「オンラインセミナーって、どのように開催すればいいの?」
「セミナー講師とは、どのような調整が必要なの?」
私は、コロナ禍以前より、数多くのオンラインセミナー・勉強会の主催をしています。
過去に主催したオンラインセミナー・勉強会の回数を数えると、2020年1月から2021年12月末までの2年ほどで合計100回を超えていました。
この100を超える私の経験ベースではありますが、講義型オンラインセミナーの主催におけるノウハウを簡潔にまとめてみました。
では、どのようなノウハウなのでしょうか?
今回は、地方自治体のイベント担当者が「講義型オンラインセミナー主催者」になる時に準備すべきことについて、ご紹介します。
なお、本記事の最下部には、『講義型オンラインセミナー(Zoom)主催者準備チェックリスト』のファイルもアップロードをしていますので、ご参考にしてください。
セミナー主催者の準備
まずは、セミナー主催者の準備です。
セミナー主催者は、目的やターゲットを明確にするだけでなく、機材、Zoomの設定などの様々な準備が必要となります。
セミナー開催決定及び講師依頼の前に行うこと!
最初は、セミナー開催決定や講師依頼の前に行うことです。
セミナー開催決定にあたり、以下の2つをきちんと整理しておきましょう。
- セミナーを開催する目的
- セミナーに来てほしいターゲット
セミナー主催に関わる人たちにおける「目的」と「ターゲット」の共通認識は、とても重要です。
「何のために開催するのか?」や「誰に参加してほしいのか?」をきちんと問い直し、セミナー開催の本質を考えてみるところから始めてみてください。
セミナー講師の事前調整後に行うこと!
次は、セミナー講師の事前調整後に行うことです。
以下の4つの準備を行ってみましょう。
- PC端末の確保(可能であれば予備機含め複数準備)
- Zoomホストアカウント準備とルーム作成(最大人数確認)
- セミナー当日用の会場確保(最低条件:雑音なし・回線安定)
- セミナー開催案内と申し込み方法・参加者募集範囲等の素案作成
簡単にまとめると、当日の主催者用の配信機材と会場の確保です。
特に、配信を行うための部屋は、「雑音が入らない」と「回線が安定している」が最低条件となります。
そのため、「そもそもどこで出来るのか?」をきちんと確認した後に、早々に仮押さえをしておくと良いのかもしれません。
▼参考:Zoomミーティングルームの設定のポイント
1.【ルーム作成時】セキュリティ強化のため、必ず「パスワード」を設定する。
2.【ルーム作成時】「エントリー時に参加者をミュート」にチェックを入れる。
3.【ルーム作成時】「待機室」を有効にする。
4.バーチャル背景を設定する。(必ず行う必要はない)
5.画面共有の権限を参加者全員にする。
セミナー当日までに行うこと!
次は、セミナー当日までに行うことです。
主に、当日を想定した以下の内容となります。
- 役割分担(①司会、②待機室・ミュート・撮影等、③ブレイクアウトルーム)
- Zoomの操作確認(画面共有やブレイクアウトルームなど)
- 当日機材を使用する会場でZoom接続テスト(当日URLを使用しないよう注意)
特に、Zoomの接続テストは非常に重要です。
回線安定性やマイクの音量・ノイズ、カメラの明るさ、スピーカーなどを丁寧に確認しましょう。
そして確認が終わったら、セミナー当日も同様の準備を行うことを意識してください。
セミナー講師との調整
次は、セミナー講師との調整です。
セミナー講師との調整は、とても丁寧に行う必要があります。
作業的な対応・調整を行わずに、”人”と”人”としてのコミュニケーションを意識して行うことが大切なポイントです。
セミナー開催決定の前に行うこと!
