令和3年9月、富田林愛が強い現役女子大学生の槇野 天音さんと、「地域」と「若者」について、熱く語り合う機会がありました。
槇野さんは、高校1年生の頃から地域活動へ積極的に参加しています。
その経験を経て気付いたことや最近感じていることなどを、お話していただきました。
お話の中には、地域活動に参加してみたい人に対するアドバイスや私たち地方公務員に必要な視点、そして、反省すべき内容も多々あり、私自身、とても良い気付きと刺激を得た時間となりました。
では、どのようなことをお話したのでしょうか?
今回は、地域を深く知る4つのコツを含め、地域活動を通じて富田林愛を深めた女子大学生と語る「地域」と「若者」について、ご紹介します。
地元で多くの繋がりが生まれることを想像すると、ワクワクする!
槇野 天音(まきの あまね)
富田林市在住の20歳、現役女子大学生。月に一度開催される子ども食堂や生涯学習施設「Topic」内の青少年委員会、SDGsローカルダイアログ、未来の富田林市を考える会議「Mira-ton」等への参加。2021年には、富田林市若者会議の初代会長に着任する。趣味は、デパ地下のケーキ巡りやセルフジェルネイル、Netflixで韓国ドラマの視聴。富田林市内のお気に入りのお店は、富田林寺内町にある「ナロード」。
ー本日はよろしくお願いします!
槇野:よろしくお願いします!
ー早速ではありますが、私は槇野さんほど地域に深く参加している若者と出会ったことがまだありません。富田林市の地域活動参加のきっかけは、どのようなことだったのでしょうか?
槇野:まず私は、高校1年生の時に「子ども食堂」と「青少年委員会」に参加しました。「子ども食堂」は知人に誘ってもらって、そして、「青少年委員会」は富田林市きらめき創造館Topic(以下、「Topic」。)でチラシを見つけて参加したものです。そして「Mira-ton」は、青少年委員会の委員として参加しました。
槇野:富田林市主催「SDGsローカルダイアログ」は、偶然、市のホームページで見つけました。当時、SDGsのことは全然知りませんでしたが、このイベントへの参加をきっかけに、大学の授業で履修するなど、SDGsに対して興味が深くなりました。そして、今年開催された「若者会議」も、声をかけてもらっての参加でした。縁があって若者会議1期生の会長にも着任することにもなりました。現在若者会議は終了していますが、今後も継続した活動や交流会などを通じて、富田林市で様々な動きが出来ればと思っています。
ーこの話を聞いているだけでも、とても幅広く活動されていますね。そもそも、なぜこれらの活動に参加しようと思ったのですか?
槇野:「いろいろな人と出会いたい!」という想いが強かったからです。そして、地元で多くの繋がりが生まれることを想像すると、とてもワクワクしながら参加していました。
ーそのような想いを持ったきっかけは、どのようなことにあるのでしょうか?
槇野:私は元々、とても人見知りな性格でした。そして、この人見知りな性格を「直したい!」と思っていました。更に、私は中学校から私立に通っていたため、地元での繋がりやコミュニティが全くありません。そのため、「地元での繋がりがほしい!」ということも、一つ大きなきっかけと言えます。
自分らしくいれる場所、自分を表現できる場所の存在!
(写真提供:槇野 天音さん)
ーそもそも、槇野さんが富田林愛が強くなったきっかけは何ですか?
槇野:まず結論として、富田林市は「私の原点」ということがあります。先ほどもお話した通り、私は元々、とても人見知りな性格でした。サッカー部のマネージャーをしていた高校生時代も、部員に目も合わせることができないほどでした。この人見知りな性格に悩みながらTopicでテスト勉強をしている時に、「Topicで交流会をしています」というチラシが目に入りました。この交流会を通じて「地元での繋がりができたら良いな!」と思い、参加しました。
ー今となっては、人見知りな性格がとても信じられません(笑)
槇野:最初は、部屋の端っこに一人で座っていることも多かったです。しかし、Topicの交流会を通じて私のことを見てくれる友人ができ、「ここに自分の居場所がある!」と思いました。そして、私が軽く発言したことを「全力でやろう!」と言ってくれる大人がいたことも嬉しかったです。自分らしくいれる場所、そして、自分を表現できる場所(=サードプレイス)ができたことから、富田林愛が強くなっていったのだと思います。
ーサードプレイスの存在は、とても大切ですよね。若者の拠点となるような場所が地域の中にあるのは重要だと、槇野さんのお話を聞いて思いました。
美味しい食べ物や美しい景色の裏には、"人"がいて、"物語"がある!
