2022年9月13日に、公職研から『自治体職員のためのナッジ入門 どうすれば望ましい行動を後押しできるか?』が出版されました。
本書は、自治体政策にナッジを取り入れるための基礎知識と手法がまとめられた1冊です。
ナッジを実践するためのポイントや全国各地の汎用性のある実例など、内容がとてもわかりやすく整理されています。
私たち地方公務員の読者目線に近い、ナッジを実践している現役地方公務員たちの執筆であるため、共感できることや真似できることも多いでしょう。
では、本書にはどのようなことが書かれているのでしょうか?
今回は、『自治体職員のためのナッジ入門 どうすれば望ましい行動を後押しできるか?』の感想について、ご紹介します。
本書の概要と感想!
『自治体職員のためのナッジ入門 どうすれば望ましい行動を後押しできるか?』(特定非営利活動法人Policy Garage 編)
2022年9月13日発売
特定非営利活動法人Policy Garage
横浜市行動デザインチーム(YBiT)のメンバー中心に、2021年1月に設立されたネットワーク型のNPO法人。人を中心とする効果的な政策を創り、よりよい社会づくりに貢献するため、ナッジ等の行動科学、デザイン思考、データ・エビデンスに基づく政策(EBPM)の普及を行う。YBiTから通算して、月例研究会40回、研修・講演・講義130件、事例支援80件等を実施(2022年6月現在)。自治体・省庁職員、公共意識の高い民間や大学の専門家や学生などが参加。
本書に書いていること!
まずは目次を確認してみましょう。
- 第1章:ナッジとは?
- 第2章:ナッジの組み立て方
- 第3章:ナッジの活用事例
- 第4章:ナッジの価値と展開方法
- 第5章:ナッジの限界と他手法との組み合わせ
- 第6章:ナレッジシェアが拓く自治体政策の未来
本書は、自治体政策にナッジを取り入れるための基礎知識と手法がまとめられた1冊です。
ナッジの活用ステップやポイント、実例など、どの部署でも役に立つナッジを活かした仕事術が書かれていました。
また、ナッジは、特定の部署だけで活用するものではなく、どの部署に所属したとしても役に立つポータブルスキルです。
地方公務員目線でとてもわかりやすく内容が整理されていますので、ぜひ手に取って読んでみてください。
本書を読んだ私の感想!
本書を読んだ私の感想は、「自治体政策にナッジを落とし込むイメージが湧いた」でした。
今まで私にとって「ナッジ」は漠然としか理解しておらず、どのように活かせば良いかイメージが湧いていませんでした。
しかし、本書に書かれているナッジの組み立て方や活用事例を通して、どのような方法で活かせるかの想像が出来るようになりました。
本書を通じて、ナッジの知識と手法を身につけて実践へ移すことで、間違いなく住民サービスの向上へ繋げることができるでしょう。
そのため、一人でも多くの地方公務員に読んでいただき、一人でも多くの実践者が増えたら良いなと感じました。
本書で特に私がみなさんに読んでもらいたい3つの内容!
本書は、自治体政策にナッジを取り入れるための基礎知識と手法がまとめられた1冊でした。
ここでは、本書で特に私がみなさんに読んでもらいたい3つの内容について、ご紹介します。
ナッジの定義・特徴!
まずは、ナッジの定義・特徴です。
これは、第1章に書かれている内容です。
「ナッジとは?」と思った人は、まず定義と特徴を理解しましょう。
本書では、以下のように書かれています。
ナッジ(nudge)とは「人々の選択肢を奪うことなく、環境を整えることで、本人や社会にとって望ましい行動をするようにそっと後押しする手法」と定義されています。
私たち地方公務員にとって一番共通の身近なナッジは、通知やチラシ、メール、ウェブサイトなどでの活用です。
これら以外の様々な分野や場所においても誰もが活用できる手法であるため、まずは一人でも多くの地方公務員に、本章を通じて「ナッジ」を知ってもらえたら良いなと思います。
ナッジの活用事例!
次は、ナッジの活用事例です。
これは、第3章に書かれている内容です。
ここでは、汎用性の高い9つの事例とナッジ活用の3ステップを踏まえた3つの事例、合計12の具体的な事例が紹介されています。
事例概要やナッジのポイント、実際のデザインや写真などがわかりやすく掲載されているため、ナッジの具体的なイメージが湧きやすいでしょう。
そして、まずは今回紹介されている事例を、徹底的にパクるところから始めてみてはいかがでしょうか?
良い事例は積極的に取り入れて、少しでも課題解決や住民サービスの向上へと繋げていきましょう。
自治体職員とナッジ!
最後は、自治体職員とナッジです。
これは、第4章に書かれている内容です。
地方公務員は、どの部署に在籍したとしても、住民の行動変容を求める仕事が数多くあります。
そのため、本書では「異動しても使えるスキルとしてのナッジ」として、ナッジスキルの取得を推奨しています。
また、政策自体もナッジの視点で見直すことで、様々な改善に繋がるでしょう。
私たち地方公務員一人ひとりがナッジを少しでも意識するだけで、もしかしたら社会は少しずつでも良くなっていくのかもしれません。
まとめ
今回は、『自治体職員のためのナッジ入門 どうすれば望ましい行動を後押しできるか?』の感想について、ご紹介しました。
本書は、自治体政策にナッジを取り入れるための基礎知識と手法がまとめられた1冊でした。
ナッジの考え方や活用方法、そして、どの自治体でも真似ができる12の実例は、とても実践に活かせる内容となっているでしょう。
また、ナッジは、どの部署に所属しても活きるポータブルスキルでもあります。
私たち地方公務員一人ひとりがスキルとしてナッジを習得し、各部署での課題解決や住民サービス向上のためにも、ぜひ本書を読んでみてください。