最初は、セミナー開催決定の前に行うことです。
主に、セミナー開催をするために必要なコミュニケーションをとるイメージです。
- セミナー開催の目的共有と講師依頼(講師謝礼要調整)
- セミナー当日にお話してもらうテーマと必要な時間の確認
- 参加者へ聞いておくことはあるか?(事前アンケートの有無)
特に、セミナー開催の目的をきちんとコミュニケーションを取りながら共有することで、セミナー講師も資料を作成したり話をする方向性が定めやすいでしょう。
セミナー講師とのコミュニケーションが不足していると、セミナーの趣旨からズレてしまう可能性があり、参加者の満足度が低くなってしまう可能性もあります。
そのため、セミナー講師とは、丁寧に、かつ、想いをきちんと伝えるコミュニケーションを意識してみましょう。
セミナー開催の案内をする前に行うこと!
次は、セミナー開催の案内をする前に行うことです。
セミナー開催を案内する前に、セミナー講師に以下の内容を確認してもらいましょう。
- セミナー申し込みページの公表日時
- セミナー申し込みページのサムネイル画像
- セミナー申し込みページの案内文章
- 講師プロフィール
特にセミナー申し込みページは、参加者がセミナーの情報に触れる非常に重要なものです。
セミナー講師ときちんと内容を確認したうえで、丁寧に仕上げるようにしましょう。
そして、セミナー講師においても、セミナー申し込みの案内における情報拡散の協力をお願いしましょう。
セミナー当日までに行うこと!
次は、セミナー当日までに行うことです。
セミナーをより良いものにするためにも、細かいレベルの事前確認を行いましょう。
具体的に私が実践している内容を、以下へ列挙しておきます。
- セミナー当日のタイムテーブル作成と共有
- スライド等の画面共有は、ご自身で行うのか?
- スライドデータを事前にいただくことは可能か?
- セミナー終了後にスライドデータを参加者へ共有して良いか?
- セミナーは録画しても良いか?
- 録画したセミナーを参加者へ共有して良いか?
- セミナーでブレイクアウトルームを使用するか?
- 参加者へのお願いはあるか?(名前の設定など)
- 質疑応答をどのように対応するか?(随時、講義後、後日など)
様々な内容がありますが、これらの内容をきちんと整理しておくことで、セミナー当日に「どうしよう?」と慌てることはなくなるでしょう。
一つひとつ丁寧に確認して、調整すべき内容をクリアにしてきましょう。
セミナー開催の直前に行うこと!
次は、セミナー開催の直前に行うことです。
セミナー講師に対して、必要な情報の共有をきちんと行うようにしましょう。
私が実践していることは、主に以下の2つです。
- 約1週間前:参加者名簿の共有とZoom URLの案内
- 当日の朝:セミナー開催の事前お礼とZoom URLの案内
セミナーの講師をするような人は、だいたい他の案件と並行して調整が進んでいます。
そのため、セミナー講師に寄り添った案内をするためにも、丁寧さを心がけてみてください。
セミナー終了後に行うこと!
次は、セミナー終了後に行うことです。
セミナーが終わった後は、セミナー講師の方にスピード感のあるコミュニケーションをしましょう。
- セミナー講師のお礼
- セミナーを受講した感想
- 講師謝礼などの支払い関係
- アンケート集計の共有
セミナー終了後は、講師の方に「またぜひ一緒にしたい」と思ってもらえるかどうかの非常に大切なタイミングです。
特に、セミナー講師は、フィードバックや感想を求めていることが多いため、セミナーを受講した参加者の感想を早めに提供することを意識してみてください。
セミナー参加者の募集と管理
最後は、セミナー参加者の募集と管理です。
セミナー参加者の募集と管理を行うことは簡単ではありませんが、少しでもみなさんのヒントになれば幸いです。
セミナー開催準備の完了後に行うこと!
最初は、セミナー開催準備の完了後に行うことです。
ここで行うことは、セミナー開催及び申し込み公表・案内です。
セミナー開催の案内に必要な情報は、以下をご参考にしてください。
- セミナー名
- オンラインセミナー開催日時
- テーマと概要紹介
- 講師プロフィール文と写真(別添でも可)
- 参加方法
- 参加費用
- 参加への申し込み方法
- 問い合わせ先
これらの情報を公表することで、参加者は正しい情報を持ってセミナーの申し込みを行うことができます。
セミナー名の工夫や概要・スケジュールなどの具体的な情報開示などをすることで、セミナーをより魅力的に感じてもらうことができるでしょう。
セミナー受付の完了後に行うこと!
