2021年8月20日に、学陽書房から『自分らしさを見つけて伸ばす 公務員の「強み」の活かし方』が出版されました。
本書は、公務員一人ひとりが持つ「自分の強み」を見つけ方、育て方、活かし方について書かれた1冊です。
公務員は、人事異動などを通じて幅広い様々な経験をしますが、「自分には実績も強みもない」と悩み、次の行動を起こせない人も多く存在しています。
しかし、自分の中にある「強み」を見つけることで、新しいキャリアを築くきっかけになるかもしれません。
私も本書を通じて、自分の強みの再発見と育て方、そして、地域の現場での活かし方を学ぶことができました。
では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『自分らしさを見つけて伸ばす 公務員の「強み」の活かし方』の感想について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『自分らしさを見つけて伸ばす 公務員の「強み」の活かし方』(著者:齋藤 綾治 氏)
2021年8月20日発売
齋藤 綾治(さいとう りょうじ)
株式会社といろ代表取締役。1971年横浜生まれ。大学卒業後、東京都武蔵野市に就職。総合政策部門での全体プランニング・総合調整や、スポーツ部門でのイベント企画・実施、福祉部門での困窮世帯ケースワークをはじめとして、コミュニティ、文化、教育、保育、地域福祉など、自治体業務を通じて多様な人の生と生活に関わり、俯瞰と対話によるまちづくりに従事する。「武蔵野市第五期長期計画(平成24年4月)」、「武蔵野市学校教育計画(平成22年3月)」、「武蔵野市スポーツ振興計画一部改定(平成28年4月)」の策定をはじめ、数多くの計画策定業務にも従事。仕事を続けながら、自らコーチングを学び、2014年に(一財)生涯学習開発財団認定コーチ取得、2017年に国際コーチング連盟認定 Associate Certified Coach(ACC)取得。また、2015年にはGallup認定ストレングスコーチを取得し、人の強みに着目したマネジメントやコーチングの実践を重ねる。2012年より生活福祉課長、地域支援課長、生涯学習スポーツ課長、オリンピック・パラリンピック担当課長、市民活動推進課長を経て、2020年4月、武蔵野市を離れ独立。コーチング、ストレングスコーチングをベースとして1人ひとりの能力開発を支援している。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
- CHAPTER1:強みの原石を見つけ出す-3つの視点から探るあなたの個性
- CHAPTER2:自分らしさを磨き、強みに育てる-オリジナルの得意パターンを見出す
- CHAPTER3:組織の中でも外でも、強みを活かす-自治体の現場で強みを発揮する
- CHAPTER4:チームで強みを活かし合う-1人ひとりの違いを認める
- CHAPTER5:そしてあなたはリーダーになる-自然体で協力関係を築く
本書は、公務員一人ひとりが持つ「自分の強み」を見つけ方、育て方、活かし方について書かれた1冊です。
元武蔵野市職員でありストレングスコーチの齋藤さんによる丁寧な解説により、「自分の強み」のあり方を具体的にイメージできる内容となっています。
また、自分の強みだけでなく、「仲間の強み」を活かし合うチームづくりや後輩・部下の強みを引き出したり、強みを活かすマネジメントなど、若手公務員からベテラン管理職の公務員まで、幅広く読んでもらいたい1冊です。
更に、今まで「公務員本を読んだことがない」という人にも、ぜひ読んでもらいたいです。
本書を読んだ私の感想!
本書を読んだ私の感想は、「強みの発揮を連鎖させることで、社会が変わる可能性を感じた」でした。
冒頭で、著者の齋藤さんが、強みについて以下のように述べていました。
自分の強みとは、自分の中にもともと備わっているものの中から見出し、磨いて育てていくもの
(引用:「はじめに」より抜粋)
自分の強みを見つけることは、簡単なことではありません。
仮に見つけたとしても、強みを育てて、仕事や人生でどのように活かすかは、とても難しいことだと私は考えています。
しかし本書は、その考え方や実践術が、とてもわかりやすくまとめられていました。
そして、多くの地方公務員が「自分の強み」を見つけて育て、地域を場に活かすことで、社会が変わる可能性を強く感じました。
「自分の強み」を通じてキャリアや成長を感じ、挑戦と成功・失敗を繰り返すことが当たり前となる前向きな社会になれば、きっと今の社会から良くなっていくのではないかと思います。
みなさんも、まずは自分を知る一歩を踏み出すためにも、本書を読んでみてほしいです。
本書で特に読んでほしい3つのこと!
