2021年7月21日に、水曜社から『市民がつくる、わがまちの誇り シビック・プライド政策の理論と実際』が出版されました。
本書は、これからの地域づくりに欠かせないシビック・プライドについて解説された1冊です。
シビック・プライドの理論と政策に関することが、多くの事例と共に丁寧にまとめられています。
特に、シビック・プライドの目的や目指す姿、そして、育み方などは、これから魅力ある地域づくりを進めていくうえで欠かせないことだと、私は強く感じました。
では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『市民がつくる、わがまちの誇り シビック・プライド政策の理論と実際』の感想について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『市民がつくる、わがまちの誇り シビック・プライド政策の理論と実際』(著者:松下 啓一 氏)
2021年7月21日発売
松下 啓一(まつした けいいち)
元相模女子大学・大阪国際大学教授。現代自治体論(まちづくり、協働、政策法務)。26年間の横浜市職員時代には、総務・環境・都市計画・経済・水道などの各部局で調査・企画を担当。著書に『市民協働の考え方・つくり方』、『自治基本条例の作り方』、『つくろう議員提案の政策条例』など。 自治体学会、日本NPO 学会、コミュニティ政策学会に所属。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
本書は、これからの地域づくりに欠かせないシビック・プライドについて解説された1冊です。
このまちに住み続けたい
このまちを人にも勧めたい
まちや地域への「愛着、誇り、共感」は、このような行動に繋がります。
これからの地域活性化を実現させるためには、シビック・プライドという考え方が欠かせないものとなるでしょう。
しかし、シビック・プライドは、とても難しいテーマであり課題だと私は感じています。
その中でも、自治体には「市民の力」という唯一無二の資源が残されています。
本書を通じて、シビック・プライドのことを理解し、市民の力を最大限に発揮する方法を知り、そして、実践で挑戦してみてはいかがでしょうか?
なお、「シビックプライド」は、株式会社読売広告社の登録商標とのことです。
そのため、本書では、「シビック・プライド」という表記で統一されています。
本書を読んだ私の感想!
本書を読んだ私の感想は、「未来の地域づくりに欠かせない考え方」でした。
今後の地域づくりは、行政主体から住民主体へと変化していくと言われています。
しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大や自然災害、そして、少子高齢化などにより、地域の活力は失われつつあります。
これから地域を活性化させていくためには、市民一人ひとりが「まちの当事者」として行動することが欠かせません。
本書では、市民一人ひとりが「まちの当事者」になるためのヒントや実例が、たくさん盛り込まれています。
「市民の力」を通じたシビック・プライドの理論と政策の必要性を、より強く感じる内容ばかりでした。
全国の地方公務員だけでなく、地域づくりに関わる全ての人たちに読んでもらいたい1冊です。
本書で特に読んでほしい3つの内容!
本書は、これからの地域づくりに欠かせないシビック・プライドについて解説された1冊でした。
ここでは、本書で特に読んでほしい3つの内容について、ご紹介します。
シビック・プライドの目的・目指すところ!
まずは、シビック・プライドの目的・目指すところです。
シビック・プライドの意義や効果が何か、きちんと知るところから始めてみましょう。
本書では、シビック・プライドのまちづくりへのプラス効果として、以下の4つが紹介されていました。
- 人的効果
- 地域のイメージアップ効果
- ヒューマンネットワークの形成・拡大
- 経済効果
多岐にわたる効果がありますが、まちの活力と魅力を高めて「生活の質の向上」を実現するためには、シビック・プライドが欠かせないものだと言えるでしょう。
まずは、私たち地方公務員が、シビック・プライドを理解したうえで、行動することを目指してみましょう。
資産・資源としての市民!
次は、資産・資源としての市民です。
シビック・プライドが目指すことの一つとして、「当事者としての市民の創出」があります。
私は、シビック・プライドの中でも、「当事者としての市民の創出」は、特に重要なものだと考えています。
このような市民が増えることで、地域の衰退や消滅を避けることに繋がるでしょう。
「当事者としての市民の創出」を実現させるためには、市民の地域への愛着や誇り、共感を生み出すだけでなく、具体的な課題やビジョンの見える化をすることが大切だと、私は考えています。
課題やビジョンが曖昧なままでは、市民が当事者として向かうべき方向もバラバラになり、まとまらないまま終わってしまうかもしれません。
そのため、まずは課題やビジョンの見える化から一歩目を踏み出してみてはいかがでしょうか?
シビック・プライドを育む!
最後は、シビック・プライドを育むです。
ここでは、実際にシビック・プライドを育むための取り組み事例が紹介されています。
主に、以下の4つを軸に、市民のシビック・プライドを育むための様々な方法論が述べられています。
- まちを知る・学ぶ
- 人が集まる・交流する
- まちに参加する・やってみる
- 思いをカタチにする
私のおすすめは、まずは「まちを知る・学ぶ」から始めてみることです。
もちろん、机上でまちを知ることも学ぶことも出来ないこで、まちに出て、まちの人と話をすることが重要と言えるでしょう。
本書では、上記のような具体的なシビック・プライドの育み方を、多数紹介しています。
「地域づくりで何から始めたら良いのか?」と悩む人にとっては、とても参考になる内容だと思いますので、ぜひご覧ください。
まとめ
今回は、『市民がつくる、わがまちの誇り シビック・プライド政策の理論と実際』の感想について、ご紹介しました。
本書は、これからの地域づくりに欠かせないシビック・プライドについて解説された1冊でした。
シビック・プライドの理論と政策に関することが、多くの事例と共にわかりやすくまとめられていました。
本記事で紹介した内容の他にも、シビック・プライドの発信や最初の一歩の踏み出し方などの工夫、そして、自治体の仕事の見直し方も書かれており、私たち地方公務員の日頃の仕事の役に立つことも、盛りだくさんでした。
ぜひみなさんも本書を読みながら、地域づくりの一歩を踏み出してみませんか?