(写真提供:槇野 天音さん)
ーでは次に、富田林市のどのようなところが好きか教えてください!
槇野:全体を通して、私は富田林市の「人」が好きです。市役所職員やTopicのロビースタッフはもちろん、全然知らない地域の人の温かさがすごいです。例えば、偶然出会った人やお店のレジの場などで、温かさを感じる体験を何度もしました。また、富田林市の美味しい食べ物や美しい風景にも、「人」を感じることが多いです。つまり、いろいろな人の想いが繋がって出来ている街が、今の"富田林市"だと感じています。
ー素敵な表現ですね。想いが繋がる街、富田林市。確かに「食べ物」や「風景」は、勝手に出来ているものではなく、そこには必ず人が関わっているはずです。そのストーリーを一つひとつ深掘りすると、もっと素敵な魅力を見つけることができそうですね!
槇野:料理をする人の愛や街を大切にしながらお店を続けている人の愛、そして、富田林市の今の風景を作ってくれた人の想いを基準に街を眺めると、全ての原点に戻ることができますね。
「地域」は、自分を知り、自分を好きになるきっかけになった!
(写真提供:槇野 天音さん)
ー富田林への愛やさまざまな活動を通じて、槇野さんにどのような変化がありましたか?
槇野:過去の私は、大学で学びたいことが特にありませんでした。なんとなく"心理学"と考えていたくらいです。しかし、今では「地域に関することを学びたい!」という想いが強く、今後、地域活性化プログラムを大学で履修する予定です。これからは、富田林市を超えた地域活性の活動にも関わり、様々な街を見てみたいと思っています。
ーそれは大きな変化ですね!様々な街を見ることで、また新しい価値観に出会えるかもしれません。そこから自分なりのキャリア形成を行えば良いと思います。他にも変化はありますか?
槇野:学生時代は、大人のことが苦手でした。しかし、富田林市に関わったことが大きな転機となりました。「やってみよう!」や「いいじゃん!」と後押ししてくれるたくさんの大人と出会ったことで、「大人ってすごい!」と感じるようになりました。今では、目指したい人間像も漠然と見えてきたので、大人たちの良いところを吸収して、そして、私より年下の若い世代に引き継いでいきたいと思うようになりました。
槇野:そして、人見知りな性格は、今となっては人と話すことが楽しいくらいになっています。いろいろな人と話す場に足を運びながら、これからも様々な世界を知りたいと思っています。
ー富田林市での活動を通じて、本当に大きな変化をしたんだなと感じました。まさに「私の原点」というお話を追体験させてもらったような感覚です。
槇野:富田林市での活動を通して、自分が何を学びたいか、そして、どんな大人になりたいかなどの「自分」を考えるようになりました。そして、地域での出会いや活動を通じて、自分のことがとても好きにもなりました。
地域を深く知るための4つのコツとは?
(写真提供:槇野 天音さん)
ー槇野さんのように「地域を知る」行動を実践している人は、意外と少ないと感じています。その人たちに向けて伝えることができる「地域を知るコツ」はありますか?
槇野:まずは、街のイベントに参加してみる(=
槇野:次に、街の気になる人には話しかけてみる(=街の人と繋がる)ことです。先ほどもお話しましたが、美味しい食べ物は、「味」だけでなく「ストーリー」があります。そこに関わる人と話すことで、「ストーリー」を知ることができます。また、今の若者にとっては、SNSから生まれる繋がりもあります。今思えば、納さんとの最初の繋がりもTwitterでしたね。
ー確かに、改めて振り返ると、私たちの出会いはTwitterからでしたね。懐かしいです。SNSという観点から「地域を知るコツ」はありますか?
