皆さんは、「◯◯一」や「◯◯初」を意識して仕事をしていますか?
自治体業務の中でも、企画部局や産業部局などの事業部署は、話題に取り上げてもらうために意識したいポイントでもあります。
しかし、日本一や日本初を狙う際には、考慮しておきたいこともあります。
それは、「日本一は失う肩書き、日本初は一生残る肩書き」ということです。
では、「日本一」と「日本初」には、どのような違いがあるのでしょうか?
今回は、地方公務員が知っておきたい「一番」より「初めて」が良い理由について、ご紹介します。
「一番」はいつか失う肩書き!
何かの物事における「一番」という肩書きは、一時的なものです。
いつの間にか二番になり、いつか失う肩書きとなります。
ここでは、わかりやすい事例を紹介します。
超高層ビル日本一の戦い!
まずは、 超高層ビル日本一の戦いです。
大阪府にある「あべのハルカス」は、2014年に完成した日本一高い超高層ビルです。
横浜ランドマークタワーの296mの記録を21年ぶりに更新して、300mの高さを誇ります。
しかし、現在、東京都港区に330mの超高層ビルが2023年に建設予定です。
つまり、「あべのハルカス」は、10年も経たない間に日本一高い超高層ビルの肩書きを失うことになるのです。
更に、2027年には、三菱知所が390mの超高層ビルを建設することも発表しています。
自治体の施策も抜いて抜かれて!
次は、自治体の施策で考えてみます。
自治体の施策において、もしも「日本一」になったとしても、すぐに追いつかれて抜かれるという光景をよく見かけます。
他の自治体で議会の承認を経て予算がつき執行すれば、すぐに他の自治体に肩を並べられる、もしくは、抜かれるのです。
つまり、「施策の日本一」は、一時的なものということです。
日本一から陥落して二番手、三番手となれば、プロモーション力としては一気に弱くなるでしょう。
「初めて」は一生残る肩書き!
何かの物事における「初めて」という肩書きは、一生残る肩書きとなります。
例え、その物事における二番手や三番手になったとしても、「◯◯初!」ということはずっと言えるのです。
どのような「初めて」があるのか?
まずは、どのような「初めて」があるのかを確認します。
「初めて」は、どのようなレベルの内容でも良いです。
例えば、以下のようなものがあります。
- 世界初
- アジア初
- 日本初
- 関西初
- 近畿初
- 大阪初
- 南河内初
- 令和初 など
例えば、「日本初」のイベントを開催したとします。
おそらく、そのイベントは模倣され、二番手、三番手と同様のイベントが全国各地で始まるでしょう。
しかし、このような状態でも「日本初」という事実が変わることはありません。
むしろ、同様のイベントが盛り上がれば盛り上がるほど、「日本初」の付加価値が高まります。
つまり、先駆的事例となる「初めて」は、ずっと言い続けることができるのです。
【事例】富田林テレビ
次は、私が実践した事例でもある「富田林テレビ」をご紹介します。
私は、シティプロモーション担当時代に、自治体では初となるインターネット"生"配信番組「富田林テレビ」を公民連携により開局しました。
様々なWEBサイトやYoutubeチャンネルを確認しましたが、自治体による毎月定例の"生"配信番組は初めてのことでした。
その後、数多くのお問い合わせと視察を受けて、今では大阪府内を中心に多くの自治体で真似されました。
このように先駆的な事例は、いつまでも変わることなく「初めて」の自治体として紹介することができるのです。
一時的でも「一番」を目指すことも大切!
本記事で「一番は抜かれるもの」と紹介しましたが、「一番を目指すこと」を否定するものではありません。
むしろ、「一番」を目指すことも、非常に大切なのです。
例えば、プレスリリースで「〇〇一」と書けるだけでも、メディアから注目をあびるきっかけになります。
そして、メディアに取り上げてもらうことで、他の良い取り組みも知ってもらえるチャンスを得ることが出来るのです。
そのため、一時的であっても「目立つ」ということは、大切なことなのです。
私は、どのような些細なことであっても「一番」があれば、プレスリリースやSNSには「〇〇一」とつけるようにしています。
その結果、プレスリリースした内容以外の内容も、知ってもらうきっかけが増えました。
「一番を目指す」だけでなく、「一番を探す」ことも意識してみると良いでしょう。
まとめ
今回は、地方公務員が知っておきたい「一番」より「初めて」が良い理由について、ご紹介しました。
私は、「一番」も「初めて」も、狙えるものは狙っていこうという考えを持っています。
狙えば良いというものではありませんが、思考として常に意識しています。
また、「初めて」は一生残る肩書きとして、唯一無二のプロモーション材料となります。
みなさんも機会があれば、ぜひ何かの「初めて」を意識して実践してみてください。