2021年6月30日に、ぎょうせいから『「義理チョコ」はセーフですよね?こんなときどうする?地方公務員のコンプライアンス』が出版されました。
本書は、公務員倫理上判断の難しい事例について、基礎知識から具体的な事例まで、Q&A形式で丁寧にまとめられた1冊です。
私たち地方公務員が自分で自分の身を守るためにも、必ず読んでおきたい内容となっています。
私も「これっていいのかな?」という疑問を解消し、公務員倫理について考え直す良い機会にもなりました。
では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『「義理チョコ」はセーフですよね?こんなときどうする?地方公務員のコンプライアンス』の感想について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『「義理チョコ」はセーフですよね?こんなときどうする?地方公務員のコンプライアンス』(著者:鵜養 幸雄 氏)
2021年6月30日発売
鵜養 幸雄(うかい ゆきお)
一般財団法人公務人材開発協会業務執行理事。東京大学法学部卒業後、昭和52年人事院入庁。公務員の育児休業制度、人事院規則の法令審査、不利益処分審査請求の処理、公務員の任期付採用制度の立案、人事評価制度の検討などの業務に従事。平成19年4月に立命館大学公務研究科創設と共に同科教授に就任。人事院公務員研修所客員教授などをつとめる。人事行政研究所講師として服務制度、勤務時間・休暇制度、懲戒・分限の制度・運用、非常勤職員の制度・運用についての研修を実施。また、自治体職員等に対する公務員倫理、人事評価、会計年度任用職員、マネジメント等の研修講師をつとめる。令和2年6月より現職。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
- 第1章:地方公務員にとってのコンプライアンスってなんですか。
- 第2章:こんな時どうする?事例別地方公務員のコンプライアンス
- 第3章:不祥事が起こってしまったら?
本書は、公務員倫理上判断の難しい事例について、基礎知識から具体的な事例まで、Q&A形式で丁寧にまとめられた1冊です。
不正を行わないことはもちろんですが、疑われるだけでも厳しい目を向けられるため、自分の身を守るためにも必ず読んでおきたい内容となっています。
コンプライアンスに関するQ&A100問に全て根拠付きの解説があるため、きちんと理解を進めながら読み進めることが出来るでしょう。
ぜひ地方公務員のみなさんは、本書を手に取ってご覧ください。
本書を読んだ私の感想!
本書を読んだ私の感想は、「地方公務員に関するコンプライアンスの疑問が解消した」でした。
私が地方公務員として10年以上働く中で、「どこまで大丈夫なのか?」と疑問に思う場面は多々ありました。
その度に正解はわからないまま過ごしていましたが、本書を読むことで、大丈夫だと確信できて良かったことがありました。
みなさんも本書を読むことで、今まで疑問に思っていた様々なことが解消されるかもしれません。
これからの自分の身を守るためにも、手元に置いておきたい1冊であることは間違いありません。
本書で特に関心が高い人が多そうな3つの内容!
本書は、公務員倫理上判断の難しい事例について、基礎知識から具体的な事例まで、Q&A形式で丁寧にまとめられた1冊でした。
ここでは、本書で特に関心が高い人が多そうな3つの内容について、ご紹介します。
SNSでの意見表明
まずは、SNSでの意見表明です。
自治体や仕事で納得できないことがあり、個人としての反対意見をSNSで発信することに、問題はあるのでしょうか?
本書での答えとしては、意見を行うことは認められているものの、住民の混乱を招く危険性があると述べられています。
私は、場合によっては、信用失墜行為に該当するのではないかとも考えています。
そもそも、個人のSNSでネガティブな意見を述べることは、とてもリスクが大きいことを理解しておきましょう。
以下の記事において、地方公務員のSNSの注意点についてまとめていますので、ぜひご覧ください。
カレンダー
次は、カレンダーです。
年末になると、自治体を出入りする業者からカレンダーをいただくことはありませんか?
民間企業からカレンダーの提供を受けることに対して、抵抗や疑問を持つ地方公務員も多いと思います。
しかし、利害関係者からの贈与は「禁止行為」ではありますが、その例外規定として、記念品や宣伝用物品は受け取ることが認められているのです。
その理由は、記念品や宣伝用物品は「儀礼的な行為」とされているためです。
もちろん、受け取ったものを住民の目に触れる場所に置かないように、気をつけるようにしましょう。
喫煙
最後は、喫煙です。
あなたの周りには、勤務時間中に喫煙している職員はいませんか?
勤務時間中の喫煙は、職務専念義務違反となる可能性が非常に高いです。
本書においても、「特に庁舎外での喫煙は、職務専念義務の観点からも不適切な行為となる」と書かれています。
喫煙者から「仕事に集中出来ないから」という意見も聞いたことはありますが、それは言い訳でしかありません。
そのため、住民からの信頼を守るためにも、喫煙については、気をつけるようにしましょう。
まとめ
今回は、『「義理チョコ」はセーフですよね?こんなときどうする?地方公務員のコンプライアンス』の感想について、ご紹介しました。
本書は、公務員倫理上判断の難しい事例について、基礎知識から具体的な事例まで、Q&A形式で丁寧にまとめられた1冊でした。
日常的に気になるコンプライアンスのアレコレが、とてもわかりやすく解説されていました。
私たち地方公務員は、自分たちの身は自分で守らなければいけません。
「やってはいけないこと」を知ることで、自信を持って、正しく恐れながら働くことに繋がるでしょう。
ぜひ本書を手元に1冊置いておき、地方公務員として働く上でのコンプライアンスを意識しながら過ごしてみてください。