「仕事の休みは、土曜日と日曜日ですか?」
「どのような休暇制度があるのですか?」
これらの内容は、地方公務員を目指す学生から多い質問の一つです。
地方公務員の休暇制度は、自治体の定める条例により、多少異なる部分があります。
しかし、ほとんどの休暇制度に関しては、同じような制度となっています。
では、一般的には、どのような制度なのでしょうか?
今回は、意外と知られていない地方公務員の休日と休暇制度について、ご紹介します。
地方公務員の1週間の勤務時間と週休日・休日!
まずは、地方公務員の1週間の勤務時間と週休日・休日について、ご紹介します。
勤務時間は自治体により多少異なりますが、基本的な考え方は、どの自治体も変わりません。
勤務時間!
まずは、勤務時間です。
地方公務員の勤務時間は、各自治体の条例によって定められています。
そして、1日あたり7時間45分、1週間あたり38時間45分の勤務時間が、一般的です。
例えば、9時から17時半(休憩45分)の勤務という形です。
ただし、消防や警察などの24時間勤務の場合は、特殊な勤務時間となります。
週休日・休日!
次は、週休日・休日です。
地方公務員は、週休2日制です。
国家公務員に準拠する形となっており、一般的には、土曜日と日曜日、祝日が休みです。
- 週休日:日曜日及び土曜日(勤務が割振られていない日)
- 休日:祝日及び12月29日から翌年の1月3日(勤務割振りはあるが、勤務を要しない日)
行政機関の休日に関する法律(抄)
(行政機関の休日)
第一条 次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。
一 日曜日及び土曜日
二 国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
三 十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。)
(引用:行政機関の休日に関する法律)
ただし、消防や保育園、公民館など、職場により週休日が異なる場合があります。
また、週休日・休日に勤務した場合には、「振替休日」や「代休」という形で別の日を休みにすることもできます。
一般的な休暇制度である「年次有給休暇」!
地方公務員の休暇制度は、地方公務員法にて「条例に定める」とされています。
様々な特別休暇や育児休業、病気休暇などの休暇制度はありますが、まずは、一般的な休暇制度である「年次有給休暇」について、ご紹介します。
年次有給休暇とは?
まずは、年次有給休暇です。
年次有給休暇は、1年あたり20日間を超えない範囲で自由に取得できる休暇です。
前年の繰り越しも20日を超えない範囲で行うことが可能であるため、最大で40日の年次有給休暇が上限となります。
総務省「令和2年度 地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると、地方公務員の年次有給休暇の平均取得日数は、11.7日です。
平均すると、約半数は使用できているという結果になっています。
年次有給休暇は、細かい単位で取得出来る自治体もある!
次は、年次有給休暇は、細かい単位で取得出来る自治体もあることです。
参考に、富田林市の年次有給休暇の使い方としては、以下の4パターンで取得可能となっています。
- 1日休暇
- 午前休暇
- 午後休暇
- 時間休暇
特に、時間休暇を細かく使用している職員は、とても多い印象です。
このような臨機応変に休暇を活用できるため、とても使い勝手が良い休暇制度だと私は感じています。
地方公務員にある様々な休暇制度!
先程は年次有給休暇についてご紹介しましたが、他にも特定の理由により認められる休暇が多くあります。
ここでは、代表的な特別休暇の種類と夏季休暇、病気休暇、無給の休暇・休業について、ご紹介します。
代表的な特別休暇の種類!
まずは、代表的な特別休暇の種類です。
特別休暇の種類は数多くあり、代表的なものを列挙すると、以下のものがあります。
- 官公署への出頭休暇
- 選挙権等公民権の行使
- 結婚休暇
- 出産補助休暇
- 産前産後休暇
- 育児参加休暇
- 通院休暇
- 生理休暇
- 介護看護休暇
- 忌引休暇
- 災害復旧休暇
- 交通機関事故休暇
- リフレッシュ休暇
- ドナー休暇
- ボランティア休暇
- 夏季休暇 など
名称や制度の内容は、自治体によって多少の差はあります。
しかし、ほとんどの自治体では、同じような特別休暇制度となっているでしょう。
本記事において、それぞれの特別休暇の詳細な紹介は割愛しますが、ぜひ気になる特別休暇については、所属する自治体や目指している自治体の条例や規則を調べてみてください。
夏季休暇!
次は、夏季休暇です。
夏季休暇は、7月から9月までの期間内で、自由に利用できる休暇制度です。
ただし、自治体によって、休暇を利用できる期間や日数が異なります。
ただし、地方公務員に「お盆休み」という概念はありません。
そのため、夏季休暇を上手に活用して、夏の休みを調整する必要があるでしょう。
病気休暇!
次は、病気休暇です。
病気休暇は、病気や怪我の療養のために勤務することが難しい場合に利用できる休暇です。
休暇期間としては、連続で90日まで取得可能ではありますが、8日以上連続で休んだ場合、復帰後20日間以上の勤務が無ければ90日に通算されます。
また、病気休暇は、年次休暇や特別休暇とは異なり、勤勉手当や昇給などの給与面にも影響します。
そのため、病気休暇を利用する際は、給与面の影響も念頭におく必要もあると言えるでしょう。
無給の休暇・休業!
最後は、無給の休暇・休業です。
休暇・休業の中には、給与が出ない形の休暇・休業制度もあります。
例えば、以下のようなものです。
- 育児休業
- 育児部分休業
- 育児短時間勤務
- 介護休暇
- 介護時間 など
ただし、無給であったとしても、共済組合より手当金が出ることもあります。
詳しい手当金の制度については、各都道府県の共済組合の公式ウェブサイトで確認すると良いでしょう。
まとめ
今回は、意外と知られていない地方公務員の休日と休暇制度について、ご紹介しました。
みなさんは、休日や休暇制度について、どれだけ知っていましたか?
休暇制度の充実は、地方公務員の待遇の良さにおける一つの要因と言えるでしょう。
特に、地方公務員の場合は、各自治体の裁量・条例化により、様々な休暇制度が用意されています。
ぜひみなさんも、所属する自治体・目指している自治体の休暇制度について、調べてみてください。