みなさん、地方公務員が学生から選ばれる人気職業だと知っていましたか?
様々な機関により「将来なりたい職業」に関するアンケート調査が行われていますが、いずれのアンケート調査でも地方公務員は上位にランクインしています。
地方公務員は、少しずつ職業としての人気は下がっているものだと私は感じていました。
コロナ禍前に「公務員離れ」という言葉が出ていたので、将来の住民サービスを考えると私は危機感すら覚えていました。
では、なぜ人気があるのでしょうか?
今回は、地方公務員が「学生からの人気職業」として選ばれている理由を考えてみました。
地方公務員が「学生からの人気職業」である5つの理由とは?
早速ですが、地方公務員が「学生からの人気職業」である理由を考えてみます。
様々な理由があると思いますが、今回は私が考える5つの理由をご紹介します。
給与の安定と失業リスクの低さ!
まずは、給与の安定と失業リスクの低さです。
地方公務員の給与は、毎年のように「人事院勧告」による給与の見直しは行われていますが、景気の良し悪し関係なく大きな増減がないことが特徴です。
各自治体の給与条例で示されている給料表を見ることで生涯収入も見通すことができるため、人生のライフプランも組み立てやすいです。
また、地方公務員には、失業リスクがほとんどありません。
よほどのことがない限り、現行制度上はクビ(懲戒処分)になることもないでしょう。
転勤がほとんどない!
次は転勤がほとんどないことです。
地方公務員は転勤がほとんどないため、生活の基盤を安定させることができます。
そのため、長期的な未来を見据えた人生設計を考えることが出来るでしょう。
都道府県や政令指定都市などの大都市は、転勤のような部署異動の形もあります。
しかし、市町村の部署異動においては、基本的に自治体内で行われます。
そのため、ほとんどが同じ建物の中で働くことになるでしょう。
信頼がある!
次は信頼があることです。
地方公務員は、社会的認知度があるため、職業としての信頼度は高いです。
そして、「給与の安定さ」や「失業リスクの低さ」を理由に金融機関から住宅ローンが借りやすいなど、様々な場面で地方公務員という職業のメリットを感じる場面もあります。
また、地域活動を含む様々な場においても、「地方公務員です」と一言添えるだけで信頼を得やすい一面もあります。
「親に安心してもらえる」というアンケート結果も多々見受けられることから、職業としての地方公務員には強い信頼感があるのだと想像できます。
子育てや休暇に理解がある!
次は、子育てや休暇に理解があることです。
地方公務員は、子育てや休暇に理解がある方の職業だと言われています。
もちろん、部署や季節によって休みにくい職場もあるので一概には言えません。
しかし、他職業と比べると、理解のある方だという印象が先行しているのかもしれません。
また、地方公務員は、福利厚生が整っていることも大きなポイントと言えるでしょう。
ライフサポートの手厚さが、学生に良い形で見えているのではないでしょうか。
地域に直接関われる!
最後は、地域に直接関われることです。
地方公務員の仕事は、地域や住民に直接関わった仕事がほとんどです。
そのため、地域で何かを成し遂げる志を持って地方公務員という職業を希望する学生が多いのではないかと想像しています。
私は、自分が生まれ育った街に関われる仕事がしたかったので、地方公務員を選択しました。
その結果、地域の様々な場に関わりを持ち、日々の仕事や活動に繋がっています。
地方公務員志望の学生に知っておいてほしい地方公務員の現実的なこと!
次に、地方公務員志望の学生に知っておいてほしい地方公務員の現実について、いくつかご紹介します。
きちんと現実を知ることで、理想と現実のギャップを埋めてから公務員試験に臨んでもらう方が良いと思います。
希望通りの部署で働けるとは限らない!
まずは、希望通りの部署で働けるとは限らないことです。
地方公務員志望の学生からは、「広報の仕事がしたい」「観光関係に携わりたい」などの声を聞くことがあります。
またTwitterでも、「自分が思っていた仕事と違うかった」などのギャップに苦しむ若手地方公務員の声も多く見受けられます。
まさに現実はこの通りであり、働きたい部署で働ける約束はどこにもありません。
さらに、地方公務員は人事異動が非常に多い職業でもあります。
そのため、頻繁に部署と仕事が変わることも普通です。
地方公務員になった後のギャップに苦しまないためにも、この事実をきちんと知り、地方公務員の仕事を全体的にリサーチしておくべきでしょう。
部署や季節によっては不規則な勤務もある!
次は、部署や季節によっては不規則な勤務もあることです。
ほとんど全ての地方公務員の勤務は、平日の9時から17時半などの決まった勤務時間です。
しかし、消防士はもちろん、図書館や公民館などの休日開館の施設においては、土曜日や日曜日が仕事になり、月曜日などの平日が休日になることもあります。
また、確定申告時期の税務部署や選挙前の選挙管理委員会、行楽シーズンの観光・産業部署など、季節によっては土曜日や日曜日を問わず仕事をするという部署も存在します。
そのため、一概にどの部署も全て同じというわけではないことを理解しておきましょう。
残業が全くないことはない!
次は、残業が全くないことはないことです。
地方公務員は、部署や仕事によって普通に残業があります。
特に、新型コロナウイルス感染症対策関連業務により、どの部署でも慢性的な残業が増えています。
そのため、コロナ禍においては、少し休暇が取りにくい状態かもしれません。
しかし、残業代も大切な税金です。
私たち地方公務員は、このことをきちんと理解した上で働く必要があります。
仕事は忙しいですが、これからの時代は、残業代のあり方もきちんと考えたいものです。
古い体質が根強い!
次は、古い体質が根強いことです。
簡単に言えば、仕事に対して古い考えを持つ人がまだまだ多いということです。
前例踏襲や年功序列など、言い出すとキリがないのですが、特に、働き方や考え方がなかなか変わっていません。
今でこそコロナ禍によりテレワークやデジタル化が進んできましたが、それでもなかなか現場レベルでは浸透していない感覚もあります。
現状の課題として、働き方に対して様々なギャップに苦しむ若手地方公務員はとても多いように感じています。
しかし、少しずつではありますが、確実に変化もしてきています。
先進的に新しい組織へと変化している自治体も生まれてきています。
まさに今が変革期であり、様々なことに挑戦しやすい時期かもしれません。
副業・複業は少数派!
最後は、副業・複業は少数派であることです。
地方公務員は、まだまだ副業・複業が浸透していません。
「営利企業等の従事制限」というルールがあるのです。
しかし近年は、「地域貢献」を前提に副業を認める自治体も少しずつ増えてきました。
これから地方公務員の働き方も過渡期を迎える中で、もしかしたら、副業・複業が一般的になるかもしれません。
まとめ
今回は、地方公務員が「学生からの人気職業」として選ばれている理由を考えてみました。
私は地方公務員として働くことに、とても楽しさとやりがいを感じています。
しかし、様々な課題があることも現実問題として存在します。
地方公務員志望の学生には、地方公務員の良い面ばかりではなく、悪い面ともきちんと向き合ってもらい、リアルを知ってもらった上で選択してもらいたいと思っています。
今ではオンラインで現役地方公務員と交流する機会も様々ありますので、ぜひみなさん、ご参加してみてください。