強く共感しました。
相手が「何を知りたいのか?」や「何を聞きたいのか?」を考えることで、「わかりやすく説明する」に近付くというものです。

資料作成能力や説明能力は、データ活用の時だけではなく、どの分野の業務でも必要となるスキルです。
私も日頃から「伝わる情報発信」を探究している一人の地方公務員ですが、これが非常に難しいものだと実感しています。
本書を通じて、多くの地方公務員の「伝わる力」が上がれば良いなと思いました。

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まとめ

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今回は、『根拠が示せる!上司も納得!公務員のかんたんデータ活用術』の感想について、ご紹介しました。

本書は、自治体の業務には欠かせない「データ活用」についての考え方とノウハウが書かれた1冊でした。
私も多くのデータを扱う業務を行なっているので、とても参考になる学びをいただきました。

これからの時代は、データ活用がより重要になってくると考えられています。
私たち地方公務員は、地域に関するデータを扱うプロとして、これからは存在しなければならないのかもしれません。
より仕事の幅や可能性を広げていくためにも、今一度「データ活用」について考える時間を作ってみませんか?
ぜひみなさんも本書をご覧になってください。

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