地方公務員ブロガー 納 翔一郎~富田林INFORMATION×WORK×LIFE~

【2022.12.28更新終了】地方公務員のこと、富田林市のこと、公務員本の読書記録などを書くブログです。

【読書記録】『自治体職員のための市民参加の進め方』

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2022年2月18日に、学陽書房から『自治体職員のための市民参加の進め方』が出版されました。

本書は、市民参加型の事業を進める手順とコツ、そして、地方公務員として大切な市民との関係構築の方法などがまとめられた1冊です。
特に近年は、様々な分野において「市民参加」や「市民協働」が大切と言われているため、全ての地方公務員に役立つでしょう。
私も市民参加に係る業務を行った経験がありますが、本書は共感と納得ばかりでとても勉強になりました。

では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『自治体職員のための市民参加の進め方』の感想について、ご紹介します。

本書の概要と感想!

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自治体職員のための市民参加の進め方』(著者:安部 浩成 氏)
2022年2月18日発売

安部 浩成(あべ ひろしげ)
千葉市総務局情報経営部長。1993年千葉市役所に入庁。総務課、政策法務課、行政管理課、中央区税務課、保健医療課、障害者自立支援課、都市総務課、教育委員会企画課を経て、人材育成課長補佐、業務改革推進課行政改革担当課長、海辺活性化推進課長、中央図書館館長などを歴任。2021年より現職。厚生省(当時)や千葉大学大学院、市町村職員中央研修所(公益財団法人 全国市町村研修財団)への派遣経験を有する。研修所では教授として、講義や研修企画等を通じた人材育成に携わる。主な著書に『はじめて部下を持ったら読む 公務員のチームマネジメント』(2020年、学陽書房)『仕事がうまく回り出す! 公務員の突破力』(2020年、ぎょうせい)がある。雑誌寄稿は「新任昇任・昇格者の行動力」(『月刊ガバナンス』2020年3月号、ぎょうせい)他多数。人材育成と行政改革がライフワーク。趣味は旅とフィットネス。

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本書に書いていること!

まずは目次を確認してみましょう。

  • 第1章:最初におさえるべき市民参加のきほん
  • 第2章:担当者の心構えとスキル
  • 第3章:市民参加の進行のポイント
  • 第4章:市民参加の手法とその特徴
  • 第5章:市民との関係づくりのポイント
  • 第6章:市民参加がもたらす効果

本書は、市民参加型の事業を進める手順とコツ、そして、地方公務員として大切な市民との関係構築の方法などがまとめられた1冊です。
自治体職員と市民に係る基礎から実践まで、とても整理されてわかりやすい内容となっています。

特に、市民との関係づくりのポイントは、多くの地方公務員の役に立つでしょう。
市民参加の効果をきちんと理解することもできるので、多くの人におすすめしたいです。

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本書を読んだ私の感想!

本書を読んだ私の感想は、「全ての地方公務員に必ず読んでほしい1冊」でした。

まちづくりや事業は、市民の声を聞きながら市民と共に進めていくべきものだと私は考えています。
その理由は、行政が自席や会議室で考えたものは、どうしても「机上の空論」となってしまうためです。
そのため、市民参加は地方公務員の仕事の中に欠かせないものだという考えです。

本書内にも「市民参加は、すべての部署で、すべての職員に必須の知識。」と書かれているとおり、市民参加は市民協働部署だけのことではありません。
本書は市民参加の基礎的な考え方から実践のノウハウまでまとまっているため、ぜひ読み込んで実践に繋げてみてください。

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本書で特に私がみなさんに読んでもらいたい3つの内容!

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本書は、市民参加型の事業を進める手順とコツ、そして、地方公務員として大切な市民との関係構築の方法などがまとめられた1冊でした。
ここでは、本書で特に私がみなさんに読んでもらいたい3つの内容について、ご紹介します。

「参加」と「協働」の違い!

まずは、「参加」と「協働」の違いです。
この内容は、本書の第1章ー4に書かれています。
安部さんは、「参加」と「協働」を以下のように定義していました。

  • 参加:行政が主導する取組みに市民が参加する活動
  • 協働:解決すべき課題や達成すべき目標が共有されるときに、別主体との間で成立する、対等の関係の下で行う活動

本書では、市民参加が市民協働になるまでの9段階モデルが示されており、視覚的に市民を巻き込むステップを理解することができました。
ぜひ本書の「市民参加と協働のモデル」をご参考にご覧ください。

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市民参加は目的ではなく手段!

次は、市民参加は目的ではなく手段です。
この内容は、本書の第2章ー2に書かれています。

市民参加において、参加してもらうことが目的になってしまっている事業は多々見受けられます。
しかし、あくまで市民参加は「手段」であり、達成したい「目的」ではないはずです。
そのため、「手段」と「目的」を切り分けて考えるようにしましょう。

本書では、目的とは「市民視点に根差した地域課題の解決」と紹介しています。
そのうえで、行政側の意図の明確化の重要性を述べられています。
とても大切な考え方が詰まっていますので、必ず読んでほしい部分です。

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市民と共に汗をかく!

最後は、市民と共に汗をかくことです。
この内容は、本書の第5章ー8に書かれています。

市民との関係づくりにおいて、市民と共に汗をかくことは必然です。
本書では「共汗力」と紹介されていますが、まさにこの言葉に全て凝縮されています。
行政と市民が一つのことに同じ目線で一緒に取り組むということが大切だと、改めて感じる内容でした。

また、本書では、発言における注意点も整理されていました。
その内容を簡単に言えば、行政ではなく市民が先に発言すべきというものです。
私たち地方公務員にとってはとても重要なことがまとめられていますので、ぜひご一読をお願いします。

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まとめ

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今回は、『自治体職員のための市民参加の進め方』の感想について、ご紹介しました。

本書は、市民参加型の事業を進める手順とコツ、そして、地方公務員として大切な市民との関係構築の方法などがまとめられた1冊でした。
なぜ行政の仕事に市民を参加させる必要があるのか、そして、どのように進めていけば良いかなどが非常によくわかる内容で、多くの地方公務員の参考になるでしょう。

私たち地方公務員は、行政のためではなく市民のために仕事をしています。
その仕事を効率的で効果的に成果を上げていくためには、市民参加という観点は欠かせないです。
とても読みやすくまとめられた1冊なので、ぜひ本書を読んでみてください。

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