「地方公務員は、運転免許が必要ですか?」
「運転免許は持っているけれど、ペーパードライバーです。」
「公用車で事故を起こしたら、どうしよう。」
地方公務員志望の学生からよく聞かれる質問の一つに、運転免許の必要性があります。
結論として、所属する自治体の交通の利便性や業務上の必要性を考慮した上で、ご自身で運転免許取得の判断となるケースがほとんどです。
私は、都道府県と市町村の仕事を通じて様々な自治体の現場を見る中で、運転免許の必要性については一定理解しているつもりです。
では、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、地方公務員の仕事に運転免許は必要なのかについて、ご紹介します。
地方公務員が仕事上で運転する「公用車」を知る!
まずは、地方公務員が仕事で運転する「公用車」について、知っておきましょう。
仕事で自家用車を運転することは、ほとんどの自治体において基本的にはあり得ないと思っていただいて大丈夫です。
「公用車」とは?
公用車は、「公」務に「用」いる「車」です。
基本的に、仕事中における車の運転は、全て「公用車」となります。
また、公用車は、乗用車や軽自動車、特殊車両など、用途によって車種も様々です。
私は仕事上で、以下のような公用車を運転したことがあります。
- 乗用車
- 軽バン
- 軽トラック
保険は自治体が加入している!
次に、車の運転をする上で心配となる「保険」についてです。
保険には、基本的に自治体が加入しています。
公用車管理部署において、予算が計上されているはずです。
そのため、保険に関しては、そこまで気にする必要もないでしょう。
気になる方は、入庁後に先輩職員や公用車管理部署に確認してみてください。
運転免許が必要かどうかは、自治体の規模や所属する部署により異なる!
地方公務員における運転免許の必要性は、自治体規模や所属する部署により異なります。
ここでは、都道府県と市町村の両方の立場を経験した私だからこその視点で、お伝えさせていただきます。
都道府県では、運転免許が必要な場面は全体的に少ない!
まずは、都道府県の場合です。
結論として、都道府県は、運転免許が必要な場面は全体的に少ないと思われます。
その理由として、大きく2つあげられます。
- 国と市町村の間に入るような事務仕事が多い!
- 都道府県庁周辺は公共交通機関が整備されている!
もちろん、土木職などの現場仕事や出先機関においては、公用車に乗ることも多々あります。
しかし、一般事務職であれば、公用車に乗る機会もほとんどないでしょう。
市町村は自治体の規模や所属する部署によるが、運転免許を持っておくことを推奨!
次は、市町村の場合です。
市町村の場合は、自治体規模や所属する部署によって大きく左右されますが、一般事務職においては、都道府県よりも必要な場面や仕事は多いです。
業務においても都道府県よりも現場に出る仕事は多いため、私は運転免許の取得を推奨しています。
- 住民による通報
- クレーム対応
- 現場の立ち合い
- 住民説明会
- イベントでの搬入出など
また、普段公用車に乗らない職場であったとしても、災害時などの動員業務で乗ることも多々あります。
もしもの際に運転できるためにも、運転免許を持っておいてはいかがでしょうか?
職員採用試験の要件で運転免許が必要なこともある!
次は、そもそも職員採用試験の必須要件かどうかです。
「運転免許の有無は、公務員試験の受験資格ではない。」と、私は思っていました。
しかし近年では、運転免許を受験の資格要件としている自治体もあるようです。
おそらく理由としては、災害時などの緊急対応を想定しているだけでなく、多くの部署で日常的に公用車を運転する機会が多いためです。
面積が広い自治体や地方の自治体ほど、この資格要件が見受けられる傾向にあります。
ペーパードライバー地方公務員の移動方法とは?
では、ペーパードライバーの地方公務員は、日頃の仕事では、どのように移動しているのでしょうか?
ここでは、大きく2つのパターンをご紹介します。
運転が得意な人に任せる!
まずは、運転が得意な人に任せる方法です。
公用車を運転する時には、職場の同僚や身近な先輩に運転をお願いしています。
所属部署内で「ペーパードライバー宣言」をしておくことで、周りの人たちが助けてくれることもあるでしょう。
そのため、自分自身の身を守るためにも、恥ずかしがらずにきちんと声に出すことが大切なのかもしれません。
しかし、それでも公用車を運転する場面はどこかであります。
もしもの可能性に備えて、ペーパードライバーは卒業しておいた方が良いでしょう。
公共交通機関や自転車を駆使する!
次は、公共交通機関や自転車を駆使する方法です。
簡単に言えば、電車やバスを使うことです。
自治体によっては、電動自転車などによる移動も考えられるでしょう。
車の運転が苦手であれば、無理にリスクを背負って運転する必要はありません。
公共交通機関や自転車が使えるような場面であれば、積極的に活用しましょう。
地方公務員は自家用車を所有した方が良いのか?
地方公務員志望の学生からよくある質問として、「地方公務員は、自家用車を所有すべきか?」があります。
最後に、その内容について少し触れておきたいと思います。
必要がなければ自家用車を所有しなくても良い!
まずは、必要がなければ自家用車を所有しなくても良いことです。
自家用車を所有する大きな判断基準として、「通勤・退勤に必要か?」と「日常生活に必要か?」の2つが考えられます。
どちらも特に必要のない環境であれば、無理に自家用車を所有する必要もないでしょう。
また、近年では、カーシェアリングなどのサービスも存在します。
このようなシェアリングサービスを利用できる環境が身近にあれば、特に所有しなくても困ることはないと思います。
自家用車の所有にもお金がかかることを理解しておく!
次は、自家用車の所有にもお金がかかることを理解しておくことです。
自家用車を所有する判断として、「お金」の問題もあります。
自家用車を所有すると、固定経費として以下のお金が生じます。
- 税金(自動車税など)
- 車検代
- ガソリン代
- 駐車場代など
また、車をローンで購入する場合は、ローンの費用も考える必要があります。
支払いに無理が生じると日常生活が苦しくなるかもしれませんので、他の使い道を含めて、一度給料の使い道を整理してみるところから始めてください。
まとめ
今回は、地方公務員の仕事に運転免許は必要なのかについて、ご紹介しました。
地方公務員において運転免許が必要かどうかは、一概に断定出来るものではありません。
私は、課税課時代と大阪府庁出向時代はほとんど公用車に乗りませんでしたが、都市魅力課や商工観光課に配属されてからは、週に数回乗っています。
そして、私はこれからの時代を鑑みても、運転免許を持っておいた方が良いと思います。
地方公務員志望の学生のみなさんは、本記事を一つの参考にしていただき、志望する自治体の交通の利便性や業務の幅などを調べてみてください。