槇野:SNS(Twitter、Instagram)
ーなるほど。確かに「富田林」と調べる習慣をつけるだけでも、地域の情報やリアルに起きている出来事を拾うことができそうですね!
槇野:あとは、地域に一緒に参加する仲間をつくる(=一人で不安なら、
ーありがとうございます。今回ご紹介いただいた4つの内容は、「誰でもできる」内容ですね。最後の「仲間をつくる」は、私もとても重要だと思います!
若者の情報収集手段と行政の情報発信手段には、とても大きなギャップがある!
(写真提供:槇野 天音さん)
ーでは、若者目線で感じている課題みたいなものがあれば教えてください。
槇野:私は、若者が情報を知る機会がとても少ないと感じています。例えば、以前友人に、「富田林のイベントってどこで見つけてるの?」や「富田林が何してるか知らないけど、すごいね!」と言われました。富田林市内でも面白いワークショップやイベントが多々あるのに、若者に知られていないことは、とてももったいないと思っています。
槇野:そのため、もっと若者に知ってもらう機会を増やすべきだと、私は考えています。「そもそも知らない」という問題を、積極的に解消する必要があります。最終的に、ワークショップやイベントに参加するかしないかは、その人の判断となるでしょう。しかし、そもそも知らないことが、とても恐しい事実だと思います。
ー私も一人の情報発信者として、行政の情報発信に対して様々な課題を感じていることはあります。槇野さんは、若者に情報が届いていない原因は、何だと考えていますか?
槇野:現在の若者の情報収集手段は、InstagramやTwitterがメインだと思います。しかし、市の情報発信は、Facebookがメインです。そして、若者は、Facebookをほとんど使っていないという事実があります。そのため、若者の情報収集手段と行政の情報発信手段に、とても大きなギャップがあることが大きな原因だと感じている。広報誌やホームページ、Facebookだけでなく、若者が多く使っているツールを積極的に活用してほしいです。この内容は、若者会議でもチームメンバーと提案しました。これから変わっていくことを願っています。
富田林市に関わっている人がハッピーなら、富田林市もハッピー!
(写真提供:槇野 天音さん)
ーありがとうございます。今回の対談を通じて、とても勉強になりました。そして、一人の地方公務員として考えなければならないことも見つかりました。
ーでは最後に、これからの富田林市への期待を教えてください!
槇野:私が富田林市に関わる上でのモットーがあります。それは「富田林市に関わっている人がハッピーなら、富田林市もハッピー」です。富田林市に住んでいる人も住んでいない人も、「富田林市に関わることが楽しい」となることが大切だと思っています。そして、もっと多くの人に、富田林市へ興味や関心を持ってほしいです。まだまだ自分の周りでは富田林市に興味を持つ若者も少ないので、私がその一助になれるように、頑張ってみたいと思っています。
槇野:最後に、私は、他人に対して「富田林が好き」と誇りを持って伝えています。
ー最後の最後に、とても熱い想いをありがとうございます!良い刺激をいただきました。またこれからも地域で一緒に頑張っていきましょう!
編集後記
今回は、地域を深く知る4つのコツを含め、地域活動を通じて富田林愛を深めた女子大学生と語る「地域」と「若者」について、ご紹介しました。
槇野さんからのお話を聞いて、地方公務員としてもっと頼られる存在にならないといけないなと私は強く感じました。
私たち地方公務員は、あくまでまちの黒子的な存在で良いのです。
市民のやりたいを叶えることに、全力でサポートすることが役割です。
そして、これからのまちを作るのは、今の若者世代です。
そのため、いかに若者世代を巻き込んだまちづくりができるのかは、これから非常に重要なポイントとなるでしょう。
ぜひみなさんも、地域の若者と対話をして、本音を聞いてみてください。