地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

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地方公務員が個人アカウントでSNSを運用するときに気をつけたい5つのこととは?

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「地方公務員が、個人アカウントのSNSを運用しても良いのですか?」
「所属の自治体には、どのように伝えているのですか?」

FacebookTwitterInstagramなど、私は様々なSNSを実名で運用しています。
現代の情報化社会において情報収集及び情報発信をするためには、SNSの運用が欠かせないものとなってきました。
しかし、地方公務員の中には、個人アカウントのSNSを運用してはいけないと思っている人も多く存在します。

地方公務員の個人アカウントでのSNSの運用に関しては、各自治体において「ソーシャルメディアガイドライン」が策定されていることが多いです。
私は、自分の所属する自治体だけでなく、全国各地の自治体のソーシャルメディアガイドラインを読みました。
そこで、どのようなことに気をつければ良いか、見えてきたことがあります。

では、その内容とは、どのようなことでしょうか?
今回は、地方公務員が個人アカウントでSNSを運用するときに気をつけたい5つのことについて、ご紹介します。

自治体にあるソーシャルメディアガイドラインを確認する!

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地方公務員が個人アカウントでSNSを運用する時に一番大切なことは、所属する自治体のソーシャルメディアガイドラインを確認することです。
まずは、ソーシャルメディアガイドラインがどのようなものかを確認してみましょう。

総務省が国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に関する文書を出している!

最初に、総務省が出しているソーシャルメディアの私的利用に関する文書を確認してみましょう。

この文書は、総務省が国家公務員に対して出しているものです。
そのため、「地方公務員には関係がない」と思われるかもしれません。
しかし、国家公務員に準拠している自治体も多くありますので、ぜひ一度、内容をご確認ください。

www.soumu.go.jp

www.nikkei.com

www.excite.co.jp

地方公務員は、各自治体のソーシャルメディアガイドラインによる!

次は、地方公務員のソーシャルメディアガイドラインについてです。
地方公務員のSNS運用については、基本的に、各自治体の例規や内規などにあるソーシャルメディアガイドラインが基準となります。
先ほどご紹介した国家公務員のガイドラインに準拠した自治体も多いですが、表現や認めている部分が多少異なる自治体もあります。

以下は、参考として、武蔵野市ソーシャルメディアガイドラインを共有するものです。
みなさんの自治体にも武蔵野市のようなソーシャルメディアガイドラインがあると思いますので、ぜひご確認ください。

<参考>
武蔵野市ソーシャルメディア利用ガイドライン
武蔵野市ソーシャルメディア利用ガイドラインFAQ

【参考】復興庁で起きた事例

ここで、復興庁の幹部職員による個人SNSアカウントの不適切な運用事例を、ご紹介します。

2013年6月、復興庁の幹部職員が個人のTwitterアカウントで、職務上かかわった国会議員や市民団体を中傷するコメントを繰り返し書き込むということがありました。
つまり、他人を中傷するような投稿を掲載するなどの不適切な投稿を繰り返していたのです。

この連続した不適切な投稿により、復興庁の幹部職員は、「停職30日」の処分を受けることになりました。
復興庁発表資料には、処分の理由が以下のように書かれていました。

3 処分の理由
(1)水野参事官は、ツイッターにて不適切な発言を行い、特に政府の重要政策である復興に関し、幹部職員の立場にありながら被災者及び国民の政府に対する信頼を傷つけ、さらには復興に対する政府の姿勢を疑われかねない事態を招いたことは、国家公務員法第99条に規定する信用失墜行為に該当する。また、勤務時間内にツイートしたことは、国家公務員法第101条に規定する職務に専念する義務に違反する。
(引用:平成25年6月21日 復興庁「懲戒処分等の公表について」)

www.reconstruction.go.jp

www.reconstruction.go.jp

このような事例が起きたことに、当時の私は、とても残念な気持ちになりました。
もしも匿名のTwitterアカウントであったとしても、投稿内容である程度の特定は可能です。
みなさんもTwitterアカウントを運用されている場合は、意識的に気をつけて運用するようにお願いします。

www.nikkei.com

www.asahi.com

地方公務員が個人アカウントでSNSを運用するときに気をつけたい5つのこととは?

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では、地方公務員が個人アカウントでSNSを運用するときに気をつけたい5つのことについて、ご紹介します。
ここでは、各自治体のソーシャルメディアガイドラインに共通している内容を抜粋します。

職場でしか知り得ない情報の発信!

まずは、職場でしか知り得ない情報の発信です。
ここで確認しておきたい条文は、地方公務員法第34条の秘密を守る義務(守秘義務)です。

(秘密を守る義務)
第三十四条 職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。
(引用:地方公務員法より抜粋)

一番安全な運用方法は、職務上の秘密にあたるかどうかの判断に迷うものを発信しないことです。
職務で知った秘密だけでなく、他の部署の秘密に関する情報を調整上知った場合など、広く知り得た秘密も含みます。

また、守秘義務を違反した人は、懲戒処分になるだけではありません。
地方公務員法第60条第1項第2号「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」という規定により、懲役又は罰金という刑事罰の対象となることを知っておきましょう。

勤務時間内に個人アカウントのSNSを触る!