本書は、「自分の強み」をキーワードに、成長やキャリアへの気付きと実践について、とてもわかりやすくまとめられた1冊でした。
ここでは、本書で特に読んでほしい3つのことについて、ご紹介します。
3つの視点から、自分の強みを見つけ出す
まずは、3つの視点から、自分の強みを見つけ出すことです。
この内容は、CHAPTER1のメインです。
本書では、こだわりや価値観、行動の特性などを、以下の3つの視点に整理しています。
- 行動・事実
- 感情・想い
- 思考・理解
著者は、まずはこの3つの中から「自分が特に強いと思う視点を見つけ出してみてください」と述べています。
それぞれの視点の特徴について、本書では丁寧にまとめられていますので、ぜひ自分の強みを見つけるための参考にしてください。
私はおそらく、3つの視点とも持つ「バランス型」なのかなと思います。
当てはまることが多くありました。
改めて、この気付きをいただけただけでも、自分にとって収穫のある1冊でした。
強みを見つけ、活かすとはどういうことか
次は、強みを見つけ、活かすとはどういうことかについてです。
この内容は、CHAPTER2の中で述べられています。
強みを育て、活かしていくことは、あなたらしく活き活きと働くことにつながるのです。
(引用:CHAPTER2「強みを見つけ、活かすとはどういうことか」より抜粋)
著者は、「何ができるか」(What)ではなく、「どのようにやるか」(How)に着目しています。
自分らしいやり方と得意パターンを磨いていくための具体的方法が、わかりやすくまとめられています。
- 私らしさ(私の強みの視点)
- 強みの視点を活かした仕事のやり方
- 強みを活かした先で得た成果
これらの内容が、著者の事例を基に紹介されています。
この事例を自分に置き換えて読むことで、「自分はどのように強みを活かせるのか?」が見えてくるのかもしれません。
私も、自分らしさをどのように活かせるのかを初心になって考える良いきっかけになりました。
強みとは、人との関わりの中で発揮されるもの
最後は、強みとは、人との関わりの中で発揮されるものということです。
この内容は、CHAPTER5の中で述べられています。
強みとは、人との関わりがあってはじめて発揮できるもの。
(引用:CHAPTER5「強みとは、人との関わりの中で発揮されるもの」より抜粋)
どれだけ良い強みを持っていたとしても、それが一人で発揮されることはなかなかありません。
自分の強みが成果に繋がったとしても、そこには必ず仲間がいます。
本書では、仲間の貢献やサポートへの感謝を忘れないことの大切さが書かれていました。
そして、自分の強みを後輩のために発揮することで、後輩たちも自分の強みに気付き、更に良い循環が生まれます。
自分の強みを通じて、これだけ良い循環が生まれるとは、私も考えていませんでした。
明日からでも後輩のためになるのであれば、自分の強みをしっかりと発揮していきたいと思います。
まとめ
今回は、『自分らしさを見つけて伸ばす 公務員の「強み」の活かし方』の感想について、ご紹介しました。
本書は、公務員一人ひとりが持つ「自分の強み」を見つけ方、育て方、活かし方について書かれた1冊でした。
自分の強みやこだわり、行動の特性、価値観を「行動・事実」、「感情・想い」、「思考・理解」の3つの視点で考えることについて、仕事や地域の現場で活かす方法を具体的に学ぶことができたのが、私はとても嬉しかったです。
地方公務員のみなさんにとっては、何かのきっかけになることは間違いありません。
ぜひ本書を読んでいただき、明日からの変化や行動に繋げてみてはいかがでしょうか?