令和3年9月21日、地方公務員オンラインサロンにて、株式会社LIFULLの菅野勇太さんによるオンラインセミナー『デジタルマーケティング概要/使いこなすために必要なこと』が開催されました。
地方公務員限定のオンラインサロン「地方公務員オンラインサロン」では、月に3〜5回ほどのペースで、様々なジャンルでご活躍されている方のオンラインセミナーが開催されています。
今回開催された株式会社LIFULLの菅野勇太さんによるオンラインセミナーでは、デジタルマーケティングの概要と活用方法について、わかりやすく丁寧なお話を聞くことができました。
では、どのような内容をお話だったのでしょうか?
今回は、地方公務員オンラインサロンのセミナーレポート『デジタルマーケティング概要/使いこなすために必要なこと』について、ご紹介します。
地方自治体でも、デジタルマーケティングが有効な場面は多くある!
菅野 勇太(すがの ゆうた)
株式会社LIFULL/百様株式会社。2008年に株式会社ネクスト(現・株式会社LIFULL)入社。以来『LIFULL HOME'S』のBtoCマーケティングに従事。2012年に日本国内初の事例となるマーケティングオートメーション導入を主導。2016年にはYahoo!APIを直接連携したオンライン広告の全社インハウス化を実施。現在はブランディング・アクイジション・CRM・OMO等のコミュニケーション戦略をフルファネルで統括。|2016年よりCRM支援の百様株式会社を創業し、兼業でファウンダーを務める。|「菅野勇太のB2Bセールス塾」の塾長|宅地建物取引士|Twitter: @suganoyuta / note: note.com/suganoyuta
地方公務員のみなさんは、「デジタルマーケティング」という言葉をご存知でしょうか?
地方自治体において、Yahoo!やGoogle、SNSなどに有料広告を出すようなことをほとんど行っていません。
しかし、若者へのワクチン接種啓発やふるさと納税のPRなど、デジタルマーケティングが有効な場面は、実は多くあるのです。
今回の地方公務員オンラインサロンでは、年間で数十億単位の広告宣伝費を投下している株式会社LIFULLのマーケティングマネージャーである菅野勇太さんに、デジタルマーケティングの概要や活用方法について教えていただきました。
菅野さんは、株式会社LIFULLに入社依頼、オンライン広告をはじめとするウェブマーケティング広告や国内初事例となるBtoC向けMA(マーケティング・オートメーション)ツールの導入、運用型ウェブ広告の独自運用によるコスト削減などに取り組まれてきました。
今では、LIFULL HOME'SのテレビCMのブランディングやCRM(Customer Relationship Management)、OMO(Online Merges with Offline)を統括しています。
その他、兼業として、デジタルマーケティング支援会社の百様株式会社も立ち上げられています。
今回のオンラインセミナーでは、デジタルマーケティングの実践経験が豊富な菅野さんより、デジタルマーケティングの概要を理解して活用するために必要な視点を、事例紹介と共に教えていただきました。
マーケティングコミュニケーションのデジタル化!
そもそも「デジタルマーケティング」と言っても、広義と狭義の2つの顔があります。
広義の意味としては、マーケティングそのもののデジタル化です。
そして、狭義の意味としては、マーケティングコミュニケーションのデジタル化です。
特に、アドテクノロジーなどの特定の手法を指した狭義のデジタルマーケティングに、菅野さんは関わってこられました。
マス・マーケティングの時代は「AIDMA(Attention、Interest、Desire、Memory、Action)」、サーチ/SNSマーケティングの時代は「AISAS(Attention、Interest、Search、Action、Share)」が重要と言われていました。
しかし、今のコンテンツ・マーケティングの時代は、「DECAX(Discovery、Engagement、Check、Action、eXperience)」が重要です。
また、デジタルマーケティングは、SEOやアフィリエイト、リターゲティング広告やWEBのレコメンドやチャット、ポップなどによるWEB接客など、様々な手法があります。
SNSやメール、LINE、アプリなども含まれます。
コンテンツ・マーケティングとして、優良なコンテンツや記事を通してコミュニケーションしていくことを戦略としてメリハリをつけてやっていくことが、デジタルマーケティングの特徴だそうです。
更に今回は、「ユーザー」と「メディア」と「広告主」の3者を満たす、最適な人に最適な広告を配信するための技術「アドテクノロジー」や、小さなウェブページをかき集めてネットワークにした「アドネットワーク」、配信ユーザーを指定して配信する運用型広告「DSP(Demand-Side Platform)」、ユーザーを特定して個々の記録を追跡する「トラッキング」など、普段私たち地方公務員が仕事で耳にしないような専門用語もわかりやすく解説してくださりました。
5W1Hを超高速で最適化する魔法の杖!
最後に、菅野さんは、アドテクノロジーを中心に発展したデジタルマーケティングを以下のように定義付けしました。
一人ひとりに最適化した媒体面とタイミングとクリエイティブで、コミュニケーションのゴールを達成することで、超高速PDCAを実現し、一瞬にして全てがわかるものがデジタルマーケティングというお話でした。
5W1Hを超高速で最適化する特徴は、ディスプレイ広告以外にも、あらゆるデジタルコミュニケーション手法の基本的な概念になっており、基本は5W1Hにあります。
つまり、デジタルマーケティングを使いこなすとは、データに基づいて、超高速PDCAで、5W1Hを最適化することです。
私たちが当たり前のように行っているアナログなやり方では、大掛かりでざっくりな感じになり、その結果やノウハウも属人化する傾向があります。
しかし、デジタルは、データ・ファクト・予測に基づいて行われます。人の手に負えないような、あらゆるデータと数字も集まります。
そして、5W1Hを設計し、スモールでクイックスタートな動きが出来ることも、デジタルの大きな特徴です。
デジタルマーケティングを実現するために、データ、ツール、体制を整備することが必要です。
手運用の時代が終わった今、特殊なスキルは必要ないデジタルの時代が訪れます。最初は難しい印象を受けるかもしれませんが、今では、データをきれいに整えておくだけで、ツールによりボタン一つで実行する仕組みもできています。
まとめ
今回の菅野さんのオンラインセミナーでは、デジタルマーケティングに関する多くのことを学ばせていただきました。私たち地方公務員には、まだまだ知らない世界が多くあります。その世界に触れることで、新しい自治体の可能性を感じることが出来たオンラインセミナーでした。
【10月4日(月)21:00~22:00】
「地方公務員アワード受賞者審査員達とオンライン飲み会」【10月6日(水)21:00~22:30】
講演-加藤幹也さん(東京都)
「東京都デジタル化のゴールと現在地」【10月13日(水)21:00~23:30】
講演-佐久間智之さん(PRDESIGN JAPAN 株式会社)
「PowerPointからPR動画まで! 公務員の動画作成術」【11月5日(金)21:00~23:00】
講演-碇 邦生さん(大分大学経済学部講師)
「イケてる人事は、人事部がいらない」【11月10日(水)21:00~22:30】
講演-先崎彰容さん(日本大学危機管理学部教授)
「バッシングの論理と心理―公務員バッシングにどう向き合うべきか」
地方公務員オンラインサロンでは、月に3〜5回のペースで、魅力的なオンラインセミナーが開催されています。
今回のような、地方公務員として働くだけでは学ぶことが出来ない講義も、受けることが出来ます。
アーカイブで今までのオンラインセミナーを視聴することもできますので、ぜひご参加の上、ご覧ください。