次は、勤務時間内に個人アカウントのSNSを触ることです。
ここで確認しておきたい条文は、地方公務員法第35条の職務に専念する義務(職務専念義務)です。

(職務に専念する義務)
第三十五条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
(引用:地方公務員法より抜粋)

SNSでの発信は、「1時間前」というような形で発信日時が表示されます。
そのため、勤務時間中に個人アカウントのSNSで発信をすると、誰が見てもわかります。

休憩時間や休暇取得時は、制限を受けることなく自由に発信することができます。
しかし、他の方からどのように受け止められるかを意識した上で、十分に気をつけるようにしましょう。
例えば、平日に休暇取得をして発信したとしても、一般的には「勤務時間中ではないのか?」という誤解を招く恐れもあるのです。

政治に関する内容の発信!

次は、政治に関する内容の発信です。
ここで確認しておきたい条文は、地方公務員法第36条の政治的行為の制限です。

(政治的行為の制限)
第三十六条 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。
2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。(以下、略)
(引用:地方公務員法より抜粋)

上記の条文は、地方公務員法第36条を一部抜粋したものです。
政治的行為の制限に関する内容を簡単に言うと、以下の3つです。

  • 全体の奉仕者としての性格
  • 行政の中立性と安定性の確立
  • 職員を政治的影響から保護する

このことからわかるように、政党や政治団体の構成員になったり、特定の人を支持するように勧誘運動をするなどの行為は、行ってはいけません。
個人アカウントのSNSで発信する際には、政治的行為の制限に抵触しないように気をつけましょう。
発信の判断に迷うような内容の場合には、発信を控えることが無難でしょう。

「地方公務員」という肩書きは、勤務時間外もずっと残る!

次は、「地方公務員」という肩書きは、勤務時間外もずっと残ることです。
ここで確認しておきたい条文は、地方公務員法第33条の信用失墜行為の禁止です。

(信用失墜行為の禁止)
第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(引用:地方公務員法より抜粋)

信用失墜行為とは、直接に職務とは関係のない行為も含まれます。
つまり、職員の個人の行為であったとしても、職員としての身分を保有している以上、所属する自治体に悪い影響を与える可能性があります。
「地方公務員」という肩書きは、勤務時間外であったとしても変わりません。

また、どのような行為が信用失墜行為に該当するかは、具体的な基準もありません。
個人の行為により自治体に対して社会的非難がなされ、その信用が損なわれることも十分ありえますので、気をつけるようにしましょう。

特に注意が必要なポイントとして、いいねやリツイート、シェアは、「同意」を示すことになるということを意識しておきましょう。
簡単にボタンを押すのではなく、一つずつ丁寧に確認することが大切でしょう。
この意識を持ちながら個人アカウントのSNSを運用することが、とても重要です。

匿名アカウントでのSNS運用!

最後は、匿名アカウントでのSNS運用です。
自治体のソーシャルメディアガイドラインは、匿名によるSNS運用も制限の対象となります。

一番気をつけなければならないことは、匿名であることを理由に、無責任な発言や誹謗・中傷の発信をしてしまうことです。
先ほどお話した「信用失墜行為」に触れる可能性があります。

「匿名だから、誰が発信したのかわからないだろう」と思われがちですが、今までの投稿の内容や写真などを通じて、ある程度の絞り込みは可能です。
また、プロバイダ責任制限法により、インターネット上の情報発信によって自己の権利を侵害された者は、プロバイダ等へ発信者の氏名又は名称、住所、電子メールアドレス等を開示請求することができます。
そのため、匿名SNSであったとしても、地方公務員としての発信の自覚を持つように意識しましょう。

まとめ

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今回は、地方公務員が個人アカウントでSNSを運用するときに気をつけたい5つのことについて、ご紹介しました。

本記事の内容を見て、「SNSを個人アカウントで持つことはリスクがある」と思われるかもしれません。
しかし、所属する自治体のソーシャルメディアガイドラインを読み、常識に沿った運用をしていれば、地方公務員でも個人SNSの運用は普通に行うことができます。

むしろ、多くの自治体のソーシャルメディアガイドラインを読むと、これからの時代に合わせた情報発信の形として、個人のSNSでの自治体情報の発信は推奨されていました。
「市に関する情報発信は、積極的に行いましょう」と書かれている自治体もありました。

みなさんも、まずは所属する自治体のソーシャルメディアガイドラインを確認し、きちんとSNSを運用するリスクを知った上で、個人SNSアカウントの運用を行うようにしましょう。

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