「SDGsは、どこから手をつければ良い?」
「SDGs担当部署だけが実践すれば良いのではないか?」
「SDGs」という言葉は知っているが、実際の中身や起こすべき行動を理解している地方公務員は少ないように、私は感じています。
その理由は、SDGsを「他人ゴト」として捉えていることが主な要因だと考えています。
私は様々な場で冒頭のような質問を受けることがあるのですが、まずは「自分ゴト」とするために実践したい行動について、お話しています。
では、それはどのようなことでしょうか?
今回は、SDGsに取り組むための最初の動き方として、地方公務員が実践すべき3つのことについて、ご紹介します。
そもそもSDGsとは?
みなさんはSDGsについて、どの程度ご存知でしょうか?
ここでは、SDGsの概要とゴールについて、簡単にご紹介します。
SDGsの概要!
まずは、SDGsの概要です。
SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月に国連サミットにより採択された「持続可能な開発目標」です。
2030年までの達成目標として、17のゴールと169のターゲットが提示されています。
SDGsの前身であるMDGs(Millennium Development Goals)が2015年に達成期限を迎え、同目標の一部は継続しつつ達成を目指します。
それと同時に、「誰一人取り残さない社会」をテーマに、全世界で課題解決を目指すものです。
SDGsの目標を達成するためにも、世界中の人々が課題を認識し、ゴールに沿った行動を起こしていくことが求められているのです。
SDGs17のゴール!
次は、SDGs17のゴールです。
SDGs17のゴールは、以下の通りです。
「どのようなゴールがあるのか?」の全体像を、確認してみてください。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも 経済成長も
- 産業と技術革新の基礎をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
自治体がSDGsを取り組む意味とは?
全国の自治体においてSDGsの取り組みが進められていますが、そもそも何故SDGsに取り組むのでしょうか?
ここでは、自治体がSDGsを取り組む意味について、ご紹介します。
地方創生を推進するため!
まずは、地方創生のためです。
地方創生には、東京一極集中の是正や地方の暮らし・環境づくり、経済活性化など、様々な地域・社会課題解決の目標があります。
目標達成のための取り組みの結果、住民が安心して住み続けられるまちづくりの実践となり、住民の生活の質(Quality of Life)の向上が期待されているものです。
そして、SDGsには、「誰一人取り残さない社会」「持続可能な目標」など、住民が安心して生活ができるまちづくりという地方創生と共通の要素を持ち合わせています。
そのため、地方創生を推進するためにも、SDGsを活用する取り組みが進められているのです。
住民や地域事業者へのインフルエンサーとなるため!
次は、住民や地域事業者へのインフルエンサーとなるためです。
地方公務員は、世界や国などの取り組みや方針・メッセージなどを、住民や地域事業者へ伝える「ハブ」となる役割と責任を持っています。
この内容は、SDGsに限った話ではなく、どの分野の仕事においても意識を持つことが大切です。
住民や地域事業者が自発的にSDGsを取り組むことは、とても難しいです。
SDGsの概念を広げていくためにも、私たち地方公務員は「ハブ」という自覚を持ち、率先してSDGsの取り組みを行うことが求められています。
【参考】SDGs未来都市
最後は、SDGs未来都市です。
SDGs未来都市とは、自治体SDGs施策の一環として、SDGs達成への優れた取り組みを提案した自治体を選定する国の事業です。
以下の4項目を基準としており、2022年度現在においては、154都市が選定されています。
- 将来のビジョン
- 自治体SDGsの推進に資する取り組み
- 推進体制
- 自治体SDGsの取り組み実現可能性
また、SDGs未来都市の中でも特に先進的な取り組みを行なっている自治体の事業として、「自治体SDGsモデル事業」の選定についても行われています。
2022年度現在においては、50事業が選定されています。
地方公務員がSDGsを取り組むにあたり行動すべき3つのこと!
ここまでSDGsに関する紹介をしてきましたが、私たち地方公務員はSDGsの取り組みとして、まずどのようなことを行えば良いのでしょうか?
ここでは、地方公務員がSDGsを取り組むにあたり行動すべき3つのことについて、ご紹介します。
今の仕事のSDGsゴールを知る!
まずは、今の仕事のSDGsゴールを知ることです。
私たち地方公務員は、普段の仕事の中で既に何かしらのSDGsに取り組んでいます。
そのため、今担当している仕事が、SDGsのどのゴールに当てはまるのかを確認し、地方公務員自身がSDGsを「自分ゴト」として捉えることが大切となります。
そして、いきなりSDGsの全てのゴールやターゲットを覚える必要はありません。
「SDGsのゴールは、普段の仕事と密接に関わっている」という認識ができれば、最初の行動としては十分でしょう。
SDGsを軸に考えてみる!
次は、SDGsを軸に考えてみることです。
SDGs17のゴールと169のターゲットは、私たちの普段の仕事と重なる部分が多くあります。
そのため、SDGsを軸に仕事を捉え直すことで、強み・弱みや課題発見、課題解決、政策立案に繋がるかもしれません。
また、SDGsを軸に仕事を再定義してみることで、他自治体や世界の情報を知るきっかけにもなります。
その結果、地方公務員としての視野が広がり、自己の成長にも繋がるでしょう。
様々な人を巻き込む!
最後は、様々な人を巻き込むことです。
SDGsの取り組みは、自治体だけで取り組むことは出来ません。
市民や地域事業者、民間企業など、幅広い人たちを巻き込み連携することが、必要不可欠です。
SDGsのゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」があるように、それぞれの人や組織が持つ「強み」を活かし合うことが大切となります。
そのためにも、地方公務員がハブの存在となり、市民や地域事業者、民間企業などの幅広いプレイヤーと課題解決や地域活性化を目指してみましょう。
まとめ
今回は、SDGsに取り組むための最初の動き方として、地方公務員が実践すべき3つのことについて、ご紹介しました。
私たち地方公務員は、既に仕事の中で、SDGsを取り組んでいます。
そのため、一番最初にすべきことは、このことを自認して「自分ゴト」とすることなのです。
いきなり「SDGsを推進しよう」と言われると難しいかもしれませんが、まずは、「自分ゴト」を軸に、少しずつ広げてみてください。
本記事を一つの参考に、みなさんの明日の一歩へ繋がることを願っています。