次は、セミナー受付の完了後に行うことです。
セミナー受付の完了後には、受付完了メールの送信を行いましょう。
受付完了メールには、以下のようなことを意識してください。
- 全身全霊のお礼
- 参加者がワクワクするようなこと
受付完了メールは、参加者のセミナー当日へのモチベーションアップのチャンスです。
ここでは、行政的なメール対応をする必要ありません。
利用する申し込みシステムによっては自動返信の設定も可能ですが、想いを乗せた文章を意識したメール送信を行うようにしましょう。
セミナー開催の直前に行うこと!
次は、セミナー開催の直前に行うことです。
参加者に対して、こまめに連絡を行うようにしましょう。
私が実践していることは、主に以下の2つです。
- 約1週間前:セミナー当日のZoom URLと事前資料の案内
- 当日の朝:リマインドメール・接続がうまくいかない際の連絡先などの送信
オンラインセミナーが増えている近頃は、申し込みだけをして参加しない人も多いです。
そのため、こまめなコミュニケーションを行うことが、当日の参加者を増やすために大切だと言えるでしょう。
また、必要以上に連絡をすることは逆効果になることもあるので、注意が必要です。
セミナー終了後に行うこと!
次は、セミナー終了後に行うことです。
セミナーが終わった後は、ファンをつくるために非常に重要な動きとなります。
- セミナー参加のお礼
- 資料やアンケート等の送付
セミナーが終了した後は、参加者に対して何もアプローチがないセミナーも多くあります。
しかし、たった一言であってもお礼の言葉があるかないかで、ファンの付き方は変わります。
最後にもう一苦労をして、セミナー主催者としての信頼を増やしていきましょう。
オンラインセミナー主催のちょっとしたコツ!
最後に、オンラインセミナー主催のちょっとしたコツをご紹介します。
様々な工夫をしてきましたが、以下の内容をするだけでも結構変わると私は思いました。
- 当日スケジュールでは余白を作っておく!
- チャットを自由に活用してもらうためのアイスブレイクを冒頭に入れる。
- ミュートのオンオフの練習をする。
- 質問がある場合は、チャット投稿の頭に【質問】とつけてもらう。
特に、スケジュールの余白は非常に重要です。
セミナー講師の登壇時間が延びたり、質疑応答が盛り上がる、また、セミナー講師がインターネット接続不良で落ちてしまうなどの想定できないようなトラブルも稀に起こります。
そのため、少しでも良いので、余白を持たせた余裕のあるスケジュールを組んでみてください。
私がよく行っている当日スケジュールの一例を提示しておきます。
・13:30:主催者及び登壇者との最終確認(15分間)
・13:45:参加者入室許可・待機室対応(15分間)
・14:00:セミナー開始・趣旨説明・講師紹介(5分間)
・14:05:講師からのお話(90分間)
・15:35:参加者からの質疑対応(15分間)
・15:50:クロージング(写真撮影やアンケート案内)・講師挨拶(10分間)
・16:00:セミナー終了
まとめ
今回は、地方自治体のイベント担当者が「講義型オンラインセミナー主催者」になる時に準備すべきことについて、ご紹介しました。
実際は、各オンラインセミナーの開催事情により、多少準備する内容は異なります。
しかし、ほとんどの講義型オンラインセミナーにおいて同じような開催方法になると考えられますので、私の経験がベースとなりますが、地方自治体のイベント担当者や自主研・各種コミュニティ運営者の役に立てば嬉しく思います。
なお、以下に『講義型オンラインセミナー(Zoom)主催者準備チェックリスト』のファイルやイベント司会進行に関する記事などを整理していますので、ご参考にご覧ください。
また、本記事及び本チェックリストは、完全オンライン開催のものです。
ハイブリッド型での開催の場合は、他にも様々な環境整備と準備物品が必要となるのでご注意ください。
▼『講義型オンラインセミナー(Zoom)主催者準備チェックリスト』はこちら!
▼以下の記事もご参考にご